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個人の航空機リース、所得区分の注意点は契約の型で変わる

執筆・編集:ヘリコプター・小型機の購入リース・共同保有の事業者DB 編集部(運営 合同会社Radineer)/更新日 2026年11月6日

個人が航空機リースで得る所得は契約の型で区分が変わり、匿名組合の分配は原則として雑所得で、雑所得の損失は他の各種所得から控除できません。機体の貸付けによる所得は事業所得・譲渡所得に当たるものを除き不動産所得とされ、特定組合員に当たる個人の組合事業による不動産所得の損失は、損益通算等の適用上生じなかったものとみなされます。最初の作業は、手元の契約がどの型かを契約書で特定することです。[1,2,3,4]

個人の航空機リースは、所得区分を契約の型で分けて読む

「オペレーティングリース」や「航空機リース」は取引の呼び名で、この名前だけでは個人の所得区分が決まりません。営業者から利益の分配を受けるのか、組合の損益が自分に帰属するのか、機体の貸付けによる所得を得るのかで、当てはまる規定が別になります。[3,1]

個人向けの情報を探して、次のように書いた質問者もいます。

趣旨は、オペレーティングリースを調べても法人の話しか出てこない、というものです。[5]

この記事は個人の所得区分だけを扱い、法人の扱いは書いていません。法人向けの資料を読んだ方は、その説明を次の表に置き直して読んでください。

契約の型 個人の所得区分 損失について資料で言えること
匿名組合型 原則は雑所得。重要な業務執行の決定を行うなど営業者と共に経営していると認められる場合は、営業の内容に従い事業所得その他の所得 雑所得の損失は他の各種所得から控除できない [1,2]
任意組合型 組合の損益のうち分配割合に応じた金額が組合員のもの。航空機の貸付けによる所得は、事業所得・譲渡所得に当たるものを除き不動産所得 特定組合員に当たる個人の組合事業による不動産所得の損失は、生じなかったものとみなされる [1,3,4]
直接保有型 航空機の貸付けによる所得は、事業所得・譲渡所得に当たるものを除き不動産所得 資料に記載なし(後の確認項目を参照) [3]

匿名組合型の航空機リースは、個人だと雑所得になる点に注意

所得税基本通達36・37共−21により、匿名組合員が営業者から受ける利益の分配は原則として雑所得です。航空機の貸付けによる所得を不動産所得とする規定があっても、匿名組合員が営業者から受ける利益の分配は、この通達で原則として雑所得とされます。「航空機を貸す投資だから不動産所得」と読み替えないよう注意が要ります。[1,3]

雑所得の計算上生じた損失は、他の各種所得の金額から控除できません。本業の所得と損失を相殺する前提の試算は、匿名組合型で原則どおり雑所得になる場合、その前提が成り立ちません。「個人でも損益通算できる」という説明を受けたときは、どの型のどの所得区分についての話かを切り分けて読みます。[2]

雑所得の例外は、重要な業務執行の決定を行うなど、営業者と共に経営していると認められる場合です。通達の書き方は契約の題名ではなく、その人が経営にどう関わっているかに着目しています。[1]

雑所得と聞いて、仮想通貨の利益との相殺を尋ねた質問者もいます。

個人の質問者で、オペレーティングリースの損益は雑所得と聞き、仮想通貨の利益と相殺できるかを尋ねています。[5]

この質問からは、仮想通貨の利益の所得区分は分かりません。手元の資料で言えるのは「他の各種所得から控除できない」ところまでで、雑所得どうしの扱いは書かれていません。[5,2]

任意組合型の航空機リースは、個人の不動産所得の損失に注意

任意組合等の組合員の利益・損失は、組合の利益・損失のうち分配割合に応じた金額とされます。匿名組合員が分配を受ける形と違い、任意組合型では組合事業の損益が組合員に帰属し、自分の取り分は分配割合に応じた金額になります。[1]

ここで注意するのが特定組合員の規定です。不動産所得の損失のうち、一定の組合契約等に基づく事業から生じ特定組合員等に係るものは、生じなかったものとみなされ、損益通算できません。[2]

組合型の試算に不動産所得の赤字が並んでいても、一定の組合契約等に基づく事業から生じたもので特定組合員に当たれば、その損失は生じなかったものとみなされ、損益通算できません。試算を読むときは、赤字の金額より先に、自分が特定組合員に当たる前提かどうかを見ます。[2,4]

