この記事では、基礎知識から実践的な活用方法まで、わかりやすく解説します。専門用語もできるだけ噛み砕いて説明していきます。
Google Bardとは、Googleが開発した対話型AI(生成AI)で、LaMDAやPaLM2といった大規模言語モデルを基盤として、テキスト生成・翻訳・質問応答などを自然な会話形式で行えるサービスです。
Google Bardとは
Google Bard(グーグルバード)は、名前の通りGoogleが開発した対話型AIです。2023年3月にアメリカ・イギリスで最初にサービスが公開され、日本語版は同年5月から利用可能となりました。2023年8月時点でも、Google Bardは試験的に運用されている段階です。
Google Bardの基盤技術「LaMDA」とは
LaMDAは、Google AIが開発した大規模な言語モデル(LLM)です。テキストとコードの膨大なデータセットでトレーニングされており、以下の機能を持っています:
- テキストの生成
- 言語の翻訳
- さまざまな種類のクリエイティブコンテンツの作成
- 有益な方法での質問への回答
- コードの生成と実行
まだ開発中のモデルですが、さまざまなタスクで人間並みのパフォーマンスを達成しています。今後もさらなるパワーアップが予想されます。
Google Bardがリリースされた背景
Google Bardがリリースされた理由は、主に以下の点が挙げられます:
- 大規模な言語モデル技術の成熟により、人間並みのテキスト生成が可能になった
- 自然言語を理解・生成する能力が大幅に向上した
- インターネットの普及により大量のテキストデータが蓄積された
- Googleサービス全体の利便性向上への需要
これらが複合的に合わさって、ユーザーがGoogleのサービスをより効率的に使用できるようになりました。
Google Bardのリリース時期
Google Bardのリリーススケジュールは以下の通りです:
- 2023年3月21日:アメリカとイギリスで実験版公開
- 2023年4月18日:日本からもウェイトリストでの参加が可能に
- 2023年5月11日:日本語対応の一般公開開始
リリース当初は、ウェイトリストへの登録が必要でしたが、現在は廃止され、誰でも気軽に利用できるようになっています。
大規模言語モデル「PaLM2」について
PaLM2は、Google AIが開発した大規模言語モデルで、2023年1月に一般公開されました。以下の特徴があります:
- パラメーター数540億個という膨大な規模
- 前世代PaLMの2倍のパラメーター数
- TPU v4 Podsによる高速トレーニング(前世代より10倍高速)
- より複雑なパターン学習と正確な結果生成
- 最新情報に基づいた迅速な結果生成
PaLM2は、機械学習の研究や開発に使用できる強力なツールとして期待されており、コードの生成と実行も可能です。
Google Bardの特徴・強み
複数の回答案が得られる機能
Google Bardの大きな特徴として、1つの質問に対して複数の回答案を提示する機能があります。これは、テキストとコードの膨大なデータセットでトレーニングされているためです。
例えば「フランスの首都は?」と質問した場合、複数の回答案が表示され、ユーザーは自分のニーズに合った回答を選択できます。この機能により、より多くの選択肢から最適な回答を選ぶことが可能です。
ソースコード生成機能
Google Bardは、文章だけでなくソースコードの回答も生成できます。Web アプリケーション開発を考えている場合、「Web アプリケーションのソースコード」と質問することで、実際に使用可能なソースコードを生成してくれます。
生成されたソースコードはダウンロードして、実際のアプリケーション開発に活用することができるため、プログラミング学習や開発業務の効率化に役立ちます。
Web上の画像検索・表示機能
Google Bardは、Web上の画像の検索と表示も可能です。テキストと画像の膨大なデータセットでトレーニングされているため、「猫の画像」などと検索すると、関連する画像を検索して表示できます。
表示された画像は、パソコンやスマートフォンにダウンロードすることも可能で、資料作成やコンテンツ制作に活用できます。
ビジネスメール作成支援
Google Bardは、定型的なビジネスメールの作成も得意としています。作成可能なメールの例:
- 商談の依頼メール
- 納期の確認メール
- 商品の注文メール
- 請求書の送付メール
- 支払いの確認メール
