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M&A仲介の最低手数料が安い会社を比べる表と確認点

執筆・編集:M&A支援機関の手数料DB 編集部(運営 合同会社Radineer)/更新日 2026年11月6日

M&A仲介の手数料に一般的な法規制はなく料金体系は各業者が決めているので、最低手数料が安い仲介を登録データベースから探して比べることはできます。ただし、報酬を計算する基準額や着手金の有無でも支払額は変わるため、最低手数料だけでは安いと判断できません。まず想定する基準額で成功報酬を計算し、各社の最低手数料と比べてください。[1,2]

M&A仲介の最低手数料の分布と、安い価格帯の実名

仲介を扱う2,388社の譲渡側の最低手数料は、欄が空欄の「記載なし」352社を含めて次のように分かれています。この数字は登録制度への記載をまとめたもので、実際の契約条件は各社に書面で確かめる必要があります。[3]

譲渡側の最低手数料 社数
100万円以下 398社
100万円超〜300万円 639社
300万円超〜500万円 424社
500万円超〜1,000万円 281社
1,000万円超 294社
記載なし 352社

最低手数料が100万円以下で、M&A支援業務の専従者を3人以上と記載している法人は78社あります。専従者の多い順に8社を載せます。並びは評価ではありません。[4]

法人名 本店 専従者 最低手数料 算定方式
ブティックス株式会社 東京都 91人 100万円 その他レーマン方式
株式会社エス・エム・エス 東京都 35人 100万円 移動総資産レーマン方式
一般社団法人 事業承継協会埼玉支部 埼玉県 33人 50万円 オーナー受取額レーマン方式
株式会社バトンズ 東京都 31人 50万円 その他
税理士法人 大分綜合会計事務所 大分県 28人 60万円 移動総資産レーマン方式
税理士法人ISJ 愛媛県 20人 50万円 株価レーマン方式
特定非営利活動法人tnc中小企業支援センター 東京都 16人 50万円 オーナー受取額レーマン方式
株式会社関西合同会計事務所 大阪府 9人 50万円 その他レーマン方式

専従者が多い法人の記載と比べると、最低手数料の記載の違いが分かります。こちらも専従者の多い順で、評価ではありません。[5]

法人名 本店 専従者 最低手数料 算定方式
株式会社日本M&Aセンター 東京都 649人 2,000万円 移動総資産レーマン方式
株式会社ストライク 東京都 343人 2,000万円 オーナー受取額レーマン方式
株式会社M&A総合研究所 東京都 329人 2,500万円 株価レーマン方式
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 東京都 203人 2,500万円 株価レーマン方式
M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社 東京都 152人 2,500万円 株価レーマン方式

一方で、法人2,646社のうち専従者を0人と記載しているのは535社、1人は864社です。最低手数料の安さとあわせて、この欄も見比べられます。[3]

最低手数料が安い仲介と高い仲介で、支払額はどう変わるか

譲渡側が小規模だと十分な成功報酬が取れないため、最低報酬を設けている支援機関が多く、金額は機関ごとに違います。次の当方の計算例では、計算した成功報酬が最低手数料を下回るため、支払いは最低手数料の額になります。着手金など他の項目は計算に入れていません。[1,3]

報酬基準額 典型的な報酬率での成功報酬 契約の最低手数料 支払額 基準額に対する割合
3,000万円 150万円 500万円 500万円 17%
1億円 500万円 1,000万円 1,000万円 10%
1億円 500万円 2,000万円 2,000万円 20%

表は当方の計算例で、実際の料率と基準額は各社で異なります。計算に使った典型的な報酬率は、5億円以下5%、5億円超〜10億円以下4%、10億円超〜50億円以下3%、50億円超〜100億円以下2%、100億円超1%です。[3,1]

国が示すトラブル事例にも、成功報酬は売却代金の5%と聞いていたのに、最低報酬金額が適用されて想定より高い手数料を払うことになった例があります。[6]

