AI搭載ノーコードツールとは、プログラミングコードを書かずにGUI操作で業務アプリを開発でき、かつ自然言語によるアプリ生成・AIコパイロット・テキスト分析や予測などのAI機能を組み込めるツールの総称です。
「ノーコードツールを導入したいが、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」「AIを活用した業務改善に取り組みたいが、開発リソースが足りない」――そんな課題を抱える企業が増えています。
近年のノーコード・ローコード市場では、AI機能の搭載が標準化しつつあり、プログラミング知識がなくても高度なAI活用が可能になりました。本記事では、AI機能を搭載した主要ノーコードツール15選を目的別に比較し、自社に最適なツールの選び方を解説します。
ノーコード・ローコード開発とAIの融合が進む理由
ノーコード・ローコード開発とは
ノーコード開発とは、プログラミングコードを一切書かずに、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)上のドラッグ&ドロップや設定画面の操作だけでアプリケーションを構築できる開発手法です。一方、ローコード開発は基本的にはノーコードと同様にGUI操作で開発しますが、必要に応じてコードを記述し、より高度なカスタマイズを行えるのが特徴です。
従来、業務アプリの開発にはプログラミングスキルを持つエンジニアが不可欠でした。しかしノーコード・ローコードツールの登場により、営業、経理、人事などの業務部門の担当者自身がアプリを開発できる「市民開発」が現実のものとなっています。
トレンド:AIコパイロット搭載が標準に
近年のノーコード・ローコード市場における大きなトレンドは、生成AI(Generative AI)機能の標準搭載です。具体的には、以下のような変化が起きています。
- 自然言語によるアプリ生成: 「顧客管理アプリを作って」とテキストで指示するだけでアプリの雛形が自動生成される
- AIコパイロットによる開発支援: アプリの設計や修正をAIがリアルタイムで提案・実行する
- AI機能のノーコード実装: テキスト分析、画像認識、予測分析などのAI機能をコード不要で組み込める
- データ分析の自動化: 蓄積されたデータから自動的にインサイトを抽出し、レポートを生成する
こうしたAI機能の統合により、業務部門が自らAI活用アプリを開発できる範囲が広がっています。
AI機能搭載ノーコードツールを選ぶメリット
AI機能が搭載されたノーコードツールを選ぶことで、以下のメリットが期待できます。
- 開発速度の向上: 自然言語での指示によりアプリのプロトタイプを素早く作成でき、開発期間の短縮が期待できます。
- 専門知識なしでAI活用が可能: 機械学習やデータサイエンスの専門知識がなくても、予測分析やテキスト分類といったAI機能を業務に組み込めます。
- 業務部門主導のDX推進: IT部門に依存せず、現場の課題を最もよく知る業務担当者がAI活用アプリを自ら作成・改善できます。
- コスト効率の改善: 外部の開発会社への発注や専任エンジニアの採用に頼らずにアプリ開発を進められる可能性があります。
【目的別】AI搭載ノーコードツール15選を比較
ここからは、AI機能を搭載した主要ノーコードツール15選を「業務アプリ開発」「業務自動化・ワークフロー」「Webサイト・EC構築」「データベース・分析」の4カテゴリに分けて紹介します。料金は変動するため、導入前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
業務アプリ開発(5ツール)
1. Google AppSheet
AI機能: Gemini in AppSheet(自然言語でのアプリ生成、データ分析の自動化、予測モデルの構築)
料金: 無料プランあり。有料プランは月額10ドル/ユーザー前後から。Enterpriseプランはお問い合わせ。
特徴: Google Workspaceとの連携が強みです。Googleスプレッドシートやドライブのデータからアプリを生成でき、Geminiの統合により「売上データを分析するダッシュボードを作って」といった自然言語の指示でアプリの雛形を作成できます。Googleフォームやカレンダーとの連携も設定可能です。
おすすめ: Google Workspaceを利用している企業。既存のスプレッドシートをアプリ化したい場合。
2. Microsoft Power Apps
AI機能: Copilot(自然言語でのアプリ設計・修正、AI Builderとの連携による文書処理AI・予測モデル構築)
料金: 有料プランあり。Microsoft 365の一部プランに機能が含まれる場合があります。
