蓄電池の飛び込み営業を断った後、自分で見積もりを取る手順
執筆・編集:系統用蓄電池・蓄電池投資の事業者DB 編集部(運営 合同会社Radineer)/更新日 2026年11月6日
飛び込み営業を断った後は、自分で複数社の見積もりを集めて比べる進め方があります。国民生活センターも、その場で契約せず、複数社から見積もりを取って比べるよう助言しています。届いた見積もりは、税抜の機器代と工事費の合計が、国の家庭用蓄電池補助の要件である2025年度目標価格12.5万円/kWh以下に収まっているかを確認します。国の補助は、基準額が初期実効容量1kWhあたり3.45万円、補助率は3/10以内、上限は1申請60万円です。[1,2]
見積もりの取り方を比べる
2016年4月〜2021年4月に登録された家庭用蓄電池の相談を販売形態別にみると、訪問販売が3,456件で最も多くなっています。電話勧誘販売は503件、店舗購入は142件です。断った後の選び方の例を3つ挙げます。[3]
| 取り方 | 比べられるもの | 国の補助との関係 | 公的な注意喚起との関係 |
|---|---|---|---|
| 訪問した会社の見積もりで決める | 1社の金額だけ | 交付決定の前に契約や支払いをすると対象外 | 「今日限り」と急かされ、その場で契約した相談が目立つ [2,1] |
| 訪問した会社も含めて複数社で比べる | 1kWhあたりの税抜総額 | 交付決定の前に契約も支払いもしない順番を組める | 国民生活センターの助言と同じ進め方 [2,1] |
| 今は買わず、売電を続ける | 買取メニューと電気料金 | 使わない | 自家消費の方が売電より得になるとは限らないとされる [1] |
1kWh単価で検算する
見積書を受け取ったら、国の補助の数字と照らし合わせます。国の補助の基準額は、初期実効容量1kWhあたりの金額で決められています。[2]
| 項目 | 金額 | 式 |
|---|---|---|
| 国の補助の基準額 | 3.45万円/kWh | 公募要領の値 [2] |
| 国の補助の上限 | 60万円/申請 | 公募要領の値 [2] |
| 国の補助の補助率 | 3/10以内 | 公募要領の値 [2] |
| 申請できる単価の上限 | 12.5万円/kWh(税抜・機器+工事) | 2025年度目標価格 [2] |
| 東京都の例:新設の助成(DR実証に参加しない場合) | 10万円/kWh・上限120万円/戸 | 120万円÷10万円/kWh=12kWhで上限 [4] |
比較の金額(税抜の機器代と工事費の合計)が12.5万円/kWhを上回ると、国の補助には申請できません。太陽光と一体型のパワコンで蓄電池の部分を分けられない場合は、その分を比較の金額から差し引けます。東京都では、令和8年度に蓄電池を新設・増設するときにDR実証に参加すると、1件あたり10万円が上乗せされます。[2,4]
ローンの金額も、口頭の説明と書面で照らし合わせます。ある相談事例では、150万円と聞いていたのに、ローン契約書の合計は約250万円でした。[3]
場面ごとの動き方
また訪問してきた
蓄電池の勧誘を断ったのに、数日後にまた来たという投稿があります。
(利用者の投稿より)[5]
訪問販売では、「契約しない」と伝えた人に業者が勧誘を続けることは認められていません。電力会社の関連会社を名乗って訪問する例もあります。[6,1]
点検や補助金を口実にされた
太陽光の無料点検で訪れた業者が、そのまま蓄電池を勧誘する例が報告されています。「市から委託された」と名乗る業者に「国の補助金で安くなる」と言われ、約200万円で契約した事例もあります。この事例では、後日来た工事担当者が「装置は壊れていない」と話しました。[1]
太陽光の点検商法の相談は、2022年度が154件、2023年度が304件、2024年度が613件でした。[7]
買取期間の満了で勧められた
住宅用太陽光の固定価格での買取期間は10年で、2019年以降に順次満了しています。満了後は、蓄電池を使った自家消費に切り替えるか、電力会社などとの自由契約で売電するかを選べます。どちらが得になるかは、電気料金、蓄電池の価格、買取メニューによって異なります。[1,3]
その場で署名していた
訪問販売では、法定の申込書面または契約書面を受け取った日から数えて8日を過ぎるまでは、書面か電磁的記録でクーリング・オフができます。効力は、通知を出した時点で生じます。契約した後で「他社の方が安かった」と分かったという相談もみられます。[6,3]
頼む前と頼んだ後の確認
- □ 見積もりの税抜総額(機器+工事)が12.5万円/kWh以下に収まるかを、各社に確かめた[2]
- □ 国の補助を使う場合、交付決定の前に契約も支払いもしていない[2]
- □ 国の補助の公募期間は2026年3月24日〜12月10日で、予算に達すると期間内でも締め切られることを、各社との日程に入れた[2]
- □ 補助を受け終えるにはDR契約への同意かDRメニューへの加入が要ることを、各社に伝えた[2]
