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自宅兼事務所の美術品の仕訳と按分|金額別の区分

執筆・編集:法人向けアート(絵画)購入・レンタルの事業者DB 編集部(運営 合同会社Radineer)/更新日 2026年11月6日

自宅兼事務所に飾る美術品は、1点の取得価額が仕訳の区分を考える目安になります。ただし、価値が減らないことが明らかなものなどの例外があり、各制度にはそれぞれ適用条件があります。1点100万円未満の美術品は、価値が減らないことが明らかなものを除いて減価償却資産として扱われます。絵画が室内装飾品に当たり、フレームその他の主要構造部分が金属製でない場合、耐用年数は8年です。個人の家事関連費は、業務遂行上直接必要だったと明らかに区分できる金額に限り必要経費になります。1点100万円以上のものは、時の経過で価値が減ることが明らかなものを除き、原則として減価償却できません。[1,2,3,4]

金額で決まる仕訳の区分

1点の取得価額 処理 条件 気をつける点
10万円未満(法人) 少額の減価償却資産 使った年度に全額を損金経理する 一度資産に計上すると、後の年度にまとめて経費にできない [5]
20万円未満(法人) 一括償却資産 3年間で一括して償却する これを選ぶと中小企業者等の特例は使えない [5,6]
40万円未満(法人) 中小企業者等の特例 青色申告の中小企業者等で従業員400人以下(令和8年4月1日以後取得分。改正前は500人以下)、事業に使った年度に損金経理し、明細書を添付する 年300万円まで。令和8年4月1日より前の取得は30万円未満が基準。取得価額10万円未満のものと一括償却資産の制度を使うものは対象外 [6]
10万円以上40万円未満(個人の青色申告者) 必要経費に算入する特例 合計300万円まで 令和8年3月31日までの取得は30万円未満が基準 [7]
100万円未満 減価償却 室内装飾品に当たる場合、主として金属製のものは15年、その他のもの(絵画・陶磁器・金属製以外の彫刻など)は8年。金属製かどうかはフレームその他の主要構造部分の材質で判定する 価値が減らないことが明らかなものは除く [2,3,1]
100万円以上・古美術品 原則として減価償却しない 古美術品など価値が減らないものと、100万円以上のもの 時の経過で価値が減ることが明らかなものは除く。不特定多数が利用する場所の装飾・展示用など3つの要件を全て満たすものは減価償却資産になる [1,2]

個人事業主の場合も、1点100万円で線を引く基準は法人と同じです。個人で10万円未満・20万円未満の処理をどうするかは資料には書かれていないので、税務署か税理士に確かめてください。[8]

飾る場所と按分の判断

個人の家事関連費は、業務遂行上直接必要だったと明らかに区分できる金額に限り必要経費になります。[4]

[9]

この投稿者のように迷う場合は、飾る場所ごとに次の表で考えます。

飾る場所 個人事業主 法人(役員の自宅が事務所)
仕事部屋・打ち合わせ用の場所 業務に直接必要と分けられる部分が経費 エントランス・会議室・役員室などで展示する美術品は、通常、事業に使っていると考えられる。役員の自宅の仕事部屋に同じ判断が及ぶかは資料にない [4,2]
リビングなど家族と共用の場所 業務分をはっきり分けられなければ経費にできない 役員の個人的な費用を会社が負担したと判断される場合は、役員への経済的な利益に当たる [4,10]
仕事で使わない時期に保管している — 倉庫等に保管中でも、必要な維持管理が行われ、いつでも展示できる状態なら事業に使っていることになる [2]

法人の場合、もともと自分が持っていた絵を会社に売るときは値段に注意が要ります。絵の時価より高く会社が買い取ると、その差額は役員への経済的な利益になります。[10]

法人が事業年度の中途で取得して事業に使い始めた場合は、月数による按分があります。その事業年度の償却限度額は、全期間分を月数で按分した金額になります。[2]

仕訳の例

金額は×××で示します。法人で8年償却の絵画を買った場合の例です。

個人事業主の家事関連費は、業務遂行上直接必要だったと明らかに区分できる金額に限り必要経費になります。法人で、役員の個人的な費用を会社が負担したと判断される場合は、役員への経済的な利益に当たります。[4,10]

取得価額に入れるもの

10万円・40万円・100万円のどこに当たるかは、作品の本体価格だけでなく取得価額全体で判定します。

含めるもの 内容
額縁 普通は絵画の一部として取得価額に入る [2]
購入にかかった費用 引取運賃・荷役費・運送保険料・購入手数料・関税など [2]
飾るためにかかった費用 据付費など、事業に使うために直接かかった費用 [2]
消費税 税込経理なら税込、税抜経理なら税抜で判定する。免税事業者は税込 [7]

額縁は一般的に絵画の一部として取得価額に含まれます。彫刻が金属製かどうかは、主要な構造部分の材質で決めます。[2,3]

次にすること

判断の手がかりとして、次の項目を確認します。

よくある質問

Q. 平成27年より前に買った絵画は、今から減価償却できますか?

A. 平成27年より前に取得し、減価償却できない資産としていた美術品を判定し直して減価償却資産に変える場合は、平成27年1月1日以後最初に開始する事業年度から償却します。その年度に判定し直さなかったものは、以前と同じく減価償却できません。

Q. 平成27年より前に買った作品を判定し直すとき、中古資産の短い耐用年数を使えますか?

A. 平成27年より前に取得した美術品で資産区分を変更するものには、中古資産の耐用年数は使えません。

Q. 買ってしばらく資産に載せていた10万円未満の作品を、あとから一度に経費にできますか?

A. 法人の場合はできません。少額の減価償却資産は事業に使った年度に全額を損金経理した場合に限り損金になり、後の年度に一時に損金経理しても認められません。個人の場合の扱いは資料にありません。

参考資料

  1. 法人税基本通達 7-1-1(美術品等についての減価償却資産の判定)国税庁(国税庁掲載の現行通達(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_01_01.htm
  2. 国税庁「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」(FAQ本文は平成27年1月1日現在の法令・通達に基づく(FAQ自身の注記))https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/bijutsuhin_FAQ/index.htm
  3. 耐用年数の適用等に関する取扱通達 第2章第7節 器具及び備品 国税庁(国税庁掲載の現行通達(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sonota/700525/02/02_07.htm
  4. 国税庁タックスアンサー No.2210 必要経費の知識(所得税)(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
  5. 国税庁タックスアンサー No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5403.htm
  6. 国税庁タックスアンサー No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm
  7. 国税庁タックスアンサー No.2100 減価償却のあらまし(所得税)(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm
  8. 所得税基本通達 2-14(美術品等についての減価償却資産の判定)国税庁(国税庁掲載の現行通達(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/01/04.htm
  9. 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2020/10/8 9:20)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11232717701
  10. 法人税基本通達 9-2-9(債務の免除による利益その他の経済的な利益)国税庁(国税庁掲載の現行通達(2026-11-03取得))https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_02.htm

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