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有名画家の絵300万円を重役応接室に|会計処理の判定

執筆・編集:法人向けアート(絵画)購入・レンタルの事業者DB 編集部(運営 合同会社Radineer)/更新日 2026年11月6日

300万円の有名画家の絵は、1点100万円以上なので、法人税基本通達7-1-1では原則として減価償却できない資産として扱われます。ただし、時の経過で価値が減ることが明らかなものは除かれます。まず、その作品が古美術品のような代替性のないものに当たるか、価値の減少が明らかだと言える事情があるかを確かめます。[1]

300万円の有名画家の絵は重役応接室で減価償却できるか(判定表)

請求書や納品書で1点ごとの取得価額を確かめます。

似た状況の質問として、次の内容があります。

有名画家の300万円の絵画を会社の費用で購入し、重役用応接室に飾っているという内容です。[2]

この質問者は、自分の理解として次のようにも書いています。

時価が上がる場合もあるので減価償却の対象外だ、という理解です。[2]

現行の通達の書き方は、この理解とは少し違います。冒頭の判定条件には、「時価が上がるかもしれないか」は入っていません。[1]

重役応接室に飾っていることは、会計処理でどう見られるか

この記載が挙げる場所はエントランス・会議室・役員室などで、重役応接室は名指しされていません。役員室などと同じように扱われるかは推測にとどまります。[3]

ただ、この記載は「減価償却資産の美術品等」についての説明です。[3]

300万円の作品で「価値の減少が明らか」と言えるかを確かめる

「価値の減少が明らか」を何で示せばよいかは、資料には書かれていません。作品の状態や作家の評価をどう扱うかを含めて、顧問税理士に確かめます。

有名画家の300万円の絵を重役応接室に置き続ける以外の選択肢

重役応接室に飾り続ける以外に検討できるものとして、登録美術品制度による美術館での公開と、美術品の販売・レンタルの事業者があります。ただし、登録の可否は価格ではなく美術的な価値で判断されるため、この300万円の作品を登録して公開できるかは、価格だけでは分かりません。それぞれ会計処理への影響は資料には書かれていないので、ここでは制度と事業者の公式の記載だけを並べます。[4]

登録美術品制度で美術館に公開する

美術品の美術館における公開の促進に関する法律は、美術品の登録制度によって登録美術品の美術館での公開を促し、国民の鑑賞機会を広げることを目的としています。登録美術品公開契約は、5年以上有効で、当事者が解約を申し入れられない定めがある契約とされています。応接室に戻したい時期がある場合は、この期間の定めを先に読んでおきます。[5]

文化庁は、登録美術品は相続が発生した場合、ほかの美術品と違って国債や不動産などと同じ順位で物納できると案内しています。[4]

美術品の販売・レンタルの事業者

当サイトの事業者一覧では、公式サイトで確認できた美術品の事業者は14件で、内訳はレンタル7件、販売4件、サブスク2件、リース1件です。以下は2026-11-02の確認日時点の公式の記載で、内容は変わることがあります。販売の事業者には、法人向けアート販売・リセールのバンクオブアート(BANK OF ART、運営 株式会社シクミーズ)や、法人購入の案内がある翠波画廊(運営 株式会社ブリュッケ)があります。どちらも公式サイトに金融商品取引業の登録番号の記載は確認できませんでした。[6,7,8]

一覧のうち、作品を借りる形のサービスがあり、公式に料金の記載がある事業者には、次のようなところがあります。下の事業者についても、公式サイトに金融商品取引業の登録番号の記載は確認できませんでした。

