エネファームと太陽光に蓄電池を追加する意味は?
執筆・編集:系統用蓄電池・蓄電池投資の事業者DB 編集部(運営 合同会社Radineer)/更新日 2026年11月6日
太陽光の買取期間が終わった後に、蓄電池などで家で使うか、契約して売り続けるかのどちらが得かは、電気料金、蓄電池の価格、買取メニューによって異なります。国の補助は基準額3.45万円/kWh・補助率3/10以内・上限60万円/申請で、購入価格と工事費の合計(税抜)が1kWhあたり12.5万円以下であることが要件です。蓄電池には災害時に使えるという面もあるため、電気代の差に加えて、停電への備えと補助の条件もあわせて考えます。[1,2]
減らせるのは残る買電だけ
蓄電池を使って家で使う電気を増やす方法は、太陽光の買取期間が終わった後の選択肢の一つとされています。[3]
国民生活センターも、余った電気を売るより自分の家で使う方が得だとは限らないとしています。蓄電池の効果を見積もるときは、減る買電と減る売電の両方を並べます。[3]
補助を当てた試算
国の家庭用蓄電システムの補助(SII)と東京都の助成を、1kWhあたりで計算しました。
| 項目 | 金額 | 式・根拠 |
|---|---|---|
| 国の補助を受けられる価格の上限(1kWh・税抜・工事費込み) | 12.5万円 | 2025年度目標価格 [2] |
| 国の補助の基準額(1kWh) | 3.45万円 | 補助率3/10以内、上限60万円/申請。実際に交付される額は確定していない [2] |
| 購入価格と工事費の合計が上限の12.5万円/kWhちょうどで、基準額どおりに交付されたと仮定した自己負担(1kWh・推測) | 9.05万円 | 12.5万円−3.45万円=9.05万円 |
| 基準額どおりに交付されたと仮定して上限60万円に届く初期実効容量(推測) | 約17.4kWh | 60万円÷3.45万円/kWh(初期実効容量あたり)=17.39…kWh [2] |
| 東京都の新設助成(1kWh・DR不参加) | 10万円 | 助成単価 [4] |
| 東京都の助成が上限120万円に届く容量(DR実証に参加しない場合) | 12kWh | 120万円÷10万円=12kWh [4] |
次の表は、買電が年1万円と年2万円の家について、蓄電池で買電がゼロになったと仮定した場合の削減額です。これが電気代を減らせる上限になります。
| 期間 | 買電が年1万円の家 | 買電が年2万円の家 |
|---|---|---|
| 1年 | 1万円×1年=1万円 | 2万円×1年=2万円 |
| 5年 | 1万円×5年=5万円 | 2万円×5年=10万円 |
| 10年 | 1万円×10年=10万円 | 2万円×10年=20万円 |
購入価格と工事費の合計が上限の12.5万円/kWhちょうどで、国の補助が基準額どおり交付されたと仮定すると、1kWh分の自己負担9.05万円は、買電が年2万円の家の9.05万円÷2万円=約4.5年分に当たります(推測)。必要な容量、工事費の実際の額、今のエネファームと一緒に動かせるかは資料にないので、見積もりで確かめます。
選べる道を、お金・条件・注意点で比べると次のとおりです。
| 選択肢 | お金の面 | 条件 | 注意点 | 相談先 |
|---|---|---|---|---|
| 追加しない | 追加の支出なし | なし | 停電への備えは今の設備のまま | 不要 |
| 国の補助で追加 | 基準額3.45万円/kWh、補助率3/10以内、上限60万円/申請 | 購入価格と工事費の合計(税抜)が12.5万円/kWh以下 | 12.5万円/kWhを上回ると申請できない | 見積もりを出す複数の販売店 [2] |
| 東京都の助成で追加 | 10万円/kWh(DR実証に参加しない場合の上限120万円/戸)、DR実証に参加すると+10万円/件の上乗せ | 太陽光が設置済みか同時設置(パネルがない場合は再エネ電力メニューに契約)、契約前に事前申込(受付開始は令和8年5月29日) | 現金で払った取引は助成の対象外 | 東京都環境局の案内 [4,5] |
| 訪問営業でその場で契約 | 契約後に他社の方が安いと分かったという相談がある | 長時間勧誘されてその場で契約したケースが目立つ | 「この値段は今日限り」と急かされる例が目立つ | 消費生活センター [1,3] |
東京都以外にお住まいの場合は、お住まいの都道府県や市区町村の制度を確かめてください。
家の状況ごとの判断
買電が年1〜2万円の家
太陽光3.5kWとエネファームの家で、シミュレーション上の買電は年1〜2万円しかなく、さらに蓄電池を入れる意味があるかを尋ねる投稿があります。[6]
この投稿の家で、蓄電池を入れたときに電気代がいくら減るかは、資料からは分かりません。参考として、年1〜2万円の買電が10年続いた場合の合計は10万〜20万円です。購入価格と工事費の合計が上限の12.5万円/kWhちょうどで、国の補助が基準額どおり交付されたと仮定した場合の自己負担は、1kWhあたり9.05万円です(推測)。必要な容量と見積額が分かった段階で、これらの数字と並べて判断します。
買取期間が終わる家
住宅用太陽光を決まった価格で買い取ってもらえる期間は10年で、2019年以降に順次終わっています。期間が終わった後は、蓄電池などを使って家で使う方法と、電力会社などと契約して売り続ける方法があります。どちらが得かは電気料金、蓄電池の価格、買取メニューで変わります。[3,1]
期間が終わった後の買取単価と、今の電気の購入単価を並べてから、蓄電池の見積もりと比べます。
停電に備えたい家
蓄電池には災害時に使えるという面もあり、お金に換算するだけで判断するのは難しい面もあるとされています。電気代で元が取れなくても、停電時に使いたい家電と使う時間がはっきりしている家は、その備えにいくら払うかで考えます。[1]
今の給湯器が壊れた家
エネファームの故障を機に、太陽光+蓄電池+エコキュートへの見直しを考えている投稿があります。[7]