特徴: Microsoft 365エコシステムとの統合が強みです。Excel、SharePoint、Teamsと連携し、Copilot機能で「在庫管理アプリを作成」と入力するとアプリの基盤を生成できます。Power Automateとの連携により、承認ワークフローや通知の自動化も行えます。AI Builderを使えば、名刺読み取りや請求書処理などのAI機能もノーコードで実装できます。
おすすめ: Microsoft 365を導入済みの企業。特にSharePointでデータを管理している組織。
3. kintone(キントーン)
AI機能: 外部AI連携プラグイン(ChatGPT連携プラグイン、AI-OCRプラグインなど)が充実。サイボウズによるAI機能強化も進行中。
料金: コース・プランにより異なります(公式サイトを参照)。
特徴: 日本企業向けに設計された国産ノーコードツールの代表格です。ドラッグ&ドロップで業務アプリを作成でき、日本語のサポート体制やドキュメントが充実しています。豊富なプラグインエコシステムにより、AI機能を含むさまざまな拡張が可能です。業種別のテンプレートも用意されています。
おすすめ: IT部門がない中小企業。日本語でのサポートを重視する企業。
4. Bubble
AI機能: AI Actions(OpenAI統合により、テキスト生成・画像認識・感情分析などをノーコードで実装可能)
料金: 無料プランあり。有料プランは月額29ドル前後から(上位プランあり)。
特徴: 自由度の高さが評価されるツールです。データベース設計からフロントエンドUI、APIの統合まで、本格的なWebアプリケーションをコード不要で構築できます。AI Actionsにより、OpenAIのGPTモデルをワークフロー内で直接呼び出し、テキスト生成や分類処理を組み込めます。
おすすめ: スタートアップのプロトタイプ開発。複雑なロジックを持つWebアプリを作りたい場合。
5. Salesforce Platform
AI機能: Einstein AI(予測分析、リードスコアリング、自動分類、レコメンデーション、Einstein Copilotによる自然言語操作)
料金: プランにより異なります。Einstein AI機能は上位プランに含まれるか、追加オプションです。
特徴: CRMプラットフォーム上でカスタムアプリを構築できます。Einstein AIはCRMデータの分析に特化しており、「このリードの成約見込み」「次にアプローチすべき顧客」といった予測をAIが提示します。大規模な顧客データを持つエンタープライズ企業に適しています。
おすすめ: Salesforceを既に利用している企業。CRMデータを活用したAI予測を行いたい大企業。
業務自動化・ワークフロー(4ツール)
6. Microsoft Power Automate
AI機能: AI Builder(文書処理AI、テキスト分析、予測モデル、名刺リーダー、領収書処理の自動化)
料金: 有料プランあり。Microsoft 365の一部プランに基本機能が含まれる場合があります。
特徴: Microsoft 365環境での業務自動化に適したツールです。メール受信をトリガーにデータを自動登録する、承認ワークフローをTeamsで運用する、SharePointのファイルを自動分類するなど、反復作業の自動化が行えます。AI Builderとの統合により、請求書や領収書のAI-OCR処理、メールの感情分析、テキストからのエンティティ抽出などが設定画面から実装できます。
おすすめ: Microsoft 365環境の企業。定型的な事務作業を自動化したい場合。
7. Zapier
AI機能: AI Actions(ChatGPT統合により、テキストの自動要約・分類・生成をワークフロー内で実行。自然言語でZap作成が可能)
料金: 無料プランあり。有料プランは月額20ドル前後から(上位プランあり)。
特徴: 多数のアプリ・サービスを連携できる自動化プラットフォームです。「Gmailで添付ファイル付きメールを受信したら、添付をGoogleドライブに保存し、Slackに通知する」のような連携をノーコードで設定できます。AI機能により、ワークフロー内でテキスト処理をAIに任せることが可能になり、「問い合わせメールをAIで分類し、カテゴリに応じて担当者に自動振り分け」といった自動化も実現できます。
おすすめ: 複数のSaaSを利用しており、サービス間のデータ連携を自動化したい企業。
8. Make(旧Integromat)
AI機能: OpenAI/Anthropicモジュール統合(GPT、Claudeなどの大規模言語モデルをワークフローに組み込み可能)
料金: 無料プランあり。有料プランは月額10ドル前後から。
