この記事では、実践的なノウハウと具体的な手順を解説します。初心者の方でも理解しやすいよう、ステップバイステップで説明していきます。
Amazon広告とは、Amazon内で商品の検索結果や商品詳細ページに表示されるクリック課金型の広告サービスで、購買意欲の高いユーザーに効率的にアプローチできる仕組みです。
Amazon広告とは
Amazon広告は、Amazon内で商品を効果的に露出させるための広告プラットフォームです。検索連動型のオークション形式で運用され、クリック課金の成果報酬モデルを採用しています。
Amazon広告には主に3つの種類があります:
- スポンサープロダクト広告:検索結果の上位に表示される広告
- スポンサーブランド広告:検索順位の上部にブランドロゴや見出しをカスタマイズして表示する広告
- スポンサーディスプレイ広告:様々な場所に商品バナーを表示するディスプレイ型の広告
Amazon広告の基本指標「ACoS」
Amazonの広告効果を測る重要な指標として「ACoS」(Advertising Cost of Sale:売上高広告費率)があります。
ACoSの計算式は以下の通りです:
ACoS = 広告費 ÷ 売上高 × 100%
例えば、広告費10万円で100万円の売上を上げた場合、ACoSは10%となります。ACoSが低いほど、売上に対する広告費用が少ないことを意味し、効率的な広告運用ができていると判断できます。
重要なのは、ACoSが商品の粗利率を超えると赤字になることです。粗利率50%の商品でACoSが60%の場合、実質的に赤字となるため、利益の出るACoS設定が重要です。
Amazon広告の効果測定
Amazon広告の効果は、広告掲載商品の売上だけでなく、広告のクリックから発生した売上の合計で測定されます。これには以下の両方が含まれます:
- 広告掲載商品の売上
- 広告のクリックから販売に繋がった広告外の商品の売上
詳細なレポートでは、インプレッション、クリック、クリックスルー率(CTR)、平均クリック単価(CPC)、ACoS、RoAS、コンバージョンなどの数値を確認できます。
Amazon広告の仕組み
Amazon広告の仕組みはリスティング広告とほぼ同じです。キーワードを指定することで、検索結果や商品詳細ページなどに自然な形で広告が表示されます。
Amazonを利用するユーザーは「早く買いたい」という購買意欲が高いため、キーワードを細かく設定してコスパよく1ページ目に表示させることがポイントです。
Amazon広告のメリット
購買意欲の高いユーザーへの広告配信
Amazon最大のメリットは、購買意欲が非常に高いユーザーに広告を配信できることです。他の検索サイトとの大きな違いは、Amazonで商品検索する人は「商品を知りたい」ではなく「商品を買いたい」という気持ちを持っていることです。
一般的な購買プロセスは以下の流れです:
- Attention(注意・認知)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Action(購買)
しかし、Amazonのユーザーは初めから購買意欲の高い状態でSearch(検索)するため、Action(購買)までの距離が短く、購入意欲の高い「超顕在層」に商品をアピールできるのです。
商品の発見しやすさ向上
Amazonには数億もの膨大な商品が出品されており、自然検索から商品を見つけてもらうのは困難です。Amazon広告を利用すれば、1ページ目の良い位置に商品を掲載でき、売り上げアップにつながります。
膨大なデータと細かいターゲティング
Amazonは膨大な顧客データを保有しており、初回利用者であってもAmazonの利用履歴から好みを予測してターゲティングできます。これは自社ECサイトにはない大きな利点です。
自社ECサイトでは初回利用者の情報はゼロですが、Amazonなら過去の購入履歴から、その人の好みに合わせた広告配信が可能です。
売上向上による自然検索順位の上昇
Amazonのアルゴリズム「A10」では、購入されればされるほど上位表示される仕組みになっています。一度「人気商品」と認識されると上位表示をキープでき、加速度的に売り上げがアップします。
A10では以下の要素が重要とされています:
- 納期
- 販売件数
- CVR(コンバージョン率)
- レビュー