この投稿の家は、太陽光とエネファームを11年使い、エネファームの故障をきっかけに組み合わせ全体を見直しています。蓄電池だけを足すか、お湯をつくる機器も替えるかで、比べる範囲が変わります。東京都の令和8年度予算案では、DR実証に参加する家庭向けに、エネファームとエコキュート等にも+8万円の上乗せがあります。[7,8]
契約前に押さえる点
家庭用蓄電池について消費生活センターに寄せられた相談は、2020年度に1,314件ありました。太陽光の無料点検で訪れた業者が、蓄電池を勧めるケースもあります。10年前に太陽光を付けた家で、150万円と聞いていたのにローン契約書の合計が約250万円だった事例も報告されています。[3,1]
国民生活センターは、その場で契約せず、複数の会社から見積もりを取って比べるよう助言しています。訪問販売で契約した場合は、法律で決められた申込書面または契約書面を受け取った日から数えて8日を過ぎるまで、書面か電磁的記録でクーリング・オフができます。契約した後に迷ったときは、消費生活センターに相談します。[3,9]
- □ 検針票で、1年間に電気を買った金額を出した
- □ 太陽光の買取期間がいつ終わるか分かっている
- □ 停電時に使いたい家電を書き出した
- □ 2社以上から、容量・工事費・エネファームとのつなぎ方が書かれた見積もりをもらった
- □ 見積額を容量で割り、1kWhあたり12.5万円(税抜・工事費込み)以下か計算した
- □ 東京都の助成を使う場合は、事前申込より前に契約していない[5]
よくある質問
Q. 国の補助はいつまで申し込めますか?
A. 申し込める期間は2026年3月24日〜12月10日です。予算に達すると、期間内でも受付が終わります。
Q. 補助を使って入れた蓄電池を、途中で外せますか?
A. 処分制限期間(法定耐用年数)の間は使い続ける必要があります。期間内に設備を処分するには事前の承認が必要で、補助金を返すことになる場合があります。
Q. すでにある蓄電池の容量を増やす場合も、助成はありますか?
A. 東京都の令和8年度では、今ある蓄電池に蓄電ユニットを増設すると6万円/kWhの助成があります。DR実証に参加しない場合の上限は72万円/戸です。
Q. 補助を使わずに付けた蓄電池でも、東京都の支援を受けられますか?
A. 資料で確認できたのは、すでに蓄電池などを設置している家庭が登録アグリゲーターのDR実証に参加すると、4,000ポイントが付与されるという点です。補助を使わずに付けた蓄電池が対象になるかは、東京都の案内で確かめてください。
参考資料
- 国民生活センター 報道発表資料(報告書本文PDF)「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」令和3年6月3日(2021-06-03(相談受付は2020〜2021年))https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20210603_2.pdf
- SII(経済産業省補助事業の執行団体)令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領 1.1版(2026年3月26日)(令和7年度補正(公募要領1.1版 2026-03-26))https://dr-battery.sii.or.jp/r7h/assets/doc/aggregator/R7r_dr_ess_kateiyoukouboyouryou.pdf
- 国民生活センター 報道発表「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月3日公表・6月8日更新)(2021-06-03公表(相談件数は2021-04-30までのPIO-NET登録分))https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210603_2.html
- 東京都 別紙2「令和8年度 助成メニュー」(災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)(令和8年度(2026-02-18公表・予算成立前提の資料))https://www.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tosei/20260218_05_02
- 東京都環境局 資料「助成金申請の流れ及び重要事項」令和8年4月版(令和8年4月版)https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/2026-06-29-095330-861
- 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2017/12/25 01:06)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10183777060
- 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2024/7/14 17:55)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11301081176
- 東京都 報道発表「家庭の蓄電池等の自動制御で再エネ活用を促進 上乗せ補助やポイント付与など支援策を強化」(2026年2月18日)(2026-02-18公表(令和8年度予算案))https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/02/2026021803
- 特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)e-Gov法令API v2(第二条第一項第一号)(e-Gov現行版(2026-11-03取得))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/351AC0000000057?response_format=json
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