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太陽光・蓄電池セットの訪問販売、1kWあたり単価を割る

執筆・編集:系統用蓄電池・蓄電池投資の事業者DB 編集部(運営 合同会社Radineer)/更新日 2026年11月6日

ある訪問販売の見積もりを割ってみると、太陽光は459万円÷7.82kW=約58.7万円/kW、蓄電池は228万円÷12.7kWh=約18.0万円/kWhでした。国(SII)の令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業では、蓄電システムの購入価格と工事費の合計(税抜)が12.5万円/kWh以下であることが申請の要件です。ただし、この見積もりから割った単価に工事費が含まれるか、税込か税抜かは分からないため、そのまま要件と比べることはできません。同じ容量・同じ機器で複数社の見積もりを取り、内訳をそろえて比べます。[1,2,3]

見積もりを単価に割る

見積もりには、太陽光7.82kWが459万円、蓄電池12.7kWhが228万円と書かれていました。

(訪問販売の見積もりの例)[1]

この見積もりでは、値引き後の総額が600万円でした。セットの総額で提案・契約された例もあります。12.7kWhのハイブリッド全負荷型と太陽光4kWで370万円(税込)、太陽光7.52kWと蓄電池5kWhで500万円です。下の表では、例2と例3について、仮に蓄電池を国の目標価格(12.5万円/kWh)に置いた場合の計算をしています。目標価格は例2・例3の蓄電池の実際の価格ではないので、総額との差は太陽光の価格を示すものではありません。[1,4,5,2]

項目 式 結果
例1 太陽光の単価 459万円÷7.82kW 約58.7万円/kW
例1 蓄電池の単価 228万円÷12.7kWh 約18.0万円/kWh
例1 蓄電池を目標価格にした額 目標価格×容量 12.5万円×12.7kWh=158.75万円
例1 値引き前の合計と値引き額 太陽光+蓄電池、値引き後との差 459万円+228万円=687万円、459万円+228万円−600万円=87万円
例2 蓄電池を目標価格に置いた額 目標価格×容量 12.5万円×12.7kWh=158.75万円
例2 総額と仮の蓄電池額の差(太陽光の価格ではない) 総額−目標価格×容量 370万円−12.5万円×12.7kWh
例2 太陽光の単価 太陽光と蓄電池の金額が分かれていない この提案からは割れない。見積もりで金額を分けてもらう
例3 蓄電池を目標価格に置いた額 目標価格×容量 12.5万円×5kWh=62.5万円
例3 総額と仮の蓄電池額の差(太陽光の価格ではない) 総額−目標価格×容量 500万円−12.5万円×5kWh
例3 太陽光の単価 太陽光と蓄電池の金額が分かれていない この契約からは割れない。見積もりで金額を分けてもらう

目標価格は税抜です。例2は税込です。例1と例3は税込か税抜かを確認できていないため、比べるときは税の扱いをそろえます。太陽光の1kWあたりの相場は資料に無いので、相見積もりの単価と並べて確かめてください。

選べる道の比べ方

選択肢 費用の見え方 条件 気をつける点
その場で契約 事前にほかの会社の見積もりを取っていなければ、比べないまま決めることになる その日のうちに決める 「今日限り」と急かされたり、長時間勧誘されてその場で契約した相談が目立つ [3]
持ち帰って複数社で比べる kW単価とkWh単価を横に並べられる 容量・機器・工事内容をそろえる 後から他社のほうが安いと分かったという相談がある [6]
国の補助金を使う 基準額は初期実効容量1kWhあたり3.45万円(補助率3/10以内・上限60万円) 蓄電システムの購入価格と工事費の合計(税抜)が12.5万円/kWh以下、DR契約への同意など 交付決定の前に売買契約や支払いをすると対象外 [2]
契約後に取り消す クーリング・オフした場合、違約金は請求されない 法定の申込書面または契約書面を受け取った日から数えて8日を過ぎるまで 期間の起点は法定の申込書面または契約書面を受け取った日 [7]

補助金の条件と単価

国の事業は2026年3月24日〜12月10日が公募期間で、予算に達すると期間内でも受付が終わります。太陽光と一体のハイブリッド型パワコンで蓄電池部分を切り分けられない場合は、その分を比較金額から差し引けます。セットの見積もりでは、どこまでが蓄電池の金額かを書面で分けてもらってください。[2]

