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法人の絵画はレンタルと購入どちら?経費と総額を比較

執筆・編集:法人向けアート(絵画)購入・レンタルの事業者DB 編集部(運営 合同会社Radineer)/更新日 2026年11月6日

借りる契約でも、中途解約禁止等とフルペイアウトの要件を満たすリース取引に当たる場合は、引渡し時に作品の売買があったものとされます。購入した絵画は、作品の価格と、時の経過で価値が減ることが明らかかどうかなどによって、減価償却資産として事業に使った年度に全額を損金経理して経費にするか、年数に分けて経費にするか、原則として減価償却できないかに分かれます。たとえば江夏画廊の月額11,000円(税込)からのプランで36か月借りると、11,000円×36か月=396,000円です。料金は2026-11-02に公式サイトで確認した記載です。[1,2,3,4]

期間別の総額の試算

公式サイトに月額の記載がある例について、1年・2年・3年借りた場合の総額を出しました。購入の例には、作品は10,000円から買えると記載している事業者を並べています。[5]

項目 1年 2年 3年
朝日画廊(月額1,050円から) 1,050円×12か月=12,600円 1,050円×24か月=25,200円 1,050円×36か月=37,800円 [6]
アートリエ(月額3,800円〜) 3,800円×12か月=45,600円 3,800円×24か月=91,200円 3,800円×36か月=136,800円 [5]
江夏画廊(月額11,000円・税込から) 11,000円×12か月=132,000円 11,000円×24か月=264,000円 11,000円×36か月=396,000円 [4]
アートリエで購入(10,000円〜) 10,000円×1点=10,000円 10,000円×1点=10,000円 10,000円×1点=10,000円 [5]

アートリエの2つの額は、どちらも「〜」が付いた最低額です。配送費・掛け替え費と、買いたい作品の価格は資料に無いので、見積もりで確かめてください。なお、購入した絵画が減価償却資産に当たり、取得価額が40万円未満(10万円未満のもの等を除く)なら、中小企業者等の特例で事業に使った年度に全額を経費にできる場合があります。ただし、青色申告や従業員数、その年度の損金経理、明細書の添付などの条件があります。[7,8]

借りられる事業者の例

当方が公式サイトで確認できた事業者は14件で、内訳はレンタル7件・販売4件・サブスク2件・リース1件です。下の表は、絵画を月額で借りられる例です。並び順は評価ではありません。[9]

事業者(運営) 種類 公式の最低料金の記載
朝日画廊 絵画レンタル(朝日画廊株式会社) レンタル 月額1,050円から [6]
ギャラリー四季 絵画レンタル(ギャラリー四季株式会社) レンタル 月額1,210円(税込) [10]
レント 絵画レンタル(株式会社レント) レンタル 3,000円/月〜(税抜) [11]
アートリエ(株式会社ウェルビーイング阪急阪神) レンタル(サブスク)/販売 月額3,800円〜(作品は10,000円〜購入可能) [5]
club Fm(アートアンドリーズン株式会社) レンタル/販売 5,280円/月(1作品XS〜XLサイズ) [12]
アール・ド・ヴィーヴル アートリース(社会福祉法人アール・ド・ヴィーヴル) リース(レンタル) 月々5,500円より [13]
GALLERY MARGHU レンタルアート(株式会社MARGHU) レンタル(リース) 3年契約8,000円+税/月、1年契約10,000円+税/月 [14]
江夏画廊 絵画レンタルサービス(江夏画廊株式会社) レンタル 月額11,000円(税込)から [4]

対応地域の記載は事業者ごとに次のとおりです。[6,4,13,14] - 朝日画廊:全国 - 江夏画廊:東京23区内の法人 - アール・ド・ヴィーヴル:小田原市内は配達無料、市外は配送出張費がかかる - GALLERY MARGHU:福岡県久留米市・熊本県合志市のギャラリーから掛け替えに伺える範囲

料金は税込と税抜が混ざっているので、比べるときはどちらかにそろえてください。

経費になる時期の違い

植物と絵画をレンタルし、その仕訳を尋ねる投稿があります。[15]

法人の損金には、売上原価のほか販売費・一般管理費その他の費用が含まれます。ただし、償却費以外で期末までに債務が確定しない費用は除かれます。ただし、中途解約が禁止されているなどの要件を満たし、解約できない期間の料金の合計が作品を取得するのに通常かかる価額のおおむね90%を超える契約は、リース取引として引渡し時に売買があったものとされます。購入した絵画の取得価額には、引取運賃・購入手数料などの購入費用が含まれ、額縁も一般的に絵画の一部として取得価額に含まれます。古美術品のように価値が下がらないものは、金額にかかわらず減価償却できません。[16,1,17,3]