ビジネスマナーを守った適切な文面で作成され、ユーザーの入力内容に合わせてカスタマイズされます。これにより、メール作成の時間短縮と品質向上を同時に実現できます。
アイデア創出支援
Google Bardは、創造的なアイデアの創出にも活用できます。具体的な活用例:
- 新しいビジネスアイデアの提案
- 新製品・サービスの開発アイデア
- マーケティングキャンペーンの企画
- コンテンツ作成のアイデア出し
ユーザーの考えを広げ、新しい視点からのアイデアを提案してくれるため、クリエイティビティの向上に大いに役立ちます。
Google Workspaceとの連携
Google BardはGoogle Workspaceと連携可能で、以下のサービスと組み合わせて利用できます:
- Gmail
- Google ドキュメント
- Google スプレッドシート
- Google スライド
- Google カレンダー
例えば、Googleドキュメントで文書作成中に質問することで、自動的な修正や新しいアイデアの追加が可能です。この連携により、作業効率の大幅な向上が期待できます。
プロンプト編集機能
Google Bardでは、プロンプト内容の編集が可能です。これにより、より具体的で創造的な出力を得ることができます。
例えば「猫の詩」から「黒猫の詩」に編集することで、より具体的な内容の詩を生成できます。なお、元の回答内容が必要な場合は、事前にGoogleドキュメントへエクスポートしておくことをおすすめします。
Google Bardの使い方
Google Bardの利用開始は非常に簡単です。Googleアカウントを持っていれば、以下の手順で誰でもすぐに利用できます:
- Google Bardの公式サイトにアクセス
- 利用規約を確認
- Googleアカウントでログイン
- すぐに質問を開始
生成AIおすすめ17選の記事でも詳しく解説していますが、Google Bardは無料で利用できる優秀な生成AIツールの一つです。
Google BardとChatGPTの比較
回答内容・回答精度の違い
Google Bardは、テキストとコードの膨大なデータセットに加え、Google検索の情報を取り込んでいるため、最新の情報に対応した精度の高い回答が得られることが多いです。
一方、ChatGPTは2021年9月よりも後の情報がないという制限がありますが、「会話」に重きを置いているため、会話の流れをより自然に維持し、パーソナライズされた回答を提供することに特化しています。
ただし、ChatGPTでは「WebChatGPT」や「ChatGPTplugins」といった拡張機能を導入することで、最新の情報を活用することができます。
回答スピードの比較
回答スピードに関してはChatGPTの方が優位とされています。Google Bardは現在試験運用中で軽量版LaMDAを使用しているため、やや遅く感じる場合があります。
しかし、正式版になればフル版のLaMDAを使用することで、回答スピードの改善が見込まれています。
連携サービスの違い
ChatGPTは、OpenAIが開発し、Microsoftが出資している背景から、Microsoftのサービスと連携する傾向があります。また、OpenTable、ZipRecruiter、Instacart、Wolfram、Khan Academyなどとの連携も進めています。
対してGoogle BardはGoogleが運営しているため、Gmailをはじめとする多くのGoogleアプリケーションと標準で連携しています。
参照元の提示について
参照元(ソース)の提示機能は、現在両方とも標準では搭載されていません。現時点で参照元の提示が機能として搭載されているのは、Microsoft Bingのみです。
ChatGPTでは「参照元を示してください」という入力により論文や参照ページを含めた回答は可能ですが、そのソースの信憑性や内容の正誤については自分で確認することが重要です。
Google Bardを使う上での注意点
回答を鵜呑みにしない
Google Bardはまだ開発中のモデルであり、常に正確な回答を生成できるとは限りません。以下の点に注意が必要です:
- 訓練データセットに誤った情報や偏見が含まれている可能性
- 生成されるテキストが常に正確とは限らない
- 翻訳結果が常に正確とは限らない
対話型AIは膨大なテキストデータから回答を生成しますが、常識や事実についての真の理解があるわけではありません。本当に正確かどうかの吟味は、人間自身が行わなければなりません。
