犬にささみを与えても安全？与え方や適量、注意点を徹底解説【獣医師監修】

犬にささみを与えても大丈夫？

ささみを犬に与えることのメリット

ささみは低脂肪・高タンパク質の食材で、犬にとって消化吸収が良く栄養価が高いです。主な栄養素としてたんぱく質、必須脂肪酸、ビタミンB群などが含まれており、筋肉や皮膚の健康維持、免疫力アップなどに役立ちます。また、低カロリーなのでダイエットフードとしても適しています。おやつやご褒美、手作り食の材料に最適な食材と言えるでしょう。

適切な与え方と注意点

ささみを犬に与える際は、生では与えずに必ず加熱調理したものを与える必要があります。生のままだと細菌に汚染されている可能性があり、食中毒の危険があるためです。また、1日の与える量は犬の体重に応じて控えめにすることが大切です。適量を超えると肥満の原因となり、腎臓への負担も高くなります。

年齢や体調による注意点

• 子犬には消化不良を起こしやすいため、1歳を過ぎてから与えるのが望ましいです
• 高齢犬は食欲不振になりがちなので、ささみを活用するとよいでしょう
• 腎臓病の犬にはリン含有量が高いため、獣医師に相談が必要です
• 鶏肉アレルギーのある犬には与えないようにしましょう
• 食欲不振時には、ささみのゆで汁をかけるとよく食べる場合があります

ささみの種類と与え方

ささみとは

ささみとは鶏の胸肉の内側にある小胸筋、または深胸筋と呼ばれる部分で、翼を上げるための筋肉のことです。脂肪がほとんどなく、たんぱく質が豊富な低カロリー食材なので、愛犬のおやつやフードのトッピングに最適です。ドッグフードの原料としても広く使われています。

ささみの与え方

ささみは生では与えず、必ず加熱調理してから与える必要があります。生肉には細菌による食中毒のリスクがあるためです。簡単な茹で方は、鍋に湯を沸かしてささみを入れ、弱火で10分ほど茹でるだけです。レンジ加熱も手軽な調理方法の一つです。加熱後はささみの中心部まで火が通っているか確認しましょう。

ささみ1本(約60kcal)が小型犬の1日の適量目安

ささみの種類と選び方

• 人間用のささみを選ぶのが安全です
• 冷凍ささみは新鮮なものを選びましょう
• 犬用のふりかけやチップスなどの加工品も便利
• 賞味期限や製造元をよく確認する
• サルモネラ菌汚染に注意が必要

子犬や高齢犬へのささみの与え方

概要 – 年齢に合わせた与え方が重要

子犬や高齢犬にささみを与える際は、年齢に合わせた適切な量と調理法を守ることが大切です。消化機能が未発達な子犬には、消化負担をかけすぎないよう少量から始めましょう。一方、高齢犬の場合は消化力の低下に配慮し、柔らかく下ごしらえすることをおすすめします。また、両者ともカロリーや栄養バランスを考慮し、主食の一部としてではなく、おやつ程度の扱いが無難です。

具体例 – 子犬への与え方

生後2ヶ月の子犬の場合、1日に与えるささみの量は体重の1~2%程度が目安とされます。例えば体重3kgの子犬なら、30~60gがささみの適量です。消化負担を軽くするため、ささみは細かく刻んでおきましょう。与える際は主食とは別に、おやつ感覚で少しずつ与えるのが賢明です。子犬期は大切な成長段階なので、過剰な与え過ぎには注意が必要です。

高齢犬への与え方

• 消化を助けるため、ささみはよく火を通して柔らかく調理する
• カロリー控えめで、主食に混ぜるよりもおやつ程度の量が適切
• ささみの他に、高齢犬用の栄養補助食品も組み合わせる
• 与える際は一度に大量ではなく、少量を数回に分けて与える
• 水分補給にも気をつける

ささみに含まれる栄養素

高たんぱく質でダイエットにも最適

ささみは鶏肉の中でもたんぱく質が最も多く含まれている部位です。100gあたり約21gのたんぱく質が含まれており、筋肉の維持・増強に役立ちます。また、脂質が少ないため低カロリーでダイエットにも適した食材となっています。犬の健康的な体作りのためにささみを上手に活用することをおすすめします。

栄養バランスに優れた食材

ささみには、たんぱく質だけでなく、ビタミンB群、ビタミンA、カリウム、リンなどの栄養素が含まれています。これらのビタミンやミネラルは、皮膚や粘膜の健康維持、神経や筋肉の機能維持、エネルギー代謝の促進など、愛犬の健康維持に欠かせない働きをします。手作りご飯の材料としてささみを使うことで栄養バランスの良い食事を与えることができます。