株式価値の見当をつける方法として、国の株式価値簡易計算があります。業種別の評価倍率を使う取引事例法ですが、実際の譲渡価額は当事者の合意で決まるので、結果は参考値です。2024年度の登録支援機関経由の株式譲渡でEV/EBITDAが出せた1,987件は、中央値7.3倍でした。[7,8]

譲渡額の水準について過大なバリュエーションを示す営業は、禁止される例に挙げられています。仲介者は確定的なバリュエーションをせず、必要に応じて士業等の専門家の意見を求めるよう依頼者に伝えるものとされています。[9]

最低手数料が安くても総額が上がるM&A仲介の料金項目

報酬を計算する基準額

報酬基準額に株価・オーナー受取額・企業価値・移動総資産のどれを使うかで、報酬額が大きく変わることがあります。仲介(譲渡側)の算定方式の記載は、株価レーマン方式962社(40%)、オーナー受取額レーマン方式409社(17%)、移動総資産レーマン方式398社(17%)、企業価値レーマン方式237社(10%)などです。[1,3]

移動総資産レーマン方式は、株式価値に有利子負債と買掛金・未払金などの負債を足した額を基準にします。株式価値1億円・負債2億円の会社の計算例では、株価レーマン方式の成功報酬500万円に対し、移動総資産レーマン方式は1,500万円です。負債がある会社は、最低手数料とあわせて算定方式の欄も確認してください。[1,3]

着手金・月額報酬・中間金

中小M&Aの手数料は、着手金・月額報酬・中間金・成功報酬の形が多く、着手金は請求する業者としない業者に分かれます。株式譲渡の譲渡側3,245件のうち、最終契約時の成功報酬だけを受領していたのは1,616件(49.8%)です。残り1,629件(50.2%)は、着手金・中間金などで報酬の一部を前に受領していました。[1,10]

買い手側からも受け取る仲介の手数料

仲介は譲渡側・譲受側の双方と契約して双方から手数料を受け取るのが通常で、FAは一方とだけ契約してその一方から受け取ります。相談先をFAまで広げるなら、FAを扱う法人は2,489社あります。[11,3]

安い仲介と無料の公的窓口、廃業を負債・保証・費用で比べる

最低手数料が合わないと感じたら、民間の仲介以外の選択肢とも比べられます。

選択肢 負債 経営者保証 費用 相談先
民間の仲介で第三者へ売却 譲渡側が債務超過の場合などは、決算公告や税務申告書で譲受側の財務状況を確認する 解除・移行を想定するなら、譲受側の義務として最終契約に位置付けることを検討する 着手金・月額報酬・中間金・成功報酬と最低報酬 登録支援機関 [9,1,2]
公的センターで第三者へ売却 資料に記載なし 資料に記載なし 相談は無料 事業承継・引継ぎ支援センター(47都道府県48か所) [12,13]
親族へ承継 資料に記載なし 前経営者と後継者の双方から原則として二重に求めない 特例措置の納税猶予割合は100%。特例承継計画の提出は令和9年9月30日まで 事業承継・引継ぎ支援センター [14,15,13]
廃業 借入金が残っていなかったのは78.8%。「資金は残らず債務が残った」は15.8% 企業の債務整理に伴う場合、経営者や保証人は経営者保証ガイドラインによる保証債務の整理で協議会の支援を受けられる 「費用はかからなかった」が61.4% 中小企業活性化協議会(窓口相談まで無料) [16,17]

廃業の欄は、廃業時の借入金や費用の状況を示す数字です。売却とそのまま比べられる数字ではありません。

事業承継・引継ぎ支援センターの第三者承継では、成約した譲渡企業の約7割が小規模事業者です(令和6年度実績の表示)。令和7年度の成約件数は2,265件で過去最多でした。民間の仲介から示された手数料のセカンドオピニオンにも使えます。[12,13]

店の前オーナーが、センターに相談したきっかけを「無料」だったからと振り返っています。[18]

