AIこのページの要点
- 1フリーランスが作成したコードの著作権は原則として本人に帰属
- 2実務では契約で著作権をクライアントに譲渡するのが一般的
- 3著作者人格権は譲渡不可だが「不行使特約」で制限される
- 4汎用コード・ライブラリは譲渡対象から除外を交渉可能
- 5ポートフォリオ利用の許可は契約時に確認しておくべき
フリーランスエンジニアの
著作権帰属問題
ソースコードの著作権は誰のもの?チェックポイントを解説
原則:著作権は作成者に帰属
フリーランスが作成したソースコードの著作権は、原則としてフリーランス自身に帰属します。会社員と異なり「職務著作」の規定が適用されないためです。
契約で譲渡するのが一般的
実務上は、業務委託契約で著作権をクライアントに譲渡する条項が入っていることがほとんど。報酬に含まれるか、別途対価があるか確認が必要です。
著作者人格権は譲渡できない
著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権など)は譲渡不可。代わりに「不行使特約」が契約に含まれることが多いです。
法的なアドバイスについて
本記事は一般的な情報提供を目的としています。著作権に関する具体的な判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。
著作権の種類
著作財産権(譲渡可能)
- 複製権
コードをコピーする権利
- 翻案権
コードを改変・派生物を作成する権利
- 公衆送信権
コードをネットワーク経由で送信する権利
- 譲渡権
コードを譲渡・販売する権利
著作者人格権(譲渡不可)
- 公表権
未公表の著作物を公表するかどうか決める権利
- 氏名表示権
著作者名を表示するかどうか決める権利
- 同一性保持権
著作物を勝手に改変されない権利
著作権の契約パターン
著作権完全譲渡
一般的著作財産権をすべてクライアントに譲渡。著作者人格権は不行使特約。
メリット
- クライアントは自由に利用可能
- シンプルで明確
デメリット
- フリーランスは再利用不可
- ポートフォリオに使えないことも
著作権留保(ライセンス付与)
著作権はフリーランスに残し、クライアントに利用許諾(ライセンス)を与える。
メリット
- フリーランスが再利用可能
- ポートフォリオに使える
デメリット
- クライアントの自由度が低い
- 交渉が必要
共有
著作権をフリーランスとクライアントで共有。利用には相手の同意が必要。
メリット
- 双方が利用可能
デメリット
- 管理が複雑
- トラブルになりやすい
著作権条項のチェックリスト
契約締結前に以下の項目を確認しましょう。
交渉のポイント
汎用コード・ライブラリの除外
案件固有でないユーティリティ関数やライブラリは譲渡対象から除外。他案件でも使いたい。
ポートフォリオ利用の許可
実績として成果物の概要をポートフォリオや職務経歴書に記載することを許可してもらう。
著作権譲渡対価の明確化
著作権譲渡が報酬に含まれるのか、別途対価があるのか明確にする。
同一性保持権の範囲限定
業務上必要な範囲での改変は認めるが、名誉を害する改変は認めないなど。
契約条項の例文
著作権譲渡条項(一般的な例)
第○条(著作権の帰属) 1. 本業務により作成された成果物に関する著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む)は、報酬の支払いをもって甲に移転するものとする。 2. 乙は、成果物に関する著作者人格権を行使しないものとする。
汎用コード除外条項(交渉で追加する例)
第○条(著作権の例外) 前条の規定にかかわらず、以下の著作物の著作権は乙に留保されるものとする。 (1)本業務の開始前から乙が保有していた著作物 (2)本業務において作成された汎用的なライブラリ、ツール、テンプレート
汎用コード・ライブラリは交渉の余地あり
案件固有のビジネスロジックではなく、他の案件でも使える汎用的なコードやライブラリについては、 著作権を留保する交渉ができる場合があります。
- ユーティリティ関数・ヘルパー関数
- 共通UIコンポーネント
- 開発ツール・ビルドスクリプト
交渉時は「クライアント固有の成果物は譲渡、汎用コードは留保」という形を提案してみましょう。
よくある質問
フリーランスが書いたコードの著作権は誰のもの?▼
原則として、フリーランスが作成したソースコードの著作権はフリーランス自身に帰属します。会社員の場合は「職務著作」として会社に帰属しますが、フリーランスは雇用関係がないため、この規定は適用されません。ただし、業務委託契約で著作権譲渡条項があれば、契約に基づきクライアントに移転します。
著作権法27条・28条とは?▼
第27条は「翻訳権、翻案権等」、第28条は「二次的著作物の利用に関する原著作者の権利」です。著作権譲渡契約では、これらの権利も譲渡対象に含めることを明記しないと、譲渡されなかったものと推定されます(著作権法第61条2項)。そのため、契約書には「著作権法第27条及び第28条の権利を含む」と明記されていることが多いです。
著作者人格権を譲渡できないなら、なぜ不行使特約があるの?▼
著作者人格権は法律上譲渡できませんが、クライアントが成果物を自由に改変・利用するためには、著作者人格権の行使が障害になります。そこで「著作者人格権を行使しない」という約束(不行使特約)を契約に入れることで、実質的に著作者人格権による制限を回避しています。この特約は有効と解されています。
ポートフォリオに成果物を載せても良い?▼
契約内容によります。著作権を譲渡している場合、成果物の公開には原則としてクライアントの許可が必要です。また、NDAで機密情報として扱われている場合も公開できません。ポートフォリオに使いたい場合は、契約時に「実績として概要を公開できる」旨の許可を得ておくことをおすすめします。
オープンソースライセンスのコードを使った場合は?▼
OSSを利用した場合、OSSのライセンス条件が優先されます。例えば、GPL系のOSSを使った場合、成果物もGPLに従う必要があり、クライアントへの完全譲渡ができない場合があります。MITライセンスなど緩いライセンスなら問題ないことが多いです。OSSを使う場合は事前にクライアントに伝え、契約書でも明記しておくことが重要です。
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