ささみ100gあたりのカロリーは約114kcalと低カロリー

各栄養素の詳細と機能

• たんぱく質: 筋肉形成、皮膚・毛並みの健康維持
• 脂質: エネルギー源、必須脂肪酸を含む
• リン: 歯や骨の形成、神経・筋肉の機能維持
• カリウム: 筋肉の収縮、血圧調整
• ビタミンB群: 疲労回復、肥満防止、エネルギー代謝

犬にささみを与えるメリット

たんぱく質が豊富で健康的な成長をサポート

ささみには優れたたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は筋肉の形成や皮膚・毛並みの健康維持に欠かせない栄養素です。特にわんちゃんの成長期には十分なたんぱく質の摂取が重要で、ささみはその補給源として最適な食材といえます。ささみのたんぱく質を規則正しく与えることで、健康的な体つきと活発な運動能力を育むことができます。

低カロリーで肥満予防に役立つ

ささみは脂肪が少なく低カロリーな食材です。一般的な赤身の肉と比べても、ささみは約半分のカロリーしかありません。100gあたりのカロリーが約114kcalと控えめなので、肥満気味のわんちゃんにおすすめです。カロリーコントロールしながら、たんぱく質を補給できるのがメリットです。手作りのおやつやトッピングにささみを使えば、おいしく満足感も得られます。

消化がよく食が進む

• ささみは筋肉の部分なので脂身が少ない
• 繊維質が少なく、消化が良好
• 嗜好性が高く、食欲がない時でも食べやすい
• 柔らかい食感で噛みやすい
• アレルギー反応が起きにくい食材

ささみの適量と注意点

ささみの適量について

ささみは低カロリーで高たんぱく質なので、犬のおやつやフードのトッピングとして適しています。しかし、食べ過ぎると肥満の原因となるため、与える量には注意が必要です。一般的に、ささみは1日の総カロリー必要量の10%以内が適量とされています。これを犬の体重別に換算すると、小型犬(3-9kg)で1/3本から1本程度、中型犬(10-25kg)で1本から2本程度、大型犬(26kg以上)で2本から3本程度が目安となります。ただし、個体差もあるので、肥満気味の犬には更に控えめにする必要があります。

ささみの与え方

ささみは生では与えず、必ず加熱して与える必要があります。生肉は細菌に汚染されている可能性が高く、カンピロバクター属菌による食中毒の危険があります。茹でる場合は弱火で10分ほど加熱し、中までしっかり火を通すことが重要です。レンジ加熱の場合は、ラップをして600Wで2分加熱後、ラップをかけたまま余熱で火を通すのがおすすめです。ささみの中心部の温度が75℃以上になっていることを確認しましょう。

過剰摂取への注意

• ささみにはリンが多く含まれているため、過剰摂取は腎臓に負担をかける
• 特に腎不全の犬には注意が必要
• リンの排泄が上手くできず、血中リン値が上がる
• 体がカルシウムを骨から取り出すため、骨が脆くなる恐れ
• 腎不全の犬にはあらかじめ獣医師に相談する

まとめ

ささみの栄養と健康効果

ささみは鶏の胸肉の一部で、たんぱく質が豊富で脂肪が少ない低カロリーの食材です。犬にとってたんぱく質は筋肉や皮膚の健康維持に欠かせず、低カロリーなのでダイエットにも適しています。ささみには必須アミノ酸や必須脂肪酸、ビタミンB群などの栄養素も含まれ、健康的な体つくりをサポートします。

適切な与え方と注意点

ささみを犬に与える際は、まず生では与えずに必ず中までしっかり火を通す必要があります。生肉は細菌に汚染されている可能性が高いためです。1日の与える量は犬の体重に応じて、1日の必要カロリーの10%以下が目安です。与えすぎるとリンの過剰摂取で腎臓に負担がかかる可能性があります。

腎臓病の犬には特に注意が必要で、獣医師に相談することが賢明です。

アレルギーや有害物質への注意

• 鶏肉にアレルギーのある犬にはささみを与えないよう注意が必要です。
• 2019年には国産のささみジャーキーでサルモネラ菌の汚染事故がありました。
• おやつなどを与える際は、メーカーの情報をよく確認しましょう。
• ささみを与えた後、下痢や嘔吐などの症状が出た場合は獣医師に相談しましょう。
• 胸肉も低カロリー高たんぱくなので、ささみの代用品として使えます。