CakePHP2/3からLaravelへの移行ガイド|手順と注意点
CakePHPとは
CakePHPは2005年にリリースされたPHP向けのMVCフレームワークです。「設定より規約(Convention over Configuration)」の思想に基づき、ディレクトリ構成やファイル命名の規約に従うだけで効率的にWebアプリケーションを構築できます。Ruby on Railsの影響を受けた設計で、日本では特に2008〜2015年頃にSI企業・Web制作会社で広く採用されました。
CakePHP 2は2011年リリースで2019年12月にサポート終了、CakePHP 3は2015年リリースで2022年6月にサポート終了しています。CakePHP 4/5は継続開発中ですが、PHPフレームワーク市場はLaravelが圧倒的シェア(国内60%以上)を占めており、CakePHPのエコシステムは縮小傾向にあります。エンジニアの採用やコミュニティサポートの観点から、Laravelへの移行を検討する企業が増えています。
CakePHP 2/3を使い続けるリスク
1. セキュリティリスク
CakePHP 2/3はセキュリティアップデートが停止しています。フレームワーク自体の脆弱性が発見されても修正されないため、CSRF対策・XSS対策・SQLインジェクション対策などの基盤レベルのセキュリティに不安が残ります。CakePHP 2はPHP5系で動作するケースも多く、PHP自体の脆弱性リスクも加わります。
2. 保守コストの増大
CakePHP 2/3のエンジニアは市場から急速に減少しています。求人サイトの分析では、CakePHP案件数はLaravelの約1/10まで縮小しており、単価は同等スキルのLaravelエンジニアより20〜40%高い状況です。また、Composerパッケージの多くがLaravel向けに開発されており、CakePHP向けの選択肢は限られています。
3. 事業継続リスク
CakePHP 2はPHP7.4までしかサポートしておらず、PHP8環境では動作しません。サーバーのPHPアップグレードに合わせて、フレームワーク自体の移行が必要になります。「PHPのバージョンアップのために、フレームワークもリプレースが必要」という二重コストが発生する状況です。
CakePHPからLaravelへの移行手順
STEP 1: 現状調査・影響範囲の把握
CakePHPプロジェクトの構造を棚卸しします。Model数・Controller数・View数、Behaviorやコンポーネントなどのカスタマイズ箇所、プラグインの使用状況を確認します。CakePHP固有の機能(TreeBehavior、TranslateBehavior、ACL等)の使用有無が移行工数に大きく影響します。
STEP 2: 移行計画の策定
CakePHPとLaravelのアーキテクチャ対応関係を整理します:
CakePHP Model → Laravel Eloquent Model: ORM層の移行。CakePHPのassociations(hasMany等)→ Laravelのリレーション定義
CakePHP Controller → Laravel Controller: 比較的直訳可能だがルーティング定義が異なる
CakePHP View(.ctp)→ Laravel Blade: テンプレートエンジンの移行。Helperの書き換えが必要
CakePHP Behavior → Laravel Trait/Scope: Modelの拡張方法の変換
CakePHP Component → Laravel Middleware/Service: 横断的処理の移行
STEP 3: テスト環境での検証
Laravel環境を新規構築し、移行したコードの動作を検証します。特にバリデーションルール(CakePHPのValidation→Laravel FormRequest)、認証・認可(CakePHPのAuth→Laravel Sanctum/Breeze)、ファイルアップロード(CakePHPのUpload→Laravel Storage)の移行を入念にテストします。データベースのマイグレーションファイルをLaravel形式で再作成し、既存データの整合性を確認します。
STEP 4: 段階的移行の実施
CakePHPアプリとLaravelアプリを並行稼働させ、nginx/Apacheのリバースプロキシで段階的に切り替えます。新機能はLaravelで開発し、既存機能を画面単位でLaravelに移行していきます。同一データベースを共有することで、データの二重管理を避けます。
STEP 5: 本番切替・運用開始
全機能の移行完了後、CakePHPアプリを退役させます。Laravelへの移行により、Composerエコシステムの豊富なパッケージ(決済、メール、キュー、全文検索等)が利用可能になり、開発生産性が大幅に向上します。Laravel Forge/Envoyer等のデプロイツールも活用でき、CI/CDの整備も容易になります。
よくある質問
Q: CakePHP→Laravel移行にかかる期間は?
A: Model/Controller/View合計30程度の小規模アプリで2〜4ヶ月、100程度の中規模アプリで4〜8ヶ月、300以上の大規模システムで1年以上が目安です。CakePHP固有機能(ACL、TreeBehavior等)の使用度合いにより変動します。
Q: CakePHP→Laravel移行の費用相場は?
A: 画面1つあたり10〜25万円が目安です。小規模(30画面)で300〜750万円、中規模(100画面)で1,000〜2,500万円が一般的です。UI/UXの刷新を同時に行う場合は追加費用が発生します。
Q: CakePHP 4/5にアップグレードする選択肢は?
A: 技術的には可能ですが、CakePHP 2→4/5は破壊的変更が非常に多く、ほぼ書き直しに近い工数がかかります。同じ工数をかけるなら、エコシステムが豊富でエンジニア採用も容易なLaravelへの移行をお勧めします。
Q: データベースはそのまま使える?
A: はい。Laravelは既存データベースに対応できます。Eloquent ORMのモデル定義で既存テーブルを指定すれば、データの移行は不要です。テーブル名やカラム名がCakePHPの規約に沿っている場合でも、Laravelのモデルで明示的に指定できます。
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