SNSのタイムラインや日常のニュースでも耳にする機会が増えつつあるChatGPTですが、最新のChatGPT-4について知らない人も意外と多いでしょう。
今回この記事ではそもそもChatGPTとはなんなのかを含めて、最新のChatGPT-4について詳しく紹介していきます。
ChatGPT-4と従来のChatGPTの違いをしっかり把握することで、より有効にChatGPTを活用していけるはずです。
この記事を参考にChatGPT-4の導入を検討してみましょう。
ChatGPT-4とは
ChatGPT-4はOpenAI(オープンエーアイ)が開発した人工知能チャットボットの最新版です。
そもそもChatGPT自体をよく知らないという人のためにChatGPT自体についても詳しく解説していきます。
ChatGPTとは
ChatGPTはチャットボットに分類されるプログラムの一つで、何といっても無料で一般の人でも利用できるチャットボットということで注目を集めました。
チャットボットと言われてもイメージできない人も居ると思いますが、ユーザーの質問などにチャットで自動応答をするプログラムのことを指します。
この自動応答に人工知能を搭載して、より人間らしい回答ができるプログラムを目指して作られています。
名前に含まれているGPTはGenerative Pre-trained Transformerの略で、日本語では「生成可能な事前学習済み変換器」という意味です。
ChatGPTはユーザーの回答に自然な回答をしてくれることで話題になり、世界中で注目を集めました。
英語だけでなく、日本であれば日本語で質問をしても自然な日本語で回答がくるため違和感なく使用できるのが特徴です。
チャットボットとは
ECサイトなどで商品や発送に関する質問などを、プログラムで自動回答してくれるのがチャットボットです。
チャットボットはチャット対応ができるロボットという意味で作られた造語です。
インターネットの普及によって24時間商品を売買可能なECサイト爆発的に普及しましたが、質問やトラブルなどに24時間対応するのは難しく、今日ではチャットボットによる対応が一般的になりつつあります。
電話対応などのスタッフを24時間対応できるように配置すれば多額の人件費が必要になりますが、チャットボットであればプログラムですのでかなり金額を抑えることが可能です。
一方で従来のチャットボットでは対応できる質問の幅が狭く、あまり役に立たないということがありましたが、その点でChatGPTはAIによる学習で圧倒的な対応力を持っているのが特徴です。
ただし、自身のECサイトなどでそのまま使うということは難しく、商業用の顧客対応チャットボットとはベクトルが違うプログラムといえます。
ChatGPTと一般的なチャットボットの違い
前項でも触れましたが、ある程度決まった質問に対して返事をする一般的なチャットボットとは異なる特徴をもっています。
なんといってもAIによって人間の文章を学習し、その文脈に基づいて応答を生成する能力を持っている点で大きく異なります。
この影響でより自然な対話が可能となり、幅広いトピックについての情報を提供することができるのが大きな特徴です。
一般的なチャットボットは使用する場所で想像できる質問に対して決まった答えを返すだけのものですが、ChatGPTは学習によってより最適化された返答を可能にしています。
特に多言語に対応しているのが特徴で、ChatGPTは英語版・日本語版など分かれていませんが、英語で質問をすれば英語で、日本語で質問すれば日本語で回答します。
翻訳なども可能であり、従来のチャットボットとはもはや別物といっても過言ではないプログラムになっています。
Alexaやsiriとの違い
ChatGPTはAlexa(アレクサ)やsiri(シリ)などの対話型AIと比較されることもしばしばあります。
ChatGPTはあくまでチャットでのやり取りであるのに対して、アレクサやシリは音声での対話になるのが特徴です。
アレクサやシリは感情なども考慮した受け答えや回答をしてくれますが、ChatGPTは感情や趣味嗜好に関する答えはあまり得意ではありません。
また、すでに学習済みモデルとして2021年までのデータによる回答がメインになるため、最新の情報やトレンドに対する回答を苦手としています。
ただし、客観的な回答をしてくれるのがChatGPTの特徴ともいえ、自分でチャットを入力する手間はありますが、回答が文書として残るというのもメリットです。
また、言語の幅が広いのもChatGPTの長所で、翻訳なども得意としているという特徴もあります。