特徴: ビジュアルなワークフロービルダーで自動化シナリオを構築できます。Zapierと比較して、複雑な条件分岐やループ処理を視覚的に設計でき、APIの直接呼び出しも行えます。OpenAIやAnthropicのモジュールを使えば、AIによるテキスト処理やデータ変換をワークフローの一部として組み込めます。
おすすめ: 複雑な自動化シナリオを構築したい企業。コスト効率を重視する場合。
9. n8n
AI機能: LangChain統合、カスタムAIワークフロー(RAG構築、AIエージェント、複数のLLMを組み合わせたパイプライン構築が可能)
料金: セルフホスト版は無料(オープンソース)。クラウド版は有料プランあり。
特徴: オープンソースのワークフロー自動化ツールです。セルフホストが可能なため、データを外部に出したくない企業に適しています。LangChainとの統合により、RAG(検索拡張生成)やAIエージェントなどのAIワークフローをノーコードで構築できる点が強みです。開発者コミュニティが活発で、カスタムノードの開発も可能です。
おすすめ: データのセキュリティを重視する企業。AIワークフローをカスタマイズしたい技術チーム。
Webサイト・EC構築(3ツール)
10. Wix
AI機能: Wix AI Site Generator(テキストの指示からWebサイト全体を自動生成。デザイン、レイアウト、コンテンツまでAIが提案)
料金: 無料プランあり。有料プランあり(プランにより異なります)。
特徴: 広く利用されているWebサイトビルダーです。AI Site Generatorでは、業種や目的を伝えるだけでWebサイトのデザインが自動生成されます。画像生成AI、テキスト生成AI、SEOアシスタントAIなど、サイト運営に役立つAI機能が提供されています。ドラッグ&ドロップのエディタは直感的で、初心者でもサイトを構築できます。
おすすめ: コーポレートサイトやポートフォリオを手軽に作りたい個人・中小企業。
11. Shopify
AI機能: Shopify Magic(商品説明文の自動生成、マーケティングメールの作成支援、画像背景の自動除去・編集、顧客対応の自動化)
料金: プランにより異なります(公式サイトを参照)。
特徴: 広く利用されているEC構築プラットフォームです。Shopify Magicにより、商品登録時にAIが商品説明を生成し、マーケティングメールの文面もAIが提案します。多言語対応のECサイトもAI翻訳で構築可能です。決済、在庫管理、配送、マーケティングまでEC運営に必要な機能がオールインワンで揃っています。
おすすめ: ECサイトを本格的に運営したい企業。越境ECを検討している場合。
12. STUDIO
AI機能: AI Webサイト生成(プロンプトからデザインを自動生成。日本語に最適化されたAI生成機能)
料金: 無料プランあり。有料プランあり(プランにより異なります)。
特徴: 日本発のデザインツールで、洗練されたWebデザインをノーコードで実現できます。AI機能により「IT企業のコーポレートサイト」「カフェのランディングページ」といったプロンプトからデザインが生成されます。日本語フォントやレイアウトに最適化されており、日本市場向けのWebサイト制作に強みがあります。CMS機能も搭載しており、ブログやメディアサイトの運営にも対応しています。
おすすめ: デザイン性の高い日本語Webサイトを作りたい企業やデザイナー。
データベース・分析(3ツール)
13. Airtable
AI機能: Airtable AI(レコードの要約、分類、テキスト生成。フィールドタイプにAIフィールドを追加でき、データ入力時に自動処理)
料金: 無料プランあり。有料プランは月額20ドル/ユーザー前後から。AI機能は上位プランで利用可能。
特徴: スプレッドシートのような使いやすさとデータベースの機能性を兼ね備えたツールです。カレンダーやカンバン、ガントチャートなど多彩なビューでデータを可視化できます。AIフィールドを追加すると、レコード追加時に自動でテキスト要約や分類を行えます。豊富なテンプレートとAPI連携により、プロジェクト管理、CRM、コンテンツ管理など幅広い業務に対応します。
おすすめ: スプレッドシートの管理が限界に達している企業。チームでのデータ共有・管理を効率化したい場合。
14. Notion
AI機能: Notion AI(文書作成支援、要約、翻訳、データ分析、Q&A機能でワークスペース内の情報を横断検索・回答)
料金: フリープランあり。有料プランは月額10ドル/ユーザー前後。Notion AIは追加オプションの場合があります。
特徴: ドキュメント、データベース、プロジェクト管理を統合したオールインワンワークスペースです。Notion AIにより、議事録の要約、報告書の下書き生成、多言語翻訳などが実行できます。Q&A機能では、ワークスペース内のドキュメントを横断して質問に回答する社内ナレッジベースとして活用できます。
