地価2026:公示は全国+2.8%、9月の地価調査は+1.5%

要するに
2026年の地価は全国平均で+2.8%上がったが、同じ住宅地でも東京圏の+4.5%に対し地方圏「その他」は+0.6%で、自分の街の値で判断する必要がある。
- 大都市の伸びが広がった。東京圏の全用途平均は+5.2%から+5.7%へ、大阪圏は+3.3%から+3.8%へ上昇幅が広がった(地価公示)。
- 地方は横ばいに近い。地方圏「その他」の住宅地は地価公示で+0.6%、7月時点の都道府県地価調査では0.0%だった。
- 上がった街と下がった街が並ぶ。当サイトの集計では、地点のある1,527市区町村のうち802で上がり、687で下がった。
2026年の地価は全国で上がりましたが、伸びは三大都市圏と観光地に偏っています。令和8年地価公示(1月1日時点)は全用途平均+2.8%、住宅地+2.1%、商業地+4.3%で、5年連続の上昇です。9月公表の都道府県地価調査(7月1日時点)でも全用途平均+1.5%と上昇は続き、地方圏「その他」の住宅地は0.0%の横ばいでした。
目次 地価公示と都道府県地価調査は、時点も地点も違う地価公示2026は全国+2.8%で、5年連続の上昇になった9月の都道府県地価調査も全国+1.5%で、上昇は続いた主な都市では、東京23区と大阪市の商業地が2けたの上昇上昇の首位は白馬村と千歳市、下落の首位は本別町と輪島市市区町村で数えると、1,527のうち687で地価が下がった地価が上がっても税額はすぐには上がらない。まず評価額を確かめたい確かめることよくある質問出典
地価公示と都道府県地価調査は、時点も地点も違う
国が毎年公表する地価は2種類あります。1月1日時点の「地価公示」と、7月1日時点の「都道府県地価調査」です。どちらも1平方メートルあたりの価格で、国土交通省は両者を時期と地点で補い合う関係と説明しています。
地価公示は、国土交通省の土地鑑定委員会が標準的な地点の正常な価格を判定するものです。一般の土地取引の指標や、公共事業の用地取得の基準に使われます。実際に売買された価格そのものではありません。
2つは時点も地点も違うため、変動率をそのまま足したり引いたりして比べることはできません。
| 地価公示 | 都道府県地価調査 | |
|---|---|---|
| 価格の時点 | 2026年1月1日 | 2026年7月1日 |
| 公表日 | 2026年3月17日 | 2026年9月15日 |
| 調べる人 | 国土交通省 土地鑑定委員会 | 各都道府県知事(国土交通省が全国分をまとめる) |
| 地点数 | 26,000地点(うち調査実施25,565地点) | 21,466地点(うち10地点は調査休止) |
| 根拠の法令 | 地価公示法 | 国土利用計画法施行令 |
出典: 国土交通省「令和8年地価公示の概要」「令和8年都道府県地価調査の概要」と各報道発表資料
地価公示2026は全国+2.8%で、5年連続の上昇になった
全国の地価は5年連続で上がりました。全用途平均は前年の+2.7%から+2.8%へ、商業地は+3.9%から+4.3%へ上昇幅が広がりました。住宅地は+2.1%で、前年と同じ上昇幅です。
上昇幅が広がったのは東京圏と大阪圏です。東京圏の全用途平均は+5.2%から+5.7%へ、大阪圏は+3.3%から+3.8%へ伸びました。名古屋圏は+2.8%から+2.3%へ縮みました。
地方は伸びが鈍っています。地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)の全用途平均は+5.8%から+4.5%へ縮み、地方圏「その他」は+0.8%で前年と同じでした。
全国平均だけを見ると、地方の多くが横ばいに近いことは見えません。
| 地域 | 全用途 R7 | 全用途 R8 | 住宅地 R7 | 住宅地 R8 | 商業地 R7 | 商業地 R8 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 全国 | 2.7 | 2.8 | 2.1 | 2.1 | 3.9 | 4.3 |
| 東京圏 | 5.2 | 5.7 | 4.2 | 4.5 | 8.2 | 9.3 |