- □ 補助で入れた設備は、処分制限期間(法定耐用年数)の間は使い続けると決めた[2]
- □ 東京都の例:契約の前に事前申込をした。「現金の受け渡し」による取引は助成の対象外[8]
- □ ローンを組む場合、口頭で聞いた金額と契約書の合計額を見比べた[3]
- □ メンテナンス費用の説明があったかを確かめた(10年毎のメンテナンス費用の説明がなかったという相談事例がある)[3]
東京都以外の自治体の助成は、お住まいの市区町村で確かめてください。
よくある質問
Q. 断った会社にもう一度見積もりを頼んでもよいですか。
A. 国民生活センターは、その場で契約せず複数社から見積もりを取って比べるよう助言しています。断った会社の見積もりを候補に含める場合も、ほかの会社と同じく、税抜総額(機器+工事)が12.5万円/kWh以下に収まるかを確かめます。上回ると国の補助には申請できません。ただし、これは申請の要件の一つで、収まっていても補助を使えるとは限りません。
Q. 「浮いた電気代でローンを払えるので実質負担なし」と言われました。
A. 15年ローンでこの説明を受けて契約した相談事例があります。ローンを支払い続けられるか不安だという相談もあり、国民生活センターは導入コストを十分に考えるよう求めています。
Q. 災害への備えが目的なら、多少高くても決めてよいですか。
A. 国民生活センターも、蓄電池には災害時に使えるという利点があり、お金の損得だけでは判断しにくい面があるとしています。その場合でも、1kWh単価の検算と複数社の比較は同じように使えます。
参考資料
- 国民生活センター 報道発表「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月3日公表・6月8日更新)(2021-06-03公表(相談件数は2021-04-30までのPIO-NET登録分))https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210603_2.html
- SII(経済産業省補助事業の執行団体)令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領 1.1版(2026年3月26日)(令和7年度補正(公募要領1.1版 2026-03-26))https://dr-battery.sii.or.jp/r7h/assets/doc/aggregator/R7r_dr_ess_kateiyoukouboyouryou.pdf
- 国民生活センター 報道発表資料(報告書本文PDF)「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」令和3年6月3日(2021-06-03(相談受付は2020〜2021年))https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20210603_2.pdf
- 東京都 別紙2「令和8年度 助成メニュー」(災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)(令和8年度(2026-02-18公表・予算成立前提の資料))https://www.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tosei/20260218_05_02
- 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2021/11/24 13:25)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11252969866
- 特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)e-Gov法令API v2(第二条第一項第一号)(e-Gov現行版(2026-11-03取得))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/351AC0000000057?response_format=json
- 国民生活センター 報道発表「太陽光発電システムの点検商法が急増!」(2025年6月4日公表・9月22日更新)(2025-06-04公表(件数は2025-03-31までのPIO-NET登録分))https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250604_1.html
- 東京都環境局 資料「助成金申請の流れ及び重要事項」令和8年4月版(令和8年4月版)https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/2026-06-29-095330-861
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