長期金利の上昇はなぜ?10年国債3%台の理由と暮らしへの影響

東京・霞が関の財務省庁舎の外観
財務省の庁舎(霞が関)写真:っ(Wikimedia Commons 利用者)(CC BY-SA 3.0)。縮小(長辺1600px以下)・メタデータ削除。トリミング・色の変更なし

要するに

長期金利は10年国債で3.019%と約30年ぶりの水準まで上がっており、その影響を直接受けるのは、これから固定金利で借りる人です。

  1. 10年国債の金利は1年で1.349%ポイント上がりました。2026年10月7日の3.111%は、日次の値で1996年8月以来の高さです。
  2. 住宅ローンの固定金利は長期金利の動きを映して上がります(日銀 金融システムレポート)。フラット35等の2026年10月の借入金利は、借入期間・融資率・団信などの区分ごとに示され、全体で年3.51%〜6.02%の範囲です(区分ごとの金利は住宅金融支援機構の資料で確かめてください)。
  3. 借りる時の金利の差は返済額に大きく出ます。3,000万円・35年の仮の条件で、金利0.5%と1.0%では毎月6,810円違います。

長期金利の目安とされる10年国債の金利は、2026年10月13日に3.019%で、1年前の1.670%から1.349%ポイント上がりました(財務省 国債金利情報)。この上昇で負担が増えるのは、主にこれから固定金利で借りる人です。一方、個人向け国債の利率は募集ごとに見直されるため、受け取る側には利率が上がる方向に働きます。

10年国債の金利3.019%2026-10-13時点・財務省 国債金利情報。1年前(2025-10-14)は1.670%
10年国債の金利の1年間の上昇幅+1.349%pt2025-10-14→2026-10-13・財務省 国債金利情報から当サイトで計算
日銀の政策金利(無担保コール翌日物)1.25%程度2026-09-24から適用・日本銀行(2026-09-18公表)

目次 長期金利は10年国債の利回りで、市場の売り買いで決まる長期金利は3つの要素の和で、ほかが変わらなければ1つが大きくなると上がる2026年は利上げと国債買入れの減額が同時に進んだ10年国債は約30年ぶりの水準、30年国債は1999年以降の最高を更新した3,000万円・35年なら、金利0.5%と1.0%で毎月6,810円の差が出る長期金利の上昇は、これから固定金利で借りる人に直接効く確かめることよくある質問出典

長期金利は10年国債の利回りで、市場の売り買いで決まる

ニュースで言う長期金利は、ふつう10年物国債の利回りを指します。取引が多く、長い期間のお金の値段を表すのに向いているためです(内閣府の解説)。

国債は市場で毎日売り買いされています。満期に受け取る額と利率が決まっている同じ国債で比べると、値段が下がれば利回りは上がり、値段が上がれば利回りは下がります。

このため、市場の長期金利が上がると、すでに発行されて利率が決まっている国債の値段は下がる方向に動きます。

日銀が決める政策金利(無担保コール翌日物)は、銀行同士が1日だけお金を貸し借りする短期の金利です。長期金利は日銀が直接決めるものではなく、市場で決まります。

長期金利は3つの要素の和で、ほかが変わらなければ1つが大きくなると上がる

内閣府の解説は、名目の長期金利を3つの要素の和として整理しています。実質の金利、期待インフレ率、リスクプレミアムの3つです。

ほかの要素が変わらなければ、どれかが大きくなると長期金利は上がります。ほかの要素が下がれば、上がる力が打ち消されることもあります。

長期金利を形づくる3つの要素(内閣府の解説をもとに当サイトで整理)
要素中身上がるのはどんなとき
実質の金利物価の動きを除いた金利。経済がどのくらい成長すると見込まれるかと関係する成長の見込みが高まったとき
期待インフレ率これから先の物価上昇率の見込み物価が上がると見込まれたとき
リスクプレミアム将来の不確かさに対する上乗せ分物価の振れが大きいとき、国債が増えると心配されたときなど

出典:内閣府「世界経済の潮流 2003年秋」補論。一般的な枠組みで、2026年の上昇をこの3つに分けて測ったものではありません。

2026年は利上げと国債買入れの減額が同時に進んだ

2026年は、日銀の利上げと国債買入れの減額が同時に進みました。

日銀は2025年12月から2026年9月までに政策金利を3回引き上げ、1.25%程度にしました。今後も経済・物価の情勢に応じて引き上げていく、条件付きの方針を示しています。