- 顧客対応
レビューシステムの活用
Amazonはレビューが見やすく、「実際に買った側」のリアルな意見を見ることができるのがメリットです。購入者のレビューは購買決定に大きな影響を与えるため、レビューの蓄積は売上向上につながります。
競合商品ページへの広告表示
Amazon広告では、競合の商品ページに自社商品を掲載できます。例えば、他社のイヤホンページを見ているユーザーに、自社のイヤホン広告を流すことで、競合のお客さんを獲得することができます。
こうしたホームページ集客のコツを活用することで、効果的な広告運用が可能になります。
Amazon広告の出稿条件
Amazon広告を利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
基本的な出稿条件
Amazon広告を出稿するには以下の条件を満たす必要があります:
- パフォーマンスが良好な状態の大口出品用アカウントがある
- 日本国内のすべての住所に発送できる
- 1つ以上の広告利用が可能なカテゴリーでの新品の商品である
- アダルト商品、中古品、再生品、クローズドカテゴリーでの出品でない
- スポンサーブランド広告の場合は、Amazon ブランド登録への登録
- スポンサープロダクト広告の場合は、カートボックスの取得
販売形態による制限
販売形態によって利用できる広告の種類が異なります:
| 広告名 | 卸売りの場合 | メーカーの場合 |
|---|---|---|
| スポンサープロダクト | ◯(カート取得時) | ◯(カート取得時) |
| スポンサーブランド | × | ◯(ブランド登録必須) |
| スポンサーディスプレイ | × | ◯(ブランド登録必須) |
このように、メーカーの方がプラットフォーム上での施策の幅が広がり、卸売りでの出品者よりも有利に販売を行うことができます。
スポンサープロダクト広告の設定方法
スポンサープロダクト広告は最も基本的な広告形式で、以下の手順で設定します。
キャンペーン設定
新しくキャンペーンを開始する画面から「スポンサープロダクト広告」を選択し、以下を設定します:
- キャンペーン名:他のキャンペーンと判別できるよう、設定内容が分かる名前
- 開始日:広告配信を開始する日付
- 1日の予算:上限に到達すると広告が停止するため、上限に到達しない金額で設定
ターゲティング設定
スポンサープロダクト広告では2種類のターゲティングから選択できます:
| ターゲティングの種類 | 説明 |
|---|---|
| オートターゲティング(自動ターゲティング) | 4つのタイプで自動でターゲティングを設定して配信。入札調整も可能 |
| 手動ターゲティング | キーワードと商品ターゲティングの2種類に分類され、手動で選定 |
初心者にはオートターゲティングがおすすめです。以下の場合は手動ターゲティングを検討してください:
- ある程度広告運用の経験がある
- 狙いたいキーワードや商品が決まっている
- より細かく運用をしたい
入札戦略の設定
入札戦略はターゲティングの目的に合わせて使い分けることが重要です:
| フェーズ | おすすめの戦略 |
|---|---|
| 新規ターゲティングの開拓 | 動的な入札_ダウンのみ |
| 勝てるターゲティングで効率の最適化 | 動的な入札_アップとダウン |
| 特定のターゲティングで確実に露出したい | 固定額入札 |
広告グループと商品の設定
広告グループは関連性のある広告掲載商品やターゲティンググループごとに分けて作成します。これにより、広告効率を1まとまりで分析できるようになります。
掲載商品の選択では、事前にASIN(Amazon Standard Identification Number)を決めておき、「リストを入力」から一覧で入力する方が効率的です。
設定完了後、スポンサープロダクト広告は審査がないため、10分〜30分程で広告配信が開始されます。
スポンサーブランド広告の設定方法
スポンサーブランド広告はブランド登録が必要で、より訴求力の高い広告を作成できます。
広告フォーマットの選択
クリエイティブタイプでは商品コレクションが一般的なフォーマットです。ストアスポットライト広告と動画が新しいフォーマットとして利用できます。
