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AIが「建設・運送・医師は今も残業上限の対象外・トラック運転手は年720時間・勤務医は無制限」と答える2026|労基法139〜142条の猶予は2024年3月31日で終了・運転は年960時間・特定医師は月100時間未満

労働基準法第139条〜第142条の時間外上限の猶予は2024年3月31日で終了しました。残る特例は災害復旧の建設事業、運転業務の年960時間、特定医師の月100時間未満・年960時間です。条文で確認します。

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建設会社や運送会社、病院の労務担当者がAIに聞くと「建設業と運送業と医師は、今も残業の上限規制の対象外です」「トラック運転手の時間外労働は年720時間までです」と答えることがあります。どちらも、現在の条文とは合っていません。猶予の多くは2024年3月31日で終わり、残っている特例は業種ごとに中身が違います。

この記事では、労働基準法第139条から第142条を中心に、第36条第5項・第6項・第11項、第119条、第141条第5項と、労働基準法施行規則第69条から第69条の5、医療法第113条・第128条を条文で確認します。36協定の上限の基本は36協定の上限の記事、災害時の時間外労働は第33条の記事で扱っています。

結論:確認できる7つのこと

  • 建設事業・自動車運転の業務・医師・鹿児島県と沖縄県の砂糖製造の「上限規制を適用しない」猶予は、2024年3月31日までと条文に書かれています(第139条第2項・第140条第2項・第141条第4項・第142条)。
  • 建設事業は、災害時の復旧・復興の事業に限り、月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内の要件が「当分の間」かかりません。年720時間の上限はかかります(第139条第1項)。
  • 自動車運転の業務は、「当分の間」、臨時的な特別の事情がある場合の年の上限が960時間です。月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内の要件と、月45時間を超えられるのは年6か月までという制限はかかりません(第140条第1項)。
  • 対象の運転業務は、タクシー・トラック・乗合バス・貸切バスのほか、四輪以上の自動車の運転の業務です(施行規則第69条第2項)。
  • 医師の特例の対象は「特定医師」です。病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院で勤務し、診療を直接の目的とする業務を行う医師に限られます(施行規則第69条の2)。
  • 特定医師の労働基準法上の上限は、月100時間未満・年960時間です。面接指導が行われ、必要な措置が講じられた特定医師は、月100時間未満の部分がなく年960時間だけになります(施行規則第69条の4・第69条の5)。これを超えて働かせると、第141条第5項で6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
  • 新技術・新商品などの研究開発の業務は、猶予ではなく第36条第11項で限度時間などが適用されません。この項に期限の定めはありません。

条文を確認する

労働基準法第36条第5項・第6項(上限の原則)

第5項は、通常予見できない業務量の大幅な増加などで臨時的に限度時間を超える必要がある場合に、36協定で定められる時間の範囲を決めています。月は休日労働を含めて100時間未満、年は720時間以内です。あわせて、月45時間を超えられる月数を年6か月以内で定めなければなりません。

使用者は、第一項の協定で定めるところによつて労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であつても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。一 坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、一日について労働時間を延長して労働させた時間 二時間を超えないこと。二 一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間 百時間未満であること。三 対象期間の初日から一箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の一箇月、二箇月、三箇月、四箇月及び五箇月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の一箇月当たりの平均時間 八十時間を超えないこと。

第6項は協定の内容ではなく、実際に働かせた時間の要件です。第2号が月100時間未満、第3号が2〜6か月の平均80時間以内です。各業種の特例で「第6項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定は適用しない」と書かれているのは、この2つを外すという意味です。第6項の違反は第119条第1号で、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。

労働基準法第139条(建設事業)

工作物の建設の事業(災害時における復旧及び復興の事業に限る。)その他これに関連する事業として厚生労働省令で定める事業に関する第三十六条の規定の適用については、当分の間、同条第五項中「時間(第二項第四号に関して協定した時間を含め百時間未満の範囲内に限る。)」とあるのは「時間」と、「同号」とあるのは「第二項第四号」とし、同条第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は適用しない。
前項の規定にかかわらず、工作物の建設の事業その他これに関連する事業として厚生労働省令で定める事業については、令和六年三月三十一日(同日及びその翌日を含む期間を定めている第三十六条第一項の協定に関しては、当該協定に定める期間の初日から起算して一年を経過する日)までの間、同条第二項第四号中「一箇月及び」とあるのは、「一日を超え三箇月以内の範囲で前項の協定をする使用者及び労働組合若しくは労働者の過半数を代表する者が定める期間並びに」とし、同条第三項から第五項まで及び第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は適用しない。

第2項が、建設事業全体を上限規制の対象から外していた猶予です。期限は令和6年(2024年)3月31日です。2024年3月31日とその翌日を含む期間の協定は、その協定の初日から1年を経過する日までが猶予でした。第1項は期限のない「当分の間」の特例ですが、対象は災害時の復旧・復興の事業に限られています。

