AIこのページの要点
- 1NDAは秘密情報の定義、例外条項、有効期間の3点が特に重要
- 2秘密保持期間は契約終了後1〜3年が妥当。永久の義務は避ける
- 3公知情報・独自開発情報などの例外条項がないと不利になる
- 4秘密情報の定義が広すぎる(一切の情報など)場合は交渉を
- 5口頭情報は「書面で特定したものに限定」が一般的な扱い
フリーランス向け
NDA(秘密保持契約)ガイド
テンプレートの必須条項と注意すべきポイントを解説
NDA(秘密保持契約)とは?
NDA(Non-Disclosure Agreement)は、業務で知り得た機密情報を第三者に開示しないことを約束する契約です。 「秘密保持契約」「機密保持契約」「守秘義務契約」とも呼ばれます。
フリーランスエンジニアは、クライアントのシステム設計、ソースコード、顧客データなど、 多くの機密情報に触れる機会があります。そのため、ほぼ全ての案件でNDAの締結が求められます。
法的なアドバイスについて
本記事は一般的な情報提供を目的としています。NDAの内容に不安がある場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。
NDAに必要な7つの条項
秘密情報の定義
重要何を「秘密情報」とするか明確に定義。口頭情報の扱いも重要。
例: 技術情報、顧客情報、経営情報、未公開の製品情報など
秘密保持義務
重要秘密情報を第三者に開示しない義務。漏洩防止のための措置も含む。
例: 第三者への開示禁止、善管注意義務による管理
目的外使用の禁止
重要秘密情報を業務目的以外で使用することを禁止。
例: 委託業務の遂行目的のみに使用可能
秘密情報の例外
重要秘密保持義務が及ばない情報を定義。自己防衛のために重要。
例: 公知情報、開示前に知っていた情報、独自開発した情報
有効期間
重要NDAの有効期間と、契約終了後も秘密保持義務が続く期間。
例: 契約期間中+契約終了後1〜3年間
秘密情報の返還・破棄
契約終了時の秘密情報の取り扱い。返還または破棄の義務。
例: 書類の返還、データの削除、削除証明書の提出
損害賠償
重要秘密情報漏洩時の損害賠償責任。上限の有無も確認。
例: 漏洩により発生した損害の賠償責任
NDAチェックリスト
NDA締結前に以下の項目を確認しましょう。
要注意の条項
以下のような条項がある場合は、修正を検討しましょう。
秘密情報の定義が広すぎる
「開示者が開示した一切の情報」など、範囲が曖昧・広すぎる定義。
リスク: 何が秘密情報か判断できず、うっかり違反するリスク。
対策: 具体的な情報の種類を列挙するよう交渉。または「秘密」と明示された情報に限定。
永久の秘密保持義務
「永久に」「期間の定めなく」秘密を保持する義務。
リスク: 一生涯、秘密保持義務を負い続けることになる。
対策: 契約終了後1〜3年程度の期間制限を設けるよう交渉。
例外条項がない
秘密保持義務の例外が定められていない。
リスク: 公知情報や自己開発した情報まで秘密扱いされる恐れ。
対策: 一般的な例外条項(公知情報、既知情報、独自開発情報等)を追加するよう交渉。
立証責任の不当な転嫁
秘密情報でないことの立証責任が受領者側にある。
リスク: 「これは秘密情報ではない」と自分が証明しなければならない。
対策: 立証責任は開示者側にあるのが原則。交渉または専門家に相談。
NDA条項のテンプレート例
以下は一般的なNDAの条項例です。実際の契約では弁護士に確認することをおすすめします。
秘密情報の定義
第○条(秘密情報の定義) 秘密情報とは、本契約に基づき開示者が受領者に開示する情報のうち、以下のいずれかに該当するものをいう。 (1)書面により開示される情報で、「秘密」「Confidential」等の表示があるもの (2)口頭または視覚的手段により開示される情報で、開示時に秘密である旨を告げ、開示後14日以内に書面で特定したもの
秘密情報の例外
第○条(例外) 以下の情報は秘密情報に含まれないものとする。 (1)開示時点で公知であった情報 (2)開示後、受領者の責めによらず公知となった情報 (3)開示時点で受領者が既に保有していた情報 (4)受領者が秘密情報によらず独自に開発した情報 (5)正当な権限を有する第三者から秘密保持義務を負うことなく取得した情報
有効期間
第○条(有効期間) 1. 本契約の有効期間は、締結日から○年間とする。 2. 前項にかかわらず、秘密保持義務は本契約終了後も○年間存続する。
よくある質問
NDAと業務委託契約は別々に締結する?▼
案件によります。業務委託契約書に秘密保持条項が含まれている場合は、別途NDAを締結しないこともあります。ただし、大手企業や金融・医療系の案件では、より詳細なNDAを別途締結することが多いです。
NDAの秘密保持期間はどのくらいが妥当?▼
一般的には契約終了後1〜3年程度が妥当です。IT業界では技術の陳腐化が早いため、1〜2年が多いです。「永久」や「無期限」は避けましょう。ただし、個人情報や医療情報など、特に機密性の高い情報は長めの期間が求められることもあります。
NDAに違反したらどうなる?▼
損害賠償請求を受ける可能性があります。契約書に損害賠償条項がある場合はその範囲で、なければ民法の不法行為に基づく損害賠償責任を負います。故意の漏洩は悪質性が高く、高額な賠償になることも。刑事責任を問われるケースは稀ですが、不正競争防止法違反になる可能性もあります。
フリーランスがNDAを拒否することはできる?▼
法的には可能ですが、現実的には難しいです。ほぼ全ての案件でNDAの締結が求められます。ただし、不当に広い定義や永久の秘密保持義務など、問題のある条項については修正を求めることは可能です。エージェント経由の場合は、エージェントに相談しましょう。
口頭で聞いた情報もNDAの対象になる?▼
NDAの内容によります。多くのNDAでは、口頭情報も対象としつつ、開示後一定期間内(14日など)に書面で特定したものに限定しています。この規定がない場合、どの情報が秘密情報か曖昧になるため、必ず確認しましょう。
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