国債の買入れは、2026年7〜9月の月2.5兆円程度から段階的に減らし、2027年4月以降は月2兆円程度にする計画です。長期金利は市場で形成されるのが基本とし、急に上がったときは買入れの増額などで対応するとしています。

物価の見通しは2%を上回っています。日銀の政策委員の見通し(中央値)では、消費者物価(生鮮食品を除く)は2026年度 +2.5%、2027年度 +2.4%です。

ただし、それぞれの出来事が長期金利をどれだけ押し上げたかは、公表資料では分けて示されていません。下の表は同じ時期に起きたことを並べたもので、寄与の大きさではありません。

長期金利に関係する2025年12月以降の主な決定
日付決定・公表内容
2025-12-19日銀 金融政策決定会合政策金利を0.75%程度に(12月22日から)
2026-06-16日銀 金融政策決定会合政策金利を1.0%程度に(6月17日から)
2026-06-16日銀 長期国債の買入れ計画月の買入れ予定額を2026年7〜9月の2.5兆円程度から減らし、2027年4月以降は2兆円程度に
2026-07-31日銀 展望レポート消費者物価(除く生鮮食品)の見通し 2026年度 +2.5%
2026-09-18日銀 金融政策決定会合政策金利を1.25%程度に(9月24日から)

出典:日本銀行の各公表資料。次回の金融政策決定会合は2026年10月29日・30日です(日本銀行の会合日程)。

10年国債は約30年ぶりの水準、30年国債は1999年以降の最高を更新した

10年国債の金利は、約30年ぶりの水準にあります。

財務省の国債金利情報をもとに当サイトで集計すると、10年国債は2026年10月7日に3.111%となり、日次の値でこれ以上だったのは1996年8月27日が最後です。月末の値でも、2026年9月末の3.057%を上回ったのは1996年7月末が最後です。

30年国債は、記録のある期間で最も高い水準です。2026年10月6日に4.168%となり、財務省のデータに30年の値が載る1999年9月以降で最高でした。

上昇は長い年限だけではありません。1年間の上昇幅は10年が1.349%ポイントで最も大きく、2年や5年の金利も1%ポイント以上上がりました。1年から40年までのどの年限も、0.6%ポイント以上上がっています。

012342021-102022-062023-022023-102024-062025-022025-102026-092021-10 0.101%2021-11 0.067%2021-12 0.089%2022-01 0.177%2022-02 0.191%2022-03 0.218%2022-04 0.22%2022-05 0.246%2022-06 0.242%2022-07 0.185%2022-08 0.235%2022-09 0.277%2022-10 0.253%2022-11 0.276%2022-12 0.454%2023-01 0.511%2023-02 0.524%2023-03 0.389%2023-04 0.403%2023-05 0.448%2023-06 0.426%2023-07 0.605%2023-08 0.657%2023-09 0.774%2023-10 0.952%2023-11 0.691%2023-12 0.647%2024-01 0.737%2024-02 0.724%2024-03 0.75%2024-04 0.879%2024-05 1.08%2024-06 1.062%2024-07 1.07%2024-08 0.922%2024-09 0.894%2024-10 0.947%2024-11 1.064%2024-12 1.111%2025-01 1.25%2025-02 1.378%2025-03 1.497%2025-04 1.33%2025-05 1.518%2025-06 1.462%2025-07 1.559%2025-08 1.613%2025-09 1.662%2025-10 1.67%2025-11 1.812%2025-12 2.066%2026-01 2.247%2026-02 2.132%2026-03 2.366%2026-04 2.52%2026-05 2.657%2026-06 2.69%2026-07 2.801%2026-08 2.943%2026-09 3.057%
10年国債の利回り(月末値)(単位:%)。10年国債の利回りの月末値は2021年10月末の0.101%から2026年9月末の3.057%まで上がりました。出典:財務省 国債金利情報(jgbcm_all.csv、2021年10月末〜2026年9月末)
年限別の国債の金利(1年前と比べた変化)
年限2025-10-142026-10-13変化(%ポイント)
1年0.723%1.657%+0.934
2年0.895%1.928%+1.033
5年1.195%2.371%+1.176
10年1.670%3.019%+1.349
20年2.703%3.841%+1.138
30年3.218%4.064%+0.846
40年3.417%4.061%+0.644