おすすめ: 社内のドキュメント管理とナレッジ共有を一元化したい企業。
15. Dify
AI機能: AIアプリケーション構築に特化したプラットフォーム。RAG(検索拡張生成)、チャットボット、AIワークフロー、AIエージェントの構築がGUIから可能。OpenAI、Anthropic、Googleなど複数のLLMを切り替えて利用可能。
料金: セルフホスト版は無料(オープンソース)。クラウド版は無料プランと有料プランがあります。
特徴: AI機能の実装そのものを目的としたノーコードプラットフォームです。社内文書を学習させたチャットボット(RAG)、業務プロセスを自動化するAIワークフロー、複数のツールを使いこなすAIエージェントなど、AIアプリケーションをプログラミング不要で構築できます。オープンソースのためカスタマイズの自由度が高く、セルフホストによりデータの管理も可能です。
おすすめ: AI機能を中心としたアプリケーションを開発したい企業。社内ナレッジチャットボットやAIワークフローを構築したい場合。
AI搭載ノーコードツール比較一覧表
以下の表で15ツールのAI機能、日本語対応、無料プランの有無を一覧比較できます。料金は変動するため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
| ツール名 | AI機能 | 日本語対応 | 無料プラン | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| Google AppSheet | Gemini(自然言語アプリ生成) | あり | あり | 業務アプリ開発 |
| Microsoft Power Apps | Copilot(AI設計・AI Builder) | あり | なし | 業務アプリ開発 |
| kintone | 外部AI連携プラグイン | あり(国産) | なし | 業務アプリ開発 |
| Bubble | AI Actions(OpenAI統合) | 一部あり | あり | Webアプリ開発 |
| Salesforce Platform | Einstein AI(予測分析) | あり | なし | CRMアプリ開発 |
| Power Automate | AI Builder(文書処理AI) | あり | なし | 業務自動化 |
| Zapier | AI Actions(ChatGPT統合) | 一部あり | あり | サービス間連携 |
| Make | OpenAI/Anthropic統合 | 一部あり | あり | 複雑な自動化 |
| n8n | LangChain統合 | なし | あり(OSS) | AIワークフロー |
| Wix | AI Site Generator | あり | あり | Webサイト構築 |
| Shopify | Shopify Magic | あり | なし | EC構築 |
| STUDIO | AIデザイン生成 | あり(国産) | あり | Webデザイン |
| Airtable | Airtable AI(要約・分類) | 一部あり | あり | データ管理 |
| Notion | Notion AI(文書作成・Q&A) | あり | あり | ナレッジ管理 |
| Dify | RAG・AIエージェント構築 | あり | あり(OSS) | AIアプリ構築 |
目的別・おすすめノーコードツールの選び方
15ツールを紹介しましたが、「結局どれを選べばいいのか」が最も重要なポイントです。ここでは、目的別に最適なツールの組み合わせを提案します。
「まず業務アプリを作りたい」 → AppSheet or kintone
Google Workspace環境の企業にはAppSheet、日本語サポートを重視する中小企業にはkintoneが候補になります。
AppSheetは既存のGoogleスプレッドシートからアプリを生成できるため、データが既にスプレッドシートで管理されている場合は導入がスムーズです。Geminiの活用で、自然言語での指示でアプリの改善も行えます。
kintoneは日本企業の業務プロセスに合わせた設計がされており、サポートやドキュメントが日本語で提供されます。プラグインでAI機能を追加すれば、AI-OCRによる帳票読み取りやChatGPT連携による文書作成支援なども実現できます。
「業務を自動化したい」 → Power Automate or Zapier
Microsoft環境の企業にはPower Automate、複数のクラウドサービスを横断して連携したい場合はZapierが候補です。
Power AutomateはOutlook、Teams、SharePointとの連携が強力で、「メール受信 → 添付ファイル保存 → AI-OCRでデータ抽出 → データベース登録 → 承認者に通知」といった一連の業務フローをノーコードで構築できます。