対話型AIの仕組みを理解して使用する
対話型AIの仕組みを理解することで、より効果的に活用できます。基本的な仕組みは以下の2つです:
- 自然言語処理(NLP)による入力の解釈
- 機械学習による回答の生成
対話型AIは人間ではないため、人間と同じように考えて行動することはできません。また、悪意のあるソースコードやEメールの文面を生成させて詐欺に悪用するといった危険性も考慮し、法律や常識の枠を超えることなく活用する必要があります。
ビジネス利用におけるルール作成
ビジネスでGoogle Bardを活用する際は、以下の観点でルールを作成することが重要です:
- ビジネスの目的に合っていること
- 明確で簡潔であること
- 遵守しやすいこと
- 変更や更新が容易であること
生成AI研修のカリキュラム設計についても参考にしながら、適切なガイドラインを策定することをおすすめします。
アカウント設定の確認
ユーザーが送信した質問・受信した回答・提供したフィードバックなどの情報は、Googleアカウント上に保存されています。プライバシーが気になる場合は設定を「オフ」にし、「自動削除」する期間も適切に設定しておきましょう。
一部機能の言語制限
会話や文章生成は日本語に対応していますが、Web画像の検索・表示などは英語のみに対応しています。英語が苦手な場合は、事前に翻訳サイトで日本語のプロンプトを英訳してから使用することをおすすめします。
Google Bardと他の生成AIツールとの使い分け
Google Bardは優秀な生成AIツールですが、用途に応じて他のツールと使い分けることで、より効果的な活用が可能です。
生成AIおすすめ17選で紹介されている他のツールと組み合わせることで、それぞれの強みを活かした生産性向上が期待できます。また、LLMO対策完全ガイドを参考に、検索エンジンで見つけられやすいコンテンツ作成にも活用できます。
まとめ
Google Bardは、Googleが提供する無料の対話型AIサービスで、LaMDAやPaLM2といった先進的な大規模言語モデルを基盤としています。テキスト生成、翻訳、ソースコード作成、画像検索など多様な機能を持ち、Google Workspaceとの連携により業務効率化にも大いに貢献します。
ChatGPTと比較すると、最新情報への対応やGoogle サービスとの連携に優位性がある一方で、回答スピードや会話の自然さではChatGPTに劣る面もあります。それぞれの特徴を理解し、用途に応じて使い分けることが重要です。
現在も試験運用中のため、今後さらなる機能向上や精度改善が期待されます。適切なルールと注意点を理解した上で活用することで、日常業務からクリエイティブな作業まで幅広く支援してくれる優秀なツールとして活用できるでしょう。
よくある質問
Q. Google Bardは無料で使えますか?
A. はい、Google BardはGoogleアカウントがあれば無料で利用できます。現在試験運用中ですが、基本的な機能はすべて無料で使用可能です。
Q. Google BardとChatGPTはどちらが優秀ですか?
A. それぞれに異なる強みがあります。Google Bardは最新情報への対応とGoogleサービス連携に優れ、ChatGPTは会話の自然さとスピードに優れています。用途に応じて使い分けることをおすすめします。
Q. Google Bardで生成した内容をビジネスで使っても大丈夫ですか?
A. 利用は可能ですが、生成された内容の正確性を必ず人間が確認し、適切なルールとガイドラインを策定した上で使用することが重要です。また、機密情報の入力は避けるべきです。
Q. Google Bardは日本語に完全対応していますか?
A. 基本的な会話や文章生成は日本語に対応していますが、Web画像の検索・表示などの一部機能は英語のみに対応しています。必要に応じて翻訳ツールを活用してください。
Q. Google Bardの回答が間違っている場合はどうすれば良いですか?
A. Google Bardはまだ開発中のため、回答に誤りが含まれる可能性があります。重要な情報については必ず他の信頼できる情報源で確認し、フィードバック機能を使用して改善に協力することをおすすめします。
専門家からのアドバイス
情報を活用する際は、自社の状況に合わせてカスタマイズすることが重要です。そのまま真似るのではなく、本質を理解して応用しましょう。
この記事のポイント
- 最新の情報を網羅的に解説
- 実務で使える知識を提供
- 関連情報へのリンクも充実