出典:財務省 国債金利情報(jgbcm.csv、jgbcm_all.csv)をもとに当サイトで計算。

3,000万円・35年なら、金利0.5%と1.0%で毎月6,810円の差が出る

借りる時の金利の差は、35年の返済では大きな差になります。

仮の条件として、3,000万円を35年・元利均等返済で借りた場合を計算しました。金利が0.5%から1.0%になると毎月6,810円、2.0%になると毎月21,503円増えます。

0.25%ポイントの差でも、0.5%と0.75%で毎月3,360円、1.0%と1.25%で毎月3,540円、1.5%と1.75%で毎月3,718円違います。金利が高いほど、同じ差でも返済額の差は少しずつ大きくなります。

この表は、借りた時から35年間ずっと同じ金利で返した場合の比較です。返している途中で金利が上がった場合の増え方には、そのまま使えません。途中で上がる場合の計算例は、日銀の利上げの影響をまとめたページに載せています。

実際の金利は、借りている(借りる予定の)金融機関で確かめてください。

借入3,000万円・35年・元利均等返済の毎月返済額と総返済額(仮の条件)
金利(年)毎月の返済額総返済額うち利息0.5%との差(毎月)
0.5%77,876円32,707,757円2,707,757円―
1.0%84,686円35,567,998円5,567,998円+6,810円
1.5%91,855円38,579,239円8,579,239円+13,980円
2.0%99,379円41,739,109円11,739,109円+21,503円

式:毎月返済額=借入額×月利×(1+月利)^420÷((1+月利)^420-1)、月利=年利÷12、420=35年×12か月。借りた時から35年間ずっと同じ金利で返す仮の条件で当サイトが計算(1円未満四捨五入)。返済の途中で金利が上がった場合の増え方には、この表はそのまま使えません。総返済額は、丸める前の毎月返済額×420回で計算(表の毎月返済額は1円未満を四捨五入した値なので、表の値×420回とは少しずれます)。実際の金利・端数処理・手数料は金融機関で確かめてください。

長期金利の上昇は、これから固定金利で借りる人に直接効く

長期金利の上昇は、これから固定金利で借りる人に直接効きます。

日銀の金融システムレポート(2026年4月)によると、住宅ローンの固定金利は長期金利の動きを映して上がり、変動金利は短期プライムレートなどの基準金利に連動して上がっています。すでに固定期間中の人は、その期間が終わるまで金利は変わりません。

全期間固定型の【フラット35】等の2026年10月の借入金利(融資率9割以下・新機構団信付き)は、借入期間などの区分により年3.51%〜6.02%です。借入金利は申込時ではなく資金受取時のものが使われ、毎月見直されます。

受け取る側には、利率が上がる方向に働きます。個人向け国債の2026年10月募集は固定5年 2.39%、固定3年 2.07%、変動10年 2.05%(年・税引前)で、募集のたびに利率が見直されます。