Zapierは対応アプリ数が多く、異なるベンダーのサービスを跨いだ自動化に強みがあります。AI機能で問い合わせメールの自動分類やレポートの自動要約なども実現できます。
「Webサイト・ECを作りたい」 → Wix or Shopify
コーポレートサイトやサービスサイトにはWix、ECサイトにはShopifyが定番の選択肢です。
WixのAI Site Generatorは業種や目的を伝えるだけでサイトを生成してくれるため、デザインスキルがなくてもWebサイトを短時間で立ち上げられます。日本語サイトの制作に特化したいなら、国産のSTUDIOも有力な選択肢です。
ShopifyはEC運営に必要な機能が揃っており、Shopify Magicで商品説明の生成やマーケティングメールのAI作成ができます。越境ECにも対応しているため、海外展開を視野に入れている企業にも適しています。Shopifyの活用はShopifyで越境ECを作る手順やShopifyで商品が売れない原因と施策もあわせてご参照ください。
「AIアプリを作りたい」 → Dify or Bubble
AI機能そのものを中心としたアプリにはDify、AIを組み込んだ本格的なWebアプリにはBubbleが候補です。
Difyは社内文書を学習させたRAGチャットボットや、複数のAIモデルを組み合わせたワークフローをノーコードで構築できます。オープンソースのためセルフホストも可能で、機密性の高い社内データを外部に出さずにAIアプリを運用できる点が強みです。
Bubbleは自由度の高いWebアプリ開発プラットフォームにAI機能が統合されており、ユーザー認証やデータベース、決済機能などを含むSaaS型アプリケーションにAI機能を組み込めます。
ノーコードツールにAI機能が役立つ理由と活用例
「ノーコードツールは便利そうだが、AI機能は本当に必要なのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。ここでは、AI機能がもたらすビジネス価値を4つの活用例で紹介します。
活用例1. 自然言語でアプリを設計・修正する(Copilot/Gemini)
Power AppsのCopilotやAppSheetのGemini機能を使えば、「顧客からの問い合わせを管理するアプリを作って。担当者のアサイン機能と、対応期限のリマインダーも付けて」と自然言語で指示するだけで、アプリの基本構造を生成できます。
従来のノーコード開発でもコードは不要でしたが、ツールの操作方法を習得する学習コストがありました。AIコパイロットの登場により、ツールの操作方法を知らなくても「やりたいこと」を言葉で伝えるだけでアプリが形になるようになりつつあります。修正や機能追加も「この画面に検索フィルターを追加して」と指示するだけで進められます。
活用例2. 帳票・書類をAI-OCRで自動処理する
Power AutomateのAI Builderやkintoneの外部AI連携プラグインを使えば、紙の帳票や請求書をスキャンするだけで、記載内容をAIがデータ化します。
取引先から届く請求書のフォーマットは各社異なりますが、AI-OCRは異なるレイアウトからでも「請求金額」「支払期日」「取引先名」などの項目を抽出します。抽出されたデータはデータベースに登録され、経理部門の手入力作業の削減につながります。ペーパーレス化の具体策はAIで実現するペーパーレス化もあわせてご覧ください。
活用例3. 顧客データの自動分類・スコアリング
SalesforceのEinstein AIやAirtable AIを活用すれば、顧客データに対してAIがスコアリングや分類を行います。
過去の取引データや行動履歴からAIが「成約確度の高い見込み客」を判定し、営業チームに優先アプローチすべき顧客リストを提示します。また、問い合わせ内容をAIが分類し、適切な部署や担当者に振り分けることで、顧客対応のスピードと精度の向上が期待できます。
活用例4. チャットボットをノーコードで構築する
DifyやBubbleを使えば、自社の業務に特化したAIチャットボットをプログラミング不要で構築できます。
特にDifyのRAG機能では、社内のマニュアルやFAQ文書をアップロードすることで、それらの情報を参照して回答するチャットボットを作成できます。「社内規定についての質問に答えるボット」「製品仕様の問い合わせに対応するカスタマーサポートボット」など、用途に応じたAIチャットボットを構築できます。
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よくある質問(FAQ)
Q1. ノーコードツールとローコードツールの違いは何ですか?