ChatGPT-4と従来のChatGPTの違い
ChatGPTといっても実はGPT-3.5とGPT-4があり、GPT-4が最新版となります。GPT-4はGPT-3.5の上位互換にあたるので、性能でいえばGPT-4が上です。
ただし、GPT-4は有料でGPT-3.5は無料という違いもあるので、性能差を理解してどちらを利用するか検討していきましょう。
GPT-3.5
一般的にChatGPTといえばこちらを指していることが多いでしょう。
メールアドレスがあればアカウントの登録が可能で、アカウントが作れれば誰でも無料で使用することができるのが最大の特徴です。
簡単な質問などに対する答えに関してはGPT-4と比較しても極端な違いはなく、AIチャットサービスとしては十分な性能をもっているといえるでしょう。
日本語版というのは存在しておらず、基本は英語ですが、トップに書いてある内容はGoogleの翻訳ででも問題なく理解できるレベルです。
しかし、公式サイト自体を自動翻訳してしまうと不自然な回答になってしまうため、自動翻訳をかけずにそのまま日本語でチャットをするようにしましょう。
回答できる範囲は多岐に渡り、簡単な質問であれば満足いく回答が返ってくる可能性は高いといえます。
一方で2021年までのデータしか持たないため、最新の情報などに関しては回答ができないか、古いデータによる回答しかできない場合があるので注意は必要です。
GPT-4
2023年3月15日にリリースされた最新型のChatGPTで、ChatGPT-3.5の完全上位ともいえる性能を誇ります。
個人レベルの一般的な質問ややり取りなどではあまり大きな違いは感じられないかもしれませんが、一般常識の幅や問題解決能力に関しては大きく向上しています。
画像認識や、画像からの文字列の取り込み、画像生成などチャットでのやり取りの枠を超えた機能も充実しており、音声への対応も始まっています。
学習モデルや使用するネットワークに関しても改善されており、よりユーザーの求める回答を出せる確率も上がっています。
多機能化しつつ高性能化しているため、両方使えるのであれば誰もがChatGPT-4を利用するレベルといえるでしょう。
無料と月額3,000円弱の差は大きく、多くの人がChatGPT-3.5を利用している状況です。
ビジネスでの利用を考えると、画像生成、音声生成や精度の高い翻訳などの機能は有効なため、ChatGPT-4でできることをよく理解しておくことが重要です。
ChatGPT-4のメリット
ChatGPT-4を使用するメリットを詳しく見ていきましょう。
ChatGPT-4のメリット
- GPT-3.5よりも高性能な問題解決能力
- 使用可能な言語が増加
- 画像からのテキスト出力
- 音声への対応も拡張
違いでも触れましたが、ほとんどの性能が向上しており、できることそのものが増えています。
特にチャットだけでなく音声や画像への対応も広がっており、特にビジネスシーンでの活躍が期待できます。
MicrosoftのBing AIにChatGPT-4が使われており、今後はMicrosoft Officeなどでの活用も期待されています。
通常の文書作成だけでなく、プログラミングの制度も上がっており、言語モデルAIの最高峰といっても過言ではありません。
ChatGPT-4デメリット
ChatGPT-4には少なからずデメリットもあります。
特にGPT-3.5と比較して有料になるという違いがありますので、デメリットもきっちり把握しておきましょう。
ChatGPT-4のデメリット
- 基本的に有料(月額20ドル)
- 3時間毎に25メッセージまでの制限
- GPT-4であっても回答がすべて正しいとはいいきれない
デメリットとして一番大きなポイントはやはり有料というところでしょう。
月額20ドルを大きな負担と感じる人もいるので、GPT-3.5のままという人も少なくはありません。
ただし、企業などでは多機能化したGPT-4を採用することも多く、メッセージのやりとりに制限をかけられているのが現状です。
また、性能は向上していても回答がすべて正しいものという訳ではなく、そういった可能性を考慮して使用する必要はあります。
高性能ではあるものの、頼りすぎてしまうと危険というのはどのAIにも言えることかもしれません。
ChatGPT-4利用に必要なもの
それほど様々なものが必要な訳ではありませんが、ChatGPTを利用するためにはいくつか準備は必要です。
端末の用意
基本的にChatGPTはプログラムですので、スマートフォンやパソコンなどのWebサイトを閲覧できる端末が必要です。