直接保有の航空機リースは、個人の所得区分と償却方法に注意

所得税法上、航空機の貸付けによる所得は、事業所得・譲渡所得に当たるものを除き不動産所得とされます。個人が機体を持って貸し付ける形は匿名組合の通達の場面とは別で、この条文から読み始めます。条文に「除き」とあるので、事業所得や譲渡所得に当たるものはこの区分から外れます。[3]

減価償却も、個人には個人の決まりがあります。個人の場合、償却方法の届出がなければ法定の償却方法で計算し、それは一般的に定額法です(平成19年3月31日以前取得は旧定額法)。[6]

「早期償却」をうたう試算では、前提の償却方法と届出の有無が読む箇所です。届出なしの法定の方法で計算した場合の数字と同じものかを見比べます。

個人が航空機リースの事業者を比べるときの注意と確認リスト

当サイトの事業者一覧で公式サイトを確認できた事業者は5件で、内訳は購入リース3件、共同保有1件、販売1件です。公式サイトが見られない・事業終了・処分歴などの1件は載せていません。次の表は2026-11-02確認時点の公式の記載で、変わることがあります。[7]

事業者(運営) 一覧の分類 最低金額・月額の公式記載 金融商品取引業の登録番号
ASL航空機節税(株式会社エアクラフトセールズ&リース) 購入リース/共同保有 一口当たりの価格:200万円(税別)(ユーロコプターEC120)。飛行機の最安はセネカPA34で一口当たりの価格:500万円(税別) 公式サイトに記載を確認できない [8]
PrivateSky(株式会社PrivateSky) 共同保有 シェア購入価格(税別)AS350:300万円(維持管理費 月額4万5,000円) 公式サイトに記載を確認できない [9]
Space Aviation Asset Solutions(Space Aviation株式会社) 購入リース 最小投資額 2000万円〜 個人法人可 公式サイトに記載を確認できない [10]
直接保有型航空機リース(株式会社ITCアエロリーシング) 購入リース この記事の資料に記載なし 公式サイトに記載を確認できない [11]
AirX 機体購入(株式会社AirX) 販売 この記事の資料に記載なし 公式サイトに記載を確認できない [12]

この表は一覧の分類と公式の記載を並べたもので、各社の契約の所得区分を示すものではありません。「個人法人可」も申し込める主体の記載で、所得区分の説明ではありません。投資の勧誘や推奨ではなく、特定の事業者を勧めるものでもありません。[10]

次の点は資料には書かれていないので、税理士に確かめる項目です。

面談や資料請求の場では、次の項目を手元で埋めていきます。

よくある質問

Q. 少額の減価償却資産なら、貸付け用でも一度に経費にできますか。

A. 令和4年4月1日以降に取得し貸付け(主要な業務としての貸付けを除く)に使う減価償却資産には、少額・一括償却・中小特例の即時経費化は適用されません。

Q. 登録番号の記載が確認できないとは、登録がないという意味ですか。

A. 当方が公式サイトで記載を確認できなかったという意味です。登録の有無や適法性を当方が判定したものではありません。

Q. 税理士に相談するとき、どの規定を示せば話が通じやすいですか。

A. 航空機の貸付けは所得税法上の不動産所得の扱い(事業所得・譲渡所得に当たるものを除く)、匿名組合の分配は所得税基本通達36・37共−21です。特定組合員の損失は租税特別措置法第41条の4の2で、所得税法第69条(損益通算)等の適用上生じなかったものとみなすと定めています。

参考資料

  1. 国税庁 所得税基本通達 36・37共−19〜21の2(組合員・匿名組合員の所得)(国税庁 法令解釈通達ページ(2026-11-03取得時点))https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/16.htm
  2. 国税庁タックスアンサー No.2250 損益通算(国税庁タックスアンサー[令和8年4月1日現在法令等])https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm
  3. 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)e-Gov法令API v2(第二十六条第一項)(e-Gov現行版(2026-10-01施行の改正反映))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/340AC0000000033?response_format=json
  4. 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)e-Gov法令API v2(第四十一条の四の二第一項)(e-Gov現行版(2026-11-01施行の改正反映))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/332AC0000000026?response_format=json
  5. 税理士ドットコム みんなの税務相談の投稿(2022年09月21日 16時34分)https://www.zeiri4.com/c_3/q_100158/
  6. 国税庁タックスアンサー No.2100 減価償却のあらまし(国税庁タックスアンサー[令和8年4月1日現在法令等])https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm
  7. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://radineer.asia/heli/
  8. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://asl-corp.co.jp/
  9. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://www.privatesky.co.jp/
  10. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://as.space-aviation.com/01/
  11. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://itca.co.jp/ja/
  12. 各事業者の公式サイト(2026-11-02確認)https://www.airx.co.jp/business/

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