方法 経費になる時期 条件・注意
レンタル リース取引に当たる場合は、引渡し時に売買があったものとされる。当たらない場合も、償却費以外で期末までに債務が確定しない費用は損金に含まれない 中途解約できても、解約時に残りの料金のおおむね全部(原則90%以上)を払う定めがあれば、リース取引の要件に当たり得る。1年以内に提供を受ける役務の前払費用は、継続して支払った年度の損金に算入していれば、支払時点で損金算入が認められる [1,16,18]
購入:10万円未満 減価償却資産に当たる場合は、事業に使った年度に全額 対象は減価償却資産に限る。その年度に全額を損金経理した場合だけ認められる。後の年度にまとめて落とすことはできない [2]
購入:10万円以上20万円未満 減価償却資産に当たる場合は、一括して3年間で償却(一括償却資産を選んだ場合) 対象は減価償却資産に限る。これを選ぶと、下の40万円未満の特例は使えない [2,8]
購入:10万円以上40万円未満 減価償却資産に当たる場合は、事業に使った年度に全額(中小企業者等の特例) 対象は減価償却資産に限る。青色申告・常時使用する従業員400人以下・1事業年度300万円まで(事業年度が1年未満なら月数で按分)・事業に使った年度の損金経理・明細書の添付が条件。40万円未満の基準は令和8年4月1日以後の取得分で、それより前の取得分は30万円未満が基準。令和11年3月31日までの取得に限る [8]
購入:40万円以上100万円未満 価値が減らないことが明らかなものを除き減価償却資産。室内装飾品のその他のもの(絵画など)に当たる場合の耐用年数は8年 事業年度の途中で取得して事業に使い始めた場合、その年度の償却限度額は月数で按分した金額になる [3,17]
購入:100万円以上 原則として減価償却できない 時の経過で価値が減ることが明らかなものは除かれる。100万円以上でも減価償却資産になる例として、不特定多数が利用する場所の装飾・展示用、移設が難しく当該用途専用、転用時に市場価値が見込まれない、の3つを全て満たすものが挙げられている。例示に当たらないものも、例示を参考に実態を踏まえて判断される [3,17]

状況ごとの決め方

40万円未満を長く飾る

10万円未満のものと、一括償却資産の制度を使うものは対象外です。それ以外の取得価額40万円未満の減価償却資産なら、青色申告をしている中小企業者等で、従業員数・取得時期・損金経理・明細書の添付などの条件を満たせば、特例を使って、事業に使った年度に全額を経費にできます。ただし枠は1事業年度300万円(事業年度が1年未満なら月数で按分)で、同じ期に特例を使うほかの資産と合わせた合計です。[8]

掛け替えたい・短く使う

上の表の月額は、1,050円から11,000円まで幅があります。3年契約・1年契約のように期間が決まったプランもあります。途中で解約できるかと、解約するときの支払いを契約書で確認します。[14]

100万円以上の作品

購入すると原則として減価償却できないので、借りた場合の総額と並べて比べます。例示に当たらない作品が、価値の減ることが明らかなものかどうかは、例示を参考に実態を踏まえて判断されます。[17]

飾る場所が自宅など

減価償却資産に当たる美術品等をエントランス・会議室・役員室などで装飾や展示に用いている場合は、通常、事業に使っているものと考えられています。一方、役員の個人的な費用を会社が負担すると、その額は役員への経済的な利益として扱われます。[17,19]

決める前の確認リスト

経理処理の最終判断は、顧問税理士に確かめてください。

よくある質問

Q. 買った絵画を倉庫にしまっている間も、償却は続けられますか?

A. 展示を休んでいても、必要な維持管理をしていて、いつでも飾れる状態なら、事業に使っているものとされます。

Q. 画廊の営業を受けて結んだ契約は、法人でもクーリング・オフできますか?

A. 営業のため、または営業として結ぶ契約には、訪問販売のクーリング・オフ等の規定は適用されません。これに当たるかどうかは、取引の種類や利益活動との関わりなどから総合的に検討するとされています。

Q. 社長個人が持っている絵を、会社が買い取ってもよいですか?

A. 役員から、その資産の価額より高い価額で買い入れると、差額は役員への経済的な利益とされます。

参考資料

  1. 国税庁タックスアンサー No.5702 リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)(国税庁掲載(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5702.htm
  2. 国税庁タックスアンサー No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5403.htm
  3. 法人税基本通達 7-1-1(美術品等についての減価償却資産の判定)国税庁(国税庁掲載の現行通達(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_01_01.htm
  4. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://enartsu.co.jp/rental/
  5. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://biz.artelier.co.jp/
  6. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://asahi-gallery.co.jp/rental/system.asp
  7. 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)e-Gov法令API v2(e-Gov現行版(2026-11-03取得))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/332AC0000000026?response_format=json
  8. 国税庁タックスアンサー No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm
  9. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://radineer.asia/kaiga-setsuzei/
  10. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://www.gallery-shiki.co.jp/
  11. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://art.rent.co.jp/
  12. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://clubfm.jp/
  13. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://artdevivre-odawara.jp/work/artlease.php
  14. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://marghu.jp/rent/
  15. 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2008/4/7 15:15)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1315801318
  16. 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)e-Gov法令API v2(e-Gov現行版(2026-11-03取得))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/340AC0000000034?response_format=json
  17. 国税庁「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」(FAQ本文は平成27年1月1日現在の法令・通達に基づく(FAQ自身の注記))https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/bijutsuhin_FAQ/index.htm
  18. 国税庁タックスアンサー No.5380 短期前払費用として損金算入ができる場合(国税庁掲載(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5380.htm
  19. 法人税基本通達 9-2-9(債務の免除による利益その他の経済的な利益)国税庁(国税庁掲載の現行通達(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_02.htm

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