| 大阪圏 | 3.3 | 3.8 | 2.1 | 2.5 | 6.7 | 7.3 |
| 名古屋圏 | 2.8 | 2.3 | 2.3 | 1.9 | 3.8 | 3.3 |
| 地方圏 | 1.3 | 1.2 | 1.0 | 0.9 | 1.6 | 1.6 |
| 地方四市 | 5.8 | 4.5 | 4.9 | 3.5 | 7.4 | 6.4 |
| 地方圏のその他 | 0.8 | 0.8 | 0.6 | 0.6 | 0.9 | 1.1 |
R7は2025年1月1日時点、R8は2026年1月1日時点。出典: 国土交通省「令和8年地価公示の概要」
9月の都道府県地価調査も全国+1.5%で、上昇は続いた
7月1日時点の都道府県地価調査でも、全国の地価は5年連続で上がりました。全用途平均は+1.5%、住宅地は+1.0%で、ともに前年と同じ上昇幅です。商業地は+2.9%で、上昇幅が広がりました。
地方では横ばいが目立ちます。地方圏のうち地方四市以外の「その他」の住宅地は0.0%で、前年と同じ横ばいでした。
国土交通省の概要は、令和8年熊本地震と令和8年8月の千葉豪雨の影響は反映していないと注記しています。
| 地域 | 全用途 | 住宅地 | 商業地 |
|---|---|---|---|
| 全国 | 1.5 | 1.0 | 2.9 |
| 東京圏 | 5.4 | 4.0 | 8.9 |
| 大阪圏 | 3.6 | 2.3 | 6.8 |
| 名古屋圏 | 1.9 | 1.5 | 2.7 |
| 地方圏 | 0.4 | 0.1 | 0.9 |
| 地方四市 | 4.1 | 2.9 | 6.0 |
| 地方圏のその他 | 0.2 | 0.0 | 0.7 |
2026年7月1日時点。地価公示とは時点・地点が違うため、上の表と数字を直接比べないでください。出典: 国土交通省「令和8年都道府県地価調査の概要」
主な都市では、東京23区と大阪市の商業地が2けたの上昇
主な都市でも、住宅地・商業地ともに上昇が続いています。東京23区の商業地は+11.8%から+13.8%へ、大阪市の商業地は+11.6%から+12.7%へ伸びました。
一方で、札幌市と福岡市は伸びが鈍りました。札幌市の住宅地は+2.9%から+1.1%へ、福岡市の住宅地は+9.0%から+7.0%へ上昇幅が縮んでいます。
| 都市 | 住宅地 R7 | 住宅地 R8 | 商業地 R7 | 商業地 R8 |
|---|---|---|---|---|
| 東京23区 | 7.9 | 9.0 | 11.8 | 13.8 |
| 横浜市 | 3.2 | 3.3 | 7.2 | 8.2 |
| 名古屋市 | 3.6 | 3.1 | 5.0 | 4.5 |
| 京都市 | 3.2 | 3.6 | 10.2 | 10.1 |
| 大阪市 | 5.8 | 6.5 | 11.6 | 12.7 |
| 札幌市 | 2.9 | 1.1 | 6.0 | 4.6 |
| 仙台市 | 6.3 | 4.3 | 8.3 | 7.8 |
| 広島市 | 2.4 | 2.7 | 4.6 | 5.2 |
| 福岡市 | 9.0 | 7.0 | 11.3 | 9.0 |
| 那覇市 | 5.9 | 5.3 | 6.8 | 7.1 |
出典: 国土交通省「令和8年地価公示の概要」の都道府県別・都道府県庁所在地別の変動率の表
上昇の首位は白馬村と千歳市、下落の首位は本別町と輪島市
地点ごとに見ると、上昇の首位はリゾート地と北海道の地点です。住宅地は長野県白馬村の地点が+33.0%、商業地は北海道千歳市千代田町の地点が+44.1%でした。住宅地の2位は北海道富良野市(+30.0%)、3位は長野県野沢温泉村(+22.3%)です。
国土交通省は、高い上昇が続く背景として複数の要因を挙げており、次はその主なものです。リゾート地域での別荘・移住者・従業員向け住宅の需要、子育てしやすい環境が整い転入者が多い地域の住宅需要、大手半導体メーカーの工場が進出した地域の需要、物流施設用地の需要です。
下落の首位は、住宅地が北海道本別町の地点(-6.3%)、商業地が石川県輪島市の地点(-6.3%)でした。能登半島地震などで大きな被害を受けた地域は下落が続いていますが、地価公示では下落幅が縮んだとしています。