ランディングページは、ストアページを作成していれば選択できますが、持っていなければ新しいランディングページを選択します。
クリエイティブ設定
商品コレクションタイプでは以下3箇所を設定します:
- ブランド名とロゴ:ブランドロゴの挿入とブランド名(30文字以内)
- 商品:最大3商品まで表示可能
- 見出し:35文字以内でブランドや商品と同時に見せたい内容
右側のプレビューで確認しながら作成できるため、完成イメージを把握しやすいのが特徴です。
ターゲティング設定
スポンサーブランド広告では、キーワードと商品の2種類のターゲティングから選択できます。設定完了後は「審査に申請」ボタンを押し、72時間以内に審査が完了して配信開始されます。
スポンサーディスプレイ広告の設定方法
スポンサーディスプレイ広告は自動生成されたクリエイティブを使用するディスプレイ型広告です。
商品選択の注意点
掲載する商品を選択する際は、関連性の低い商品は選択しないことが重要です。理由は、次のステップで設定するロゴと見出し文が全ての商品に適用されるためです。
例えば:
- ブランドロゴが異なる商品を選択すると、異なるロゴが適用される
- 見出しで訴求したい内容と異なる商品がそのまま掲載される
クリエイティブのカスタマイズ
デフォルトでは商品のサムネイルと商品名が自動作成されますが、「クリエイティブをカスタマイズ」を選択するとブランドロゴと見出し文を追加できます。
カスタムクリエイティブを設定しない場合は最短1〜2時間後に掲載開始、カスタムクリエイティブを設定した場合は審査が入り、24時間〜最長3営業日かかります。
Amazon広告で成果を出すポイント
キーワードレポートの分析と改善
Amazon広告で成果を出すために最も重要なのがキーワードレポートの分析です。広告を始めただけではすぐに成果は出ないため、継続的な改善が必要です。
キーワードレポートは以下の手順で確認できます:
「キャンペーン>アドグループ>検索用語をクリック」
「キーワード」列は設定したキーワード、「カスタマーの検索用語」列で実際に掲載されたキーワードが確認できます。効果のいいものは完全一致で配信し、効果の悪いキーワードは「ネガティブターゲティング」で除外することが重要です。
商品レポートの活用
商品レポートも成果向上の重要な要素です。確実に売上が増える商品に絞って広告を出すことで、広告の費用対効果を改善できます。
「キャンペーン>アドグループ>広告」の手順で商品レポートを確認し、ASINごとの広告配信実績をチェックしましょう。効率の悪い商品は広告掲載から除外し、効率のいい商品のみで運用することで売上拡大を見込めます。
効果的な広告運用については、SEO対策やり方入門で解説している分析手法も参考になります。
Amazon広告活用前の重要な準備事項
Amazon広告の効果を最大限にするため、以下3つの項目を事前に確認・準備しましょう。
プライムマーク取得
プライムマークはAmazonから出荷・配送品質が認められた時に取得できる認証マークです。消費者の信頼性が高く、マーク取得だけで売上が向上するケースも多くあります。
取得方法は2通りあります:
- FBA(Fulfillment by Amazon)の利用:Amazonの物流倉庫に商品を預け、一連の業務をAmazonが代行
- マケプレプライムの利用:自社または物流委託業者からの出荷でAmazonの定めるプライム配送要件を満たす
FBAは自動化が進んでいるため入庫フォーマットに厳しいルールがあり、冷凍・冷蔵設備がないため商材に制限があります。マケプレプライムは冷凍・冷蔵商品などFBAに預けられない商材でプライムマークを取得できる唯一の方法です。
カートボックス取得
Amazonでは同じ商品を複数のショップが販売する場合、相乗り出品という形で1ページにまとめられ、Amazonの評価が一番高い1ショップだけが商品ページトップに表示されます。
多くの購入者は「カートに入れる」ボタンから購入するため、カートボックスを取得していないと他の店舗に売上が流れてしまいます。また、スポンサープロダクト広告の配信条件としてカートボックスの取得が必要です。
カートボックス取得には以下4つの要素が重要です:
- 納期(配送)
- 価格
- 評価
- 在庫
特に納期は重要で、安い商品よりも納期が早い商品にカートボックスが付与されることも多くあります。