最低手数料の安い仲介と契約する前の確認リスト

国は報酬率だけでなく、最低手数料・基準額・発生タイミングも確認するよう勧めています。次の項目は、登録制度の遵守事項をもとにした確認点です。[19]

専任条項がない契約なら、複数の業者から同じ候補先を紹介されても、選ばれなかった業者はテール条項を理由に手数料を請求しません。[9]

手数料とは別に、買い手についての注意点もあります。経営者保証を引き受けずに会社の現預金などを移して倒産させる譲受側の存在が指摘され、国は保証の引受けを前提に低い譲渡額で買うという提示に注意を呼びかけています。不適切な譲り受け側の情報共有の仕組みに加盟と記載しているのは法人2,646社のうち116社です。仲介(譲渡側)の最低手数料が500万円以下で、加盟と記載している法人は39社です。[6,3,20]

よくある質問

Q. 赤字や債務超過の会社でも、国のツールで仲介手数料を試算できますか。

A. 国の手数料簡易計算ツールは黒字企業の株式譲渡だけが対象で、赤字・債務超過企業や事業譲渡は対象外です。

Q. 仲介の費用に補助金は使えますか。

A. 「事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)」でFA・仲介の費用が補助対象になるのは、登録FA・仲介業者の支援だけです。

Q. 売却が成約しなかった場合も費用はかかりますか。

A. 未成約のまま着手金や中間金だけを受け取るケースも多数ありますが、その金額や件数は明らかになっていません。

Q. 示された最低手数料を下げてもらう交渉はできますか。

A. 国は、手数料に疑問があれば別の業者への依頼や手数料の交渉も検討するよう示しています。下がるかどうかは資料には書かれていないので、各社の回答を書面で受け取って比べてください。

参考資料

  1. 中小企業庁 M&A支援機関登録制度HP「手数料の簡易計算」(手数料の考え方)(2026-11-03取得時点)https://ma-shienkikan.go.jp/fee-calculation
  2. 中小企業庁 M&A支援機関登録制度HP「登録支援機関データベース」説明(活用シーン)(2026-11-03取得時点)https://ma-shienkikan.go.jp/search-description
  3. 中小企業庁 M&A支援機関登録制度HP「登録支援機関データベース」検索画面(検索結果表示)(2026-11-03取得時点(既定の検索条件での件数))https://ma-shienkikan.go.jp/search
  4. M&A支援機関登録制度HP(中小企業庁)登録機関データベース(2026-11-02取得)を当方で集計(法人格のある2,646社)(2026-11-02取得)https://radineer.asia/ma-tesuryo/fee/u100
  5. M&A支援機関登録制度HP(中小企業庁)登録機関データベース(2026-11-02取得)を当方で集計(法人格のある2,646社)(2026-11-02取得)https://radineer.asia/ma-tesuryo/
  6. 中小企業庁財務課・M&A支援機関登録制度事務局「昨今の中小M&A市場における動向を踏まえた周知・注意喚起について」(令和6年5月)(別紙 事例2)(2024-05)https://ma-shienkikan.go.jp/documents/%E3%80%90%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%80%91%E6%98%A8%E4%BB%8A%E3%81%AE%E4%B8%AD%E5%B0%8FM%EF%BC%86A%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%8B%95%E5%90%91%E3%82%92%E8%B8%8F%E3%81%BE%E3%81%88%E3%81%9F%E5%91%A8%E7%9F%A5%E3%83%BB%E6%B3%A8%E6%84%8F%E5%96%9A%E8%B5%B7%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6_241030.pdf
  7. 中小企業庁 M&A支援機関登録制度HP「株式価値の簡易計算」(本ツールにおける株式価値の考え方)(2026-11-03取得時点(評価倍率は2024年度の報告データ))https://ma-shienkikan.go.jp/stock-value-calculation
  8. 中小企業庁 M&A支援機関登録制度HP「登録支援機関を通じた中小M&Aの集計結果」譲渡価額(EV/EBITDA・2024年度)(譲渡価額)(2024年度報告分(2026-11-03取得時点の表示))https://ma-shienkikan.go.jp/statistics-report?reportType=transfer-price