9月の地価調査では、住宅地で宮城県加美町の地点(-6.0%)、商業地で輪島市の地点(-6.8%)が最も大きく下がりました。
| 区分 | 順位 | 地点(市町村) | 変動率 |
|---|---|---|---|
| 住宅地 上昇 | 1 | 長野県白馬村 | +33.0 |
| 住宅地 上昇 | 2 | 北海道富良野市 | +30.0 |
| 住宅地 上昇 | 3 | 長野県野沢温泉村 | +22.3 |
| 商業地 上昇 | 1 | 北海道千歳市(千代田町) | +44.1 |
| 商業地 上昇 | 2 | 北海道千歳市(錦町) | +38.5 |
| 商業地 上昇 | 3 | 長野県白馬村 | +35.2 |
| 住宅地 下落 | 1 | 北海道本別町 | -6.3 |
| 商業地 下落 | 1 | 石川県輪島市 | -6.3 |
1地点ごとの変動率。出典: 国土交通省「令和8年地価公示の概要」変動率上位・下位順位表
市区町村で数えると、1,527のうち687で地価が下がった
地価データバンクでは、2026年地価公示の地点を市区町村ごとにまとめています。地点のある1,527市区町村のうち、前年より上がったのは802、下がったのは687、横ばいは38でした(当サイトで計算)。市区町村の値の中央値は+0.12%です。
これは国土交通省の全国+2.8%とは別の数字です。国の値は全国の地点をまとめた平均変動率で、当サイトの値は市区町村ごとの値の真ん中です。集計のしかたが違うため、並べて比べないでください。
中央値が小さいのは、地点の少ない地方の市区町村も大都市の区も同じ1つとして数えるためとみられます(推測)。
上昇の上位は東京都区部と大阪市の区です。地点が5つ以上ある市区町村では、東京都台東区が+18.16%、文京区が+15.71%、品川区が+14.76%、大阪市浪速区が+14.75%、港区が+14.62%でした。下落の上位は石川県七尾市(-4.18%)、宮城県気仙沼市(-3.82%)、広島県江田島市(-3.52%)です。
転入超過の市区町村は、転出超過の市区町村より地価の伸びの中央値が高めです(2つのグループの比較で、転入の人数との関係までは見ていません)。地点5つ以上の市区町村では、転入超過の400市区町村の前年比の中央値が+3.07%で、転出超過の608市区町村の+0.12%を上回りました。相関の比較で、上がった・下がった理由はこのデータからは分かりません。
| グループ | 市区町村の数 | 地価の前年比の中央値 |
|---|---|---|
| 転入超過(転入が転出より多い) | 400 | +3.07% |
| 転出超過(転出が転入より多い) | 608 | +0.12% |
| 空き家率20%以上 | 145 | -0.71% |
| 空き家率10%未満 | 206 | +3.21% |
対象は2026年地価公示の地点が5つ以上ある1,010市区町村で、比べるデータがある市区町村だけを数えています。転入・転出は総務省「住民基本台帳人口移動報告」の2025年の値で、1,010すべてにデータがあり、転入と転出が同数の2市区町村は除きました。空き家率は総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(2023年10月1日時点)の空き家数÷総住宅数(別荘などの二次的住宅を含む)で、データのある993市区町村のうち該当するものです(17市区町村はデータなし)。相関の比較で、因果は分かりません。
- 10年間(2016年→2026年)の上昇の上位は福岡市博多区+194.5%、福岡市中央区+168.4%、大阪市西区+150.7%(地点5つ以上)
地価が上がっても税額はすぐには上がらない。まず評価額を確かめたい
地価公示の上昇は、そのまま翌年の固定資産税の上昇にはなりません。宅地の評価額は地価公示価格等の7割を目途に決まり、3年ごとの「基準年度」に見直されます(総務省「固定資産税の概要」)。次の見直しは2027年度(令和9年度)です。
住宅用地には課税標準を下げる特例があり、税額の上がり方は負担調整措置でなだらかになります。自分の土地の評価額と課税標準額は、市区町村から届く課税明細書で確かめられます(東京23区は都税事務所)。