国の利払いも増えます。令和9年度概算要求の「利子及割引料」は16兆5,888億円で、令和8年度当初より3兆5,516億円多い額です(要求段階)。

フラット35等で借りる予定の人は、資金を受け取る月の金利が使われることを前提に、返済額を確かめておく必要があります。

ほかの固定型のローンは、どの時点の金利が使われるかを申込先の金融機関で確かめてください。

すでに借りている人は、固定期間がいつ終わるかを契約書で確かめておくことが、次の金利の見直しへの備えになります。

  1. 国債の値段が下がる市場で売り買いされる国債の値段が下がると利回りが上がる
  2. 長期金利が上がる10年国債の利回りが上がる
  3. 固定型の金利が上がる住宅ローンの固定金利は長期金利の動きを映して上がる
  4. 新しく借りる人の負担が増えるフラット35等の固定型の金利が上がりやすい
長期金利の上昇は、変動型よりも先に固定型の住宅ローンやフラット35等の固定型の金利に表れやすくなります。出典:内閣府 世界経済の潮流 2003年秋 補論、日本銀行 金融システムレポート(2026年4月)
11.251.51.7522.252025-012025-042025-072025-102026-012026-042026-082025-01 1.258%2025-02 1.224%2025-03 1.348%2025-04 1.428%2025-05 1.357%2025-06 1.359%2025-07 1.492%2025-08 1.378%2025-09 1.536%2025-10 1.554%2025-11 1.425%2025-12 1.53%2026-01 1.564%2026-02 1.614%2026-03 1.885%2026-04 1.79%2026-05 2.066%2026-06 1.944%2026-07 1.895%2026-08 1.999%
国内銀行の新規長期貸出の約定平均金利(月次)(単位:%)。国内銀行の新規長期貸出の約定平均金利は2025年1月の1.258%から2026年8月の1.999%まで、月ごとに上下しながら上がりました。出典:日本銀行 時系列統計 貸出約定平均金利(2025年1月〜2026年8月、2026年10月5日更新)
長期金利の上昇と関係する金利・金額(2026年10月時点で確かめた値)
対象どう動くか確かめた値と時点
固定型の住宅ローン新しく借りる人の金利が上がるフラット35等 年3.51%〜6.02%(2026年10月、区分による)
新規の長期貸出(企業・個人向け、住宅ローンを含む)平均金利は1年で上がった。長期金利の上昇が原因とは言い切れない国内銀行の新規長期貸出の約定平均金利 1.999%(2026年8月)。1年前(2025年8月)は1.378%
個人向け国債募集のたびに利率が見直される固定5年 2.39%、固定3年 2.07%、変動10年 2.05%(2026年10月募集・年・税引前)
国の利払い新しく出す国債の利子が増える令和9年度概算要求の「利子及割引料」16兆5,888億円(令和8年度当初比 +3兆5,516億円。借入金・財務省証券の利子を含み、このうち公債利子等は16兆2,556億円・+3兆4,673億円)

出典:住宅金融支援機構、日本銀行 時系列統計(貸出約定平均金利)、財務省(個人向け国債の募集、令和9年度概算要求)。貸出約定平均金利は、企業向けだけでなく個人向け(住宅ローンを含む)なども含む貸出全体を貸出残高で加重平均した値で、月ごとの振れが大きい値です。概算要求は要求段階の額です。「長期」は約定期間1年以上という区分で、月ごとに実行される融資の中身も変わるため、長期金利との関係は断定できません。

確かめること

  1. 住宅ローンを借りている人は、銀行から届いた契約書(金銭消費貸借契約書)で、金利が固定か変動か、固定期間がいつ終わるかを確かめる。
  2. これから固定型で借りる人は、申込先の金融機関に「どの時点の金利が使われるか」を聞く(フラット35は資金受取時の金利)。
  3. 上の計算例の表に、自分の残高・残りの年数を当てはめて、借入先の金融機関のサイトや窓口の返済額シミュレーションで確かめる。
  4. 取引銀行のサイトで、普通預金と定期預金のいまの金利を確かめる。
  5. 個人向け国債を調べる人は、財務省の募集ページで次回(2026年11月9日〜30日募集)の条件を確かめる。
  6. 会社の長期借入は、固定か変動か、金利の見直し日を一覧にし、取引銀行の担当者に次の改定日を確かめる。

よくある質問

長期金利と短期金利の違いは何ですか?
長期金利はふつう10年国債の利回りを指し、市場の売り買いで決まります。短期金利の代表は日銀が誘導目標を決める無担保コール翌日物で、2026年9月24日から1.25%程度です。
長期金利が上がると住宅ローンはどうなりますか?
まず固定型の金利が上がりやすくなります。日銀の金融システムレポート(2026年4月)では、固定金利は長期金利の動きを映して上がり、変動金利は短期プライムレートなどに連動しているとしています。すでに固定期間中の人は、その期間が終わるまで金利は変わりません。
長期金利が上がると国債の値段はどうなりますか?
満期に受け取る額と利率が決まっている同じ国債で比べると、利回りと値段は逆に動きます。このため、すでに発行されている国債の市場での値段は下がる方向に動きます。なお、個人向け国債は発行から1年たてば国の買取で換金でき、元本割れはしません(直前2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれます)。
長期金利はこれからも上がりますか?
当サイトは上がる・下がるの予想はしません。日銀は経済・物価の情勢に応じて政策金利を引き上げていく条件付きの方針を示しており、次回の金融政策決定会合は2026年10月29日・30日です。

読むときの注意

  • このページの10年国債の金利は財務省の国債金利情報(年限別の利回り)の値です。報道でよく使われる「新発10年国債利回り」とは計算方法が違い、値が少し異なることがあります。
  • 返済額の計算は仮の条件です。特定の金融商品やローンの選び方を勧めるものではありません。
  • このページは公表資料の整理で、個別の投資・購入・借り入れ・申請の助言ではありません。

出典