A. ノーコードツールはプログラミング知識が一切不要で、画面上の操作だけでアプリを開発できるツールです(AppSheet、kintoneなど)。ローコードツールは基本はノーコードですが、必要に応じてコードを書いて機能拡張できるツールです(Power Apps、Bubbleなど)。AI搭載ツールでは、自然言語の指示でコードを自動生成する機能が増えており、両者の境界は曖昧になりつつあります。
Q2. ノーコードで作ったアプリのセキュリティは大丈夫ですか?
A. 主要なノーコードツール(AppSheet、Power Apps、kintoneなど)は、データ暗号化、アクセス制御、監査ログといったセキュリティ機能を備えています。ただし、無料プランではセキュリティ機能が制限される場合があるため、業務利用には有料プランの検討をおすすめします。導入前に各ツールのセキュリティ要件と自社のポリシーを照らし合わせて確認しましょう。
Q3. ノーコードツールで作ったアプリに限界はありますか?
A. あります。大量のデータ処理、高いリアルタイム性が求められる処理、複雑なアルゴリズムの実装などは、ノーコードツールでは対応が難しい場合があります。一方で、AI機能の搭載により、以前は専門知識が必要だったデータ分析や自然言語処理などが扱いやすくなっています。要件に応じて、ノーコードと従来開発を使い分けることが重要です。
Q4. 複数のノーコードツールを組み合わせて使えますか?
A. はい、むしろ組み合わせが推奨される場面が多くあります。例えば「kintoneで業務データを管理 + Power Automateで自動化 + Notion AIでドキュメント管理」のように、得意分野の異なるツールを連携させることで効果を高められます。ZapierやMakeなどの連携ツールを使えば、ノーコードで異なるサービスをつなげられます。
Q5. ノーコードツールの導入にIT部門は必要ですか?
A. 基本的には業務部門の担当者自身がアプリを作成・改善できます。ただし、セキュリティポリシーの策定やツール選定の判断については、IT部門やシステム管理者の関与をおすすめします。外部のDXコンサルタントに支援を依頼するのも選択肢の一つです。
まとめ
本記事では、AI機能を搭載したノーコード・ローコードツール15選を目的別に比較しました。AIコパイロットの搭載が標準化し、ノーコードツールの活用範囲が広がっています。
ツール選定のポイントを改めて整理すると、以下の通りです。
- 業務アプリ開発: Google環境ならAppSheet、日本語重視ならkintone、Microsoft環境ならPower Apps
- 業務自動化: Microsoft環境ならPower Automate、マルチサービス連携ならZapier、複雑なシナリオならMake
- Webサイト・EC: コーポレートサイトならWix/STUDIO、ECならShopify
- AIアプリ構築: AIチャットボットやRAGならDify、本格Webアプリ+AIならBubble
重要なのは、ツールの導入自体が目的ではなく、自社の業務課題を解決することです。まずは解決したい課題を明確にし、その課題に最適なツールを選定することが成功への近道です。また、複数のツールを組み合わせることで、単体では実現しにくい業務改善が可能になる場合があります。ZapierやMakeなどの連携ツールを活用して、異なるツール間のデータ連携を自動化することも検討しましょう。
Radineerでは、DXコンサルティングの一環として、ノーコードツールの選定からAI機能の活用設計まで支援しています。「どのツールを選べばいいかわからない」「AI機能をどう業務に組み込めばいいか悩んでいる」という企業様は、まずは無料相談からご相談ください。貴社の業務課題をヒアリングした上で、最適なツール構成と導入の進め方をご提案いたします。