売買を考えている場合も、公示価格は取引の目安にとどまります。実際の取引価格は個別の条件で変わるため、近くの標準地・基準地の価格を国土交通省の不動産情報ライブラリで確かめてから判断するのが確実です。
全国平均ではなく、自分の土地に近い地点の値と2027年度の評価替えを見ておくことが、2026年の地価上昇への備えになります。
- 地価公示1月1日時点の標準地の価格を国土交通省が公表
- 評価額宅地の固定資産税評価額は地価公示価格等の7割を目途に決まる
- 基準年度の見直し評価額は3年ごとに見直す。次は2027年度
- 課税標準住宅用地の特例と負担調整措置で上がり方がなだらかになる
- 課税明細書で確認市区町村(東京23区は都税事務所)から届く明細で評価額と課税標準額を見る
確かめること
- 国土交通省の不動産情報ライブラリで、自宅や実家の近くの地価公示(標準地)と都道府県地価調査(基準地)の価格と前年比を確かめる。
- 地価データバンクで自分の市区町村のページを開き、地価の前年比・10年変化・転入超過・空き家率を一緒に見る。
- 手元の固定資産税の課税明細書で、土地の評価額・課税標準額と住宅用地の特例の有無を確かめる。分からない点は市区町村の資産税担当課(東京23区は都税事務所)に聞く。
- 土地の売買や相続の判断に使うときは、公示価格は取引価格ではないことを前提に、不動産鑑定士・税理士など専門家に個別の評価を確かめる。
よくある質問
- 2026年の地価は上がりましたか?
- 上がりました。令和8年地価公示(2026年1月1日時点)で全国の全用途平均は+2.8%、住宅地+2.1%、商業地+4.3%で、5年連続の上昇です。2026年7月1日時点の都道府県地価調査でも全用途平均+1.5%と上昇が続いています。
- 地価公示と基準地価(都道府県地価調査)の違いは?
- 地価公示は国土交通省の土地鑑定委員会が1月1日時点で判定し、都道府県地価調査は各都道府県知事が7月1日時点で調べます。地点も時点も違うため、変動率を直接比べることはできません。国土交通省は両者を補い合う関係としています。
- どこが一番上がりましたか?
- 地価公示では、住宅地が長野県白馬村の地点(+33.0%)、商業地が北海道千歳市千代田町の地点(+44.1%)でした。都市別では東京23区の商業地が+13.8%です。
- 地方の地価は下がっていますか?
- 地方圏の平均は上昇が続いていますが、幅は小さめです。地価公示で地方四市を除く「その他」の住宅地は+0.6%、7月時点の地価調査では0.0%でした。当サイトの集計では、地点のある1,527市区町村のうち687で前年比がマイナスでした。
- 地価が上がると固定資産税も上がりますか?
- すぐには連動しません。宅地の評価額は地価公示価格等の7割を目途に3年ごとに見直され、次は2027年度です。住宅用地の特例や負担調整措置もあるため、実際の税額は課税明細書と市区町村の窓口で確かめてください。
読むときの注意
- 地価公示・地価調査は鑑定などによる標準的な価格で、実際の取引価格ではありません。
- 当サイトの市区町村の中央値(+0.12%)は、国土交通省の全国の変動率とは集計のしかたが違う数字です。
- 都道府県地価調査には、令和8年熊本地震と令和8年8月の千葉豪雨の影響は反映されていません(国土交通省の注記)。
- このページは公表資料の整理で、個別の投資・購入・借り入れ・申請の助言ではありません。
出典
- 国土交通省 令和8年地価公示 報道発表資料(2026-03-17)
- 国土交通省 令和8年地価公示の概要
- 国土交通省 令和8年都道府県地価調査 報道発表資料(2026-09-15)
- 国土交通省 令和8年都道府県地価調査の概要
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ
- 総務省 固定資産税の概要
- 地方税法(e-Gov法令検索)
- 地価データバンク(当サイト。元データは国土数値情報 地価公示)
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