Classic ASPから.NET Coreへの移行|費用・期間・成功事例
Classic ASPとは
Classic ASP(Active Server Pages)は、1996年にMicrosoftがリリースしたサーバーサイドスクリプト技術です。VBScriptまたはJScriptを使用してHTML内にサーバーサイドロジックを埋め込む方式で、IIS(Internet Information Services)上で動作します。Windows + IIS + SQL Serverといういわゆる「Microsoft三種の神器」の一角として、2000年代初頭の企業Webシステムで広く採用されました。
しかし、Classic ASPはMicrosoft自身が2002年にASP.NETへの移行を推奨して以降、実質的に開発が停止しています。IIS上での動作は引き続きサポートされていますが、新機能の追加やパフォーマンス改善は一切行われていません。2026年現在、Classic ASPは最も古いWebテクノロジーの一つとして、移行の緊急性が極めて高い状態です。
Classic ASPを使い続けるリスク
1. セキュリティリスク
Classic ASPには現代的なセキュリティフレームワークが一切組み込まれていません。CSRF対策、XSS対策、SQLインジェクション対策は全て開発者が手動で実装する必要があり、20年前のコードではこれらの対策が不十分なケースが大多数です。特にVBScriptのADODB.Connectionによるデータベースアクセスは、パラメータ化クエリが使われていないケースが多く、SQLインジェクションの温床となっています。
2. 保守コストの増大
Classic ASP(VBScript)を理解できるエンジニアは絶滅危惧種レベルまで減少しています。2025年の国内IT人材市場では、Classic ASPの保守案件に応募するエンジニアはほぼゼロに近く、外注単価は.NET案件の2〜3倍に達するケースもあります。また、VBScriptにはデバッグツールがほとんどなく、障害対応の効率も非常に悪い状況です。
3. 事業継続リスク
Classic ASPはWindows Server上のIISでのみ動作し、クラウドネイティブな環境への移行が不可能です。Azure App ServiceやAWS Elastic Beanstalkなどのモダンなホスティング環境では動作せず、物理サーバーまたは仮想マシンの維持が必須です。IISの将来的なClassic ASPサポート廃止も否定できず、突然のサービス停止リスクがあります。
Classic ASPから.NET Coreへの移行手順
STEP 1: 現状調査・影響範囲の把握
ASPファイル(.asp)の数、VBScriptの行数、使用しているCOM/ActiveXコンポーネント、データベースアクセス方式(ADO)を棚卸しします。Application/Session変数の使用状況、Server.CreateObject呼び出し、#include文による共通ファイルの依存関係を全て洗い出します。
STEP 2: 移行計画の策定
移行先は.NET 8(最新のLTS版)+ ASP.NET Coreを推奨します。移行方式は2つ:
①フルリライト: C# + Razor Pages / Blazorで再構築。最も品質が高い
②段階的移行: まずASP.NET Core MVCで基本構造を作り、VBScriptロジックを順次C#に変換
VBScript→C#の変換は言語的な差異が大きいため、自動変換ツールの適用は限定的です。AIによるコード解析で変換対象のロジックを抽出し、C#への書き換えを効率化します。
STEP 3: テスト環境での検証
.NET 8環境で移行後のアプリケーションを動作させます。特にレスポンスのHTML出力が旧ASPと一致しているかの確認が重要です。Classic ASPはHTMLをResponse.Writeで直接出力するケースが多く、Razor PagesやBlazorのテンプレート出力との差異を確認します。データベースアクセスはEntity Framework Coreに移行し、全クエリの結果を旧システムと突合します。
STEP 4: 段階的移行の実施
IISのURL Rewrite機能を活用し、URLパス単位でClassic ASP→.NET Coreへの段階的切替を行います。新しいURLパターンは.NET Coreアプリが処理し、未移行のURLはClassic ASPが処理する構成です。これにより、ユーザーに影響を与えずに段階的な移行が可能です。
STEP 5: 本番切替・運用開始
全機能の.NET Core移行完了後、Classic ASPアプリケーションプールを停止します。.NET Coreへの移行により、Kestrelサーバーによるパフォーマンス向上(Classic ASPの5〜20倍)、Docker/Kubernetesによるコンテナ化、Azure/AWSへのクラウド移行が可能になります。また、.NETエコシステムの豊富なライブラリ(NuGet)が利用可能になり、開発効率が飛躍的に向上します。
よくある質問
Q: Classic ASP→.NET Core移行にかかる期間は?
A: ASPファイル30個程度の小規模サイトで2〜4ヶ月、100ファイル程度の中規模システムで6〜10ヶ月、300ファイル超の大規模システムで1年以上が目安です。COM/ActiveXコンポーネントへの依存が多い場合は追加工数が発生します。
Q: Classic ASP→.NET Core移行の費用は?
A: ASPファイル1つあたり10〜30万円が目安です。小規模(30ファイル)で300〜900万円、中規模(100ファイル)で1,000〜3,000万円が一般的です。ただし、セキュリティ事故リスクを考えると、早期移行のROIは非常に高いです。
Q: VBScriptの知識がないC#エンジニアでも保守できる?
A: .NET Coreに移行すれば、一般的なC#エンジニアが保守可能です。これがまさに移行の最大メリットで、エンジニア採用の選択肢が劇的に広がります。C#エンジニアの市場供給はVBScriptの数百倍です。
Q: データベース(SQL Server)もアップグレードが必要?
A: SQL Server側のアップグレードは別途推奨しますが、.NET Core + Entity Framework Coreは古いSQL Serverバージョンにも対応可能です。まずアプリケーション層の移行を完了し、その後データベース層のアップグレードを行う段階的アプローチが効率的です。
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