事業者 運営 形態 公式の料金の記載
アートリエ 株式会社ウェルビーイング阪急阪神 レンタル(サブスク)/販売 月額 3,800円〜 気軽にレンタル(作品は10,000円〜購入可能) [9]
アール・ド・ヴィーヴル アートリース 社会福祉法人アール・ド・ヴィーヴル リース(レンタル) リース料は、月々5500円より。 [10]
GALLERY MARGHU レンタルアート 株式会社MARGHU レンタル(リース) プレミアムプラン 3年契約 8,000円+税/月(ライトプラン 1年契約 10,000円+税/月) [11]
江夏画廊 絵画レンタルサービス 江夏画廊株式会社 レンタル 月額11,000円(税込)から [12]
朝日画廊 絵画レンタル 朝日画廊株式会社 レンタル 月額1,050円から [13]
ギャラリー四季 絵画レンタル ギャラリー四季株式会社 レンタル ¥1,210(月額・税込) [14]
レント 絵画レンタル 株式会社レント レンタル 3000円/月~(表示価格は全て税抜) [15]
club Fm アートアンドリーズン株式会社 レンタル/販売 5,280円/月(1作品XS~XLサイズ) [16]
ARTerrace RENT 株式会社ARTerrace サブスク(工芸作品レンタル) 月額11,000円〜/1作品 [17]

対応地域は、公式の記載では、アール・ド・ヴィーヴルが「小田原市内は配達無料。市外については配送出張費をいただいています。」、GALLERY MARGHUが「掛け替えに伺える範囲(ギャラリー所在: 福岡県久留米市・熊本県合志市)」、江夏画廊が「東京23区内の法人様へ」、朝日画廊が「全国にお届け」です。ここに挙げた事業者のどれかを勧めるものではありません。借りた作品の料金をどう処理するかは資料には書かれていないので、契約の前に顧問税理士に確かめます。[10,11,12,13]

よくある質問

Q. 300万円の絵を登録美術品にすると、登録のときに価格を評価してもらえますか。

A. 文化庁によると、登録の可否は価格ではなく美術的な価値で判断され、登録時に価格の評価は行いません。

Q. 重役応接室用に別の作品を画廊で勧められ、「今買わないと後悔する」と言われました。似た相談はありますか。

A. 消費者庁の事例では、アンケート名目で営業所に呼び出され、「今、購入しないと絶対に後悔する」などと3時間以上勧誘されて50万円の絵画を契約した相談が紹介されています。

Q. 有名画家の作品でも、古美術品に当たらなければ100万円の基準だけで判定されますか。

A. 金額だけでは決まりません。冒頭の判定に戻って確かめます。

参考資料

  1. 法人税基本通達 7-1-1(美術品等についての減価償却資産の判定)国税庁(国税庁掲載の現行通達(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_01_01.htm
  2. 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2011/7/19 14:55)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1366898813
  3. 国税庁「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」(FAQ本文は平成27年1月1日現在の法令・通達に基づく(FAQ自身の注記))https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/bijutsuhin_FAQ/index.htm
  4. 文化庁「制度の概要」(登録美術品制度の御案内)(文化庁掲載(2026-11-03取得))https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/torokubijutsuseido/gaiyo/index.html
  5. 美術品の美術館における公開の促進に関する法律(平成十年法律第九十九号)e-Gov法令API v2(e-Gov現行版(2026-11-03取得))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/410AC0000000099?response_format=json
  6. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://radineer.asia/kaiga-setsuzei/
  7. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://bankof-art.com/
  8. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://www.suiha.co.jp/
  9. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://biz.artelier.co.jp/
  10. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://artdevivre-odawara.jp/work/artlease.php
  11. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://marghu.jp/rent/
  12. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://enartsu.co.jp/rental/
  13. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://asahi-gallery.co.jp/rental/system.asp
  14. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://www.gallery-shiki.co.jp/
  15. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://art.rent.co.jp/
  16. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://clubfm.jp/
  17. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://rent.arterrace.jp/
  18. 消費者庁 特定商取引法ガイド 事例「アンケートに協力して欲しいと呼び出され高額な絵画を買わされた」(消費者庁掲載(2026-11-03取得))https://www.no-trouble.caa.go.jp/case/doortodoorsales/case05.html

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