  9. 中小企業庁「M&A支援機関登録制度公募要領(令和8年度)」(遵守事項一覧=中小M&Aガイドライン第3版の行動指針)(遵守事項10(4))(令和8年度(2026年度)版)https://ma-shienkikan.go.jp/documents/M%26A%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%A9%9F%E9%96%A2%E7%99%BB%E9%8C%B2%E5%88%B6%E5%BA%A6%E5%85%AC%E5%8B%9F%E8%A6%81%E9%A0%98%EF%BC%88%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%98%E5%B9%B4%E5%BA%A6%EF%BC%89.pdf
  10. 中小企業庁 M&A支援機関登録制度HP「登録支援機関を通じた中小M&Aの集計結果」M&A支援機関(FA・仲介)への報酬(解説)(2026-11-03取得時点)https://ma-shienkikan.go.jp/statistics-report?reportType=incentive-fee
  11. 中小企業庁 M&A支援機関登録制度HP「登録支援機関を通じた中小M&Aの集計結果」M&Aの利用(解説)(2026-11-03取得時点)https://ma-shienkikan.go.jp/statistics-report?reportType=ma-count
  12. 中小企業基盤整備機構 事業承継・引継ぎポータル「第三者承継」(POINT)(令和6年度実績の表示(2026-11-03取得時点))https://shoukei.smrj.go.jp/about/third-party/
  13. 中小企業基盤整備機構 ニュースリリース「令和7年度 事業承継・引継ぎ支援センターの実績について」(2026年5月29日)(■令和7年度の実績について)(令和7年度(2025年度)実績・2026-05-29公表)https://www.smrj.go.jp/press/2026/hkj3i8000000cu5o-att/20260529_press01.pdf
  14. 経営者保証に関するガイドライン研究会「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則」(令和元年12月・全国銀行協会HP掲載)(2.(1))(2019-12)https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/adr/sme/guideline_sp.pdf
  15. 国税庁タックスアンサー No.4439 非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例等(法人版事業承継税制)(概要)(2026-11-03取得時点)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4439.htm
  16. 日本政策金融公庫総合研究所「引退廃業者の実態~『経営者の引退と廃業に関するアンケート』結果から~」(2019年12月12日)(調査時点2019年10月・分析対象500件(引退に伴い廃業した元経営者))https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/sme_findings191212_1.pdf
  17. 中小企業基盤整備機構「中小企業活性化協議会による支援」(2026-11-03取得時点)https://www.smrj.go.jp/sme/succession/revitalization/index.html
  18. 中小機構 事業承継・引継ぎポータル「事例を見たい」の投稿(掲載日の記載なし(2026-11-03取得))https://shoukei.smrj.go.jp/case/ca065.html
  19. 中小企業庁「M&A支援機関の選定・契約時に確認すべき事項」(登録制度HP掲載PDF)(Check2)(作成日の記載なし(2026-11-03取得))https://ma-shienkikan.go.jp/documents/M%26A%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%A9%9F%E9%96%A2%E3%81%AE%E9%81%B8%E5%AE%9A%E3%83%BB%E5%A5%91%E7%B4%84%E6%99%82%E3%81%AB%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E4%BA%8B%E9%A0%85.pdf
  20. M&A支援機関登録制度HP(中小企業庁)登録機関データベース(2026-11-02取得)を当方で集計(法人格のある2,646社)(2026-11-02取得)https://radineer.asia/ma-tesuryo/fee/u500

手数料・契約条件は支援機関ごとに違い、登録制度の記載から変わることもあります。契約の前に、手数料の算定方法・最低手数料・専任条項・テール条項を書面で確かめてください。

元データ

参考

上の資料を加工して作成しています。