東京都の令和8年度の例では、蓄電池の新設に10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)が出ます。仮に例1の容量で要件を満たすとしても、10万円×12.7kWh=127万円となり、上限の120万円/戸を超える計算です。太陽光パネルが設置済みか同時に設置すること(パネルがない場合は再エネ電力メニューへの契約)が主な要件で、契約を結ぶ前に事前申込が必要です。お住まいの市区町村の制度もあわせて確かめてください。[8,9]

契約後8日の動き方

場面 ルール
自宅で営業を受けて結んだ契約 訪問販売に当たりうる [7]
取り消せる期間 法定の申込書面または契約書面を受け取った日から数えて8日を過ぎるまで。書面か電磁的記録で行う [7]
業者がクーリング・オフについてうそを言い、それを信じて8日を過ぎた 期間はその時点では終わらず、改めて書面を受け取った日から8日 [7]
通知の効力 出した時点で生じる。業者に届いた日ではない [7]
違約金・損害賠償 請求されない [7]
引き渡し済みの機器 引取り費用は販売業者が負担する [7]
工事で建物の現状が変わった 役務提供契約等では、原状回復を無償で求められる [7]
「契約しない」と伝えた後 業者は勧誘を続けてはならない [7]

8日は法定の申込書面または契約書面を受け取った日から数えるので、まずその書面を受け取った日を確かめます。契約書面・見積書・ローン契約書・業者の名刺をそろえて、消費生活センターに相談します。[7]

断る前の確認リスト

「安く契約できるのはあと2件」と急かされて太陽光と蓄電池を契約し、約330万円は高すぎるとしてクーリング・オフを考えた相談事例があります。飛び込み営業の「キャンペーン価格」で後付け契約し、後悔している例もあります。[6,5]

太陽光7.52kWと蓄電池5kWhを500万円で後付けした契約です。

(飛び込み営業で後付け契約した例)[5]

150万円と聞いていたのに、ローン契約書の合計は約250万円で、10年ごとのメンテナンス費用の説明もなかったという事例もあります。署名の前に、次の点を見積書で確かめます。[6]

よくある質問

Q. 浮いた電気代でローンが払えると言われました

A. 電力会社の関連会社を名乗る業者からそう説明され、15年ローンで契約した事例があります。ローンを払い続けられるか不安という相談もあり、国民生活センターは導入コストを十分に考えるよう求めています。

Q. 売電の期間が終わるので蓄電池が要ると言われました

A. 住宅用の固定価格での買取期間は10年で、終わった後は蓄電池での自家消費のほか、電力会社などとの自由契約で売る方法もあります。どちらが得かは電気料金・蓄電池の価格・買取メニューで変わり、自家消費のほうが得だとは限らないとされています。

Q. 無料点検に来た業者から勧められました

A. 太陽光発電設備の無料点検で訪問した業者が蓄電池を勧誘するケースもあります。「市から委託された」と訪問した業者の勧めで約200万円の蓄電池を契約し、後から装置は壊れていないと言われた事例もあります。

Q. 停電への備えは単価に含めて考えますか

A. 国民生活センターは、災害時に使えるといった利点もあり、経済的な価値に換算するだけでは判断しにくい面もあるとしています。

参考資料

  1. 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2026/8/12 13:03)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11330489806
  2. SII(経済産業省補助事業の執行団体)令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領 1.1版(2026年3月26日)(令和7年度補正(公募要領1.1版 2026-03-26))https://dr-battery.sii.or.jp/r7h/assets/doc/aggregator/R7r_dr_ess_kateiyoukouboyouryou.pdf
  3. 国民生活センター 報道発表「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月3日公表・6月8日更新)(2021-06-03公表(相談件数は2021-04-30までのPIO-NET登録分))https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210603_2.html
  4. 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2024/10/28 12:01)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13305962113
  5. 「Yahoo!知恵袋の投稿」(2025/2/24 17:49)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12311407097
  6. 国民生活センター 報道発表資料(報告書本文PDF)「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」令和3年6月3日(2021-06-03(相談受付は2020〜2021年))https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20210603_2.pdf
  7. 特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)e-Gov法令API v2(第二条第一項第一号)(e-Gov現行版(2026-11-03取得))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/351AC0000000057?response_format=json
  8. 東京都 別紙2「令和8年度 助成メニュー」(災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)(令和8年度(2026-02-18公表・予算成立前提の資料))https://www.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tosei/20260218_05_02
  9. 東京都環境局 資料「助成金申請の流れ及び重要事項」令和8年4月版(令和8年4月版)https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/2026-06-29-095330-861

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