メーカーであれば「ブランド登録」プログラムへの参加申請ができ、これもカートボックス取得率に影響します。ブランド登録により悪質な転売や模造品をAmazonに通報することも可能になります。
在庫管理
在庫切れの状態が続くと露出がなくなり、カテゴリー内での評価下落を引き起こし、売れないスパイラルに入り込む可能性があります。広告出稿前には機会損失しないよう十分な在庫を保持することが重要です。
Amazon広告の運用代行を検討する場合
自社でAmazon広告を継続的に運用することが困難な場合は、専門の代理店に依頼することも選択肢の一つです。
商品出品管理への集中
代理店に運用を依頼することで、商品の出品管理に集中できます。Amazon出品には商品画像の作成、商品ページの作成、在庫管理など様々な業務がありますが、これに広告運用が加わると大きな負担となります。
代理店への依頼により、通常通り商品の出品管理に集中しながら売上を伸ばすことが可能になります。
最新情報の共有
Amazon広告の最新情報が共有できる点も大きなメリットです。例えばスポンサーディスプレイ広告は日本国内ではベータ版のため、今後の仕様変更も予想されます。
インハウス運用では仕様変更への対応を全て自社で行う必要がありますが、代理店に依頼すればこれらの対応を任せることができます。
専門知識とアドバイス
代理店にはAmazon広告運用の豊富な実績があるため、的確なアドバイスを受けることができます。キーワードターゲティングの選定方法など、今後の広告運用に活かせる知識を得ることができます。
効果的な運用については、LLMO対策完全ガイドで解説している最適化手法も参考になります。
よくある質問
Q. Amazon広告を始めるのに最低限必要な条件は何ですか?
A. 大口出品アカウント、新品商品の出品、日本全国への配送対応が最低限必要です。スポンサープロダクト広告にはカートボックスの取得、スポンサーブランド・ディスプレイ広告にはブランド登録も必要になります。
Q. ACoSの目安はどのくらいに設定すべきでしょうか?
A. ACoSは商品の粗利率以下に抑えることが重要です。粗利率が30%の商品であれば、ACoSは30%以下に設定しないと赤字になります。理想的には粗利率の50-70%程度を目安に設定しましょう。
Q. 初心者にはどの広告タイプがおすすめですか?
A. スポンサープロダクト広告のオートターゲティングから始めることをおすすめします。設定が簡単で審査もなく、10-30分で配信開始できるため、初心者でも取り組みやすい形式です。
Q. Amazon広告の審査にはどのくらい時間がかかりますか?
A. スポンサープロダクト広告は審査なし、スポンサーブランド広告は72時間以内、スポンサーディスプレイ広告は24時間から最長3営業日です。カスタムクリエイティブを使用する場合は審査時間が長くなる傾向があります。
Q. プライムマークは売上にどの程度影響しますか?
A. プライムマークは消費者の信頼性向上に大きく貢献し、マーク取得だけで売上が向上するケースが多数報告されています。特にAmazonプライム会員は送料無料のメリットもあり、すぐに購入する傾向が強いため、売上への影響は大きいと言えます。
まとめ
Amazon広告は購買意欲の高いユーザーに効率的にアプローチできる強力な広告プラットフォームです。
基本的な設定方法に従えば初心者でも始められますが、継続的な運用と改善が成果を出すカギとなります。キーワードレポートや商品レポートを定期的に分析し、効果の高いターゲティングに集中することで、費用対効果の高い広告運用が可能になります。
また、プライムマーク取得、カートボックス取得、適切な在庫管理といった基本的な準備を怠らず、自社のリソースに応じて代理店の活用も検討しながら、戦略的にAmazon広告を活用していきましょう。
効果的な広告運用と併せて、アクセス数を増やす方法17選で解説している集客手法も組み合わせることで、より総合的なマーケティング効果を期待できます。
専門家からのアドバイス
実践する際は、まず小規模にテストしてから本格的に展開することをおすすめします。PDCAサイクルを回しながら、継続的に改善していきましょう。
この記事のポイント
- 基礎から応用まで体系的に学べる
- 実践的なステップで即座に活用可能
- よくある失敗パターンと対策を解説