スマートフォンの場合は現在アンドロイドでは利用できず、iPhoneでの使用になります。
GPT-4を活用しようと思うとパソコンの方が様々な操作がしやすいというメリットはありますが、チャットによるやり取りに関してはさほど大きな差はありません。
アカウントの登録
まずChatGPT-4を利用するにはまずアカウントの登録が必要です。
ChatGPTの公式サイトにアクセスすればすぐに登録可能なので、まずは公式サイトを見てみましょう。
アカウント自体はGoogleアカウントやMicrosoftアカウント 、Appleアカウンとでも登録可能です。
どのアカウントも持っていない場合でも、eメールアドレスがあれば登録自体は可能です。
対応しているアカウントまたはeメールアドレスを登録して、ChatGPT用のパスワードを設定すればまずはChatGPTを利用する準備が完了します。
ChatGPT-3.5を使用してみる
ChatGPTに触れるのが初めての場合は、アカウント登録が完了して使用できるようになったらまずは無料プランの状態で使用してみましょう。
無料版とはGPT-3.5のことを指します。スペック的にはGPT-4に劣りますが、無料のチャットAIとしては破格の性能を持っているのでまずは使用してみましょう。
1回のメッセージにおける多少の制限はありますが、個人的に使うにはほとんど影響がなく、特に気にせず使用することができます。
ChatGPT-3.5を利用してみれば、ChatGPTそのものがどのようなものなのかよくわかると思います。
有料であるGPT-4に切り替える前に、まずはGPT-3.5で問題なく使用できるか確認しておくのがおすすめです。
ChatGPT-4に切り替える
GPT-4を使用する場合「ChatGPT Plus」という有料プランに切り替える必要があります。
支払いはクレジットカード決済になります。サブスク登録になるので、有料プランを中止する場合は解除を忘れないようにしましょう。
ChatGPT Plusに登録すると、チャットを始める前に「モデルの変更」が可能になり、そこでGPT-3.5かGPT-4を選択可能になります。
GPT-4の場合は時間当たりのメッセージ制限などもあるので、制限がかかってしまった場合はGPT-3.5に切り替えるということも可能です。
また、有料プランであるChatGPT Plusに登録していれば、混雑時にレスポンスが遅くなったり、返答がなくなるということが少なくなります。
ChatGPT-4の有効な使い方
GPT-4のデメリットの一つである、メッセージ制限は現状で大きな問題といえます。
そのため、ChatGPT Plusに登録したとしても、うまく活用していくことが重要です。
GPT-4とGPT-3.5を上手く使い分ける
ChatGPTを利用する際にChatGPT Plusに登録している場合はGPT-3.5とGPT-4から選択して利用することができます。
現時点でGPT-3.5が2種類とGPT-4の3つから選択してチャットを行えます。
GPT-3.5が2種類あるのは現行版と旧版の2種のどちらも利用可能なためです。
ChatGPT Plusに登録していれば、GPT-3.5を使用していても応答時間の短縮や混雑による遅延などが改善されるため有効です。
音声認識や画像認識などGPT-4の機能が必要な場合はGPT-4を使用して、それ以外のシンプルな質問はGPT-3.5を使用するという使い分けがおすすめです。
Microsoft EdgeでBingを使用する
WindowsOSのPCであれば必ずインストールされているブラウザの「Edge」でも利用できます。
厳密にはGPT-4とは少し違いますが、ChatGPTを利用してスムーズな会話を可能にしつつ、最新の情報をBingによって検索しているのでGPT-4にかなり近い性能といえます。
より自然な会話という点ではGPT-4の方が優れているといえますが、Bing検索の方が回答の根拠になるURLなどを用意してくれるため、目的によってはGPT-4よりも役立つことがあります。
最新の情報を参照しているといっても必ず正確という訳ではないので注意は必要です。
また、Bing検索の方でもGPT-4と同じようにチャットのやり取りに制限があるため、やはり使い分けが重要です。
質問を工夫する
GPT-4ではチャットのやり取りの回数に制限があります。そのため、質問できる回数を有効に活用するためのコツがいくつかあります。
質問のコツ
- 具体的な質問をする
- 回答の条件を指定する
- 質問を掘り下げていく
- 丁寧な言葉を使う
コツについて細かく解説していきます。
具体的な質問をする
例えば「人気があるキャラクターはなんですか?」という質問をした場合、ChatGPTは世界全体で知名度があるキャラクターを回答します。
世界中で人気があるキャラクターを知りたい場合は問題ありませんが、日本で人気があるキャラクターを知りたい場合や、特定の時代に人気だったキャラクターを知りたい場合には不十分です。
いつ、どこで、誰がなどの具体的な指定をして質問をすることで、GPT-4の質問回数を減らすことが可能です。
回答の条件を指定する
ChatGPTに質問をすると、回答が複数ある場合は箇条書きで回答してきます。
また、非常に長文でわかりにくい回答をされることもあるため、回答の条件を絞るのも重要です。
思った形式の回答ではない場合、質問をし直さなければならない可能性もあるので、どういった形で回答を欲しているか伝えておくのも重要です。
条件に合った回答方法をスムーズに出せるのもChatGPTの特徴の一つです。
質問を掘り下げていく
上記2つと相反するコツになってしまいますが、より精度の高い回答を得るために質問に質問を重ねてできるだけ正確性を増すという方法もあります。
ChatGPTは直前の質問や条件をある程度記憶しているので、質問を繰り返すことで回答の精度を上げることが可能です。
チャットの制限も個人で使う分には極端に厳しいものではないので、回数節約にこだわり過ぎないことも重要です。
質問を重ねることで、だんだん質問のコツも身についてくるでしょう。
丁寧な言葉を使う
敬語を使うとより丁寧な回答が返ってくるという記事などもありますが、興味深いことにChatGPT自身はそれを否定しています。
そのため、必ずしも丁寧な言葉を使う必要ありませんが、相手にわかりやすく伝えようとする気持ちは重要な可能性があります。
つまり、敬語自体が重要というよりもわかりやすく伝えようとすることでユーザー側の対応が変わり、回答の質に変化が生まれる可能性があるといえるでしょう。
ChatGPTは自然な会話が可能なチャットAIですので、知らない人に話すつもりで丁寧に質問をしてみましょう。
ChatGPT-4の今後
ChatGPTは現在も改良され続けており、「GPT-5」が2023年第4四半期にリリース予定というニュースも発表されています。
ChatGPTの今後の展望について解説します。
GPT-4 Turboのリリース
米国時間の2023年11月6日に、最新の大規模言語モデル「GPT-4Turbo」が発表されました。
2023年の4月まで学習しているだけでなく、パフォーマンスの大幅アップ、そして高性能かつ安価で、128K(128000トークン)という膨大なコンテキストウィンドウに対応というのが特徴。
およそ300ページもわたる長文の回答ができるとのことです。
会議や書籍、論文の要約なども一度に抽出できるというわけです。
今回のGPT-4 Turboにより一度に送付でき情報が細切れに分割しなくてもよくなるので、さらに効率化アップといったところでしょう。
GPT-5のリリース
GPT-4Turboよりも更にAIとしての性能を高めたGPT-5の話題もすでに耳にします。
公式からの発表は2024年2月時点でもないため、憶測の段階ですが、2024年中のリリースが米国内でも予想されているとのこと。
汎用人工知能としての完成に近づくモデルになるのではないかという見解もあります。
GPT-4から強化されている画像や音声の認識は、人間であれば自然にできる処理です。
GPT-4までではまだ完全とは言えず、人間が可能な知的作業を理解・学習と実行ができるAIへの進化が望まれています。
現在では特化型人工知能が多いですが、将来的には汎用人工知能の開発が盛んになる可能性があります。
まとめ
今回はChatGPT-4を含む、ChatGPTについて詳しく解説しました。
スマートフォンでも使用可能で、誰でも気軽に触れることができるチャットAIとして全世界で爆発的に使用されるようになったChatGPTですが、現在はGPT-4とGPT-3.5の2種があることを覚えておきましょう。
GPT-4は有料ではありますが、全体的な性能やできることがGPT3.5よりも増えており、特にビジネスでの活用が期待できます。
一方で使用回数の制限や、回答の正確性などには問題が残り、今後の更なるバージョンアップも期待されています。
興味がある人は、まず無料で使用できるGPT-3.5を使ってみるのが良いでしょう。
その上でGPT-4で可能な機能を必要と感じた場合は、GPT-4が使用可能になるChatGPT Plusに登録しましょう。