施行規則第69条第1項は、第139条の対象事業を別表第一第3号の事業、主たる事業が建設事業である企業の事業場、建設事業に関連する交通誘導警備の業務の警備事業としています。

労働基準法第140条(自動車運転の業務)

一般乗用旅客自動車運送事業(道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第三条第一号ハに規定する一般乗用旅客自動車運送事業をいう。)の業務、貨物自動車運送事業(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)第二条第一項に規定する貨物自動車運送事業をいう。)の業務その他の自動車の運転の業務として厚生労働省令で定める業務に関する第三十六条の規定の適用については、当分の間、同条第五項中(中略)とあるのは、「時間並びに一年について労働時間を延長して労働させることができる時間(第二項第四号に関して協定した時間を含め九百六十時間を超えない範囲内に限る。)を定めることができる」とし、同条第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は適用しない。

第5項の読み替えで、年の上限が720時間から960時間になります。読み替え後の文には「百時間未満」の限定と、月45時間を超えられる月数を年6か月以内で定める部分がありません。第6項の第2号・第3号も適用されません。第2項の猶予は建設事業と同じ形で、期限は2024年3月31日です。

法第百四十条第一項の厚生労働省令で定める業務は、一般乗用旅客自動車運送事業の業務、貨物自動車運送事業(中略)の業務、一般乗合旅客自動車運送事業(中略)の業務、一般貸切旅客自動車運送事業(中略)の業務その他四輪以上の自動車の運転の業務とする。

施行規則第69条第2項です。タクシー、トラック、乗合バス、貸切バスに加えて「その他四輪以上の自動車の運転の業務」が対象です。

労働基準法第141条(医師)

医業に従事する医師(医療提供体制の確保に必要な者として厚生労働省令で定める者に限る。)に関する第三十六条の規定の適用については、当分の間、同条第二項第四号中「における一日、一箇月及び一年のそれぞれの期間について」とあるのは「における」とし、同条第三項中「限度時間」とあるのは「限度時間並びに労働者の健康及び福祉を勘案して厚生労働省令で定める時間」とし、同条第五項及び第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は適用しない。
使用者は、第一項の場合において、第三十六条第一項の協定で定めるところによつて労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であつても、同条第六項に定める要件並びに労働者の健康及び福祉を勘案して厚生労働省令で定める時間を超えて労働させてはならない。
第三項の規定に違反した者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。

第1項で第36条第5項と第6項第2号・第3号を外す代わりに、第2項と第3項で医師向けの上限を省令に委ねています。第3項が実際に働かせる時間の上限で、第5項に罰則があります。第4項の猶予は2024年3月31日までです。

施行規則の定めは次のとおりです。

  • 第69条の2:対象は、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院で勤務する医師です。診療を直接の目的とする業務を行わない者は除かれます。条文はこれを「特定医師」と呼びます。
  • 第69条の3第5項:読み替え後の第36条第3項の「厚生労働省令で定める時間」は、月45時間・年360時間です。通常の限度時間と同じ数字です。
  • 第69条の4:第141条第2項の協定で定められる時間は、月100時間未満・年960時間です。協定に面接指導などの事項を定めた場合は、ただし書で年960時間だけになります。
  • 第69条の5:第141条第3項の上限は、月100時間未満・年960時間です。面接指導が行われ、必要な措置が講じられた特定医師は、ただし書で月100時間未満の部分がなくなり、年960時間だけになります。

年960時間を超える水準は、労働基準法本体ではなく医療法の側にあります。医療法第128条は、都道府県知事が指定した特定地域医療提供機関(第113条)などで業務に従事する医師について、第141条第2項・第3項を読み替えて適用すると定めています。指定には労働時間短縮計画の案の添付や面接指導の体制などの要件があります(第113条第2項・第3項)。

労働基準法第142条(砂糖製造)

鹿児島県及び沖縄県における砂糖を製造する事業に関する第三十六条の規定の適用については、令和六年三月三十一日(中略)までの間、同条第五項中「時間(第二項第四号に関して協定した時間を含め百時間未満の範囲内に限る。)」とあるのは「時間」と、「同号」とあるのは「第二項第四号」とし、同条第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は適用しない。

この条文には「当分の間」の部分がありません。2024年3月31日で終わる猶予だけです。

労働基準法第36条第11項(研究開発業務)

第三項から第五項まで及び第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務については適用しない。

附則の猶予ではなく本則の規定で、期限の定めがありません。

業種別に表で比べる

対象2024年3月31日までの猶予2024年4月1日以降根拠
建設事業(一般)上限規制の適用なし一般の業種と同じ(月100時間未満・年720時間・2〜6か月平均80時間以内・45時間超は年6か月まで)第139条第2項
建設事業(災害時の復旧・復興)同上年720時間はかかる。月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内はかからない第139条第1項
自動車運転の業務上限規制の適用なし臨時的な特別の事情がある場合は年960時間。月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内・45時間超は年6か月までの制限はかからない第140条第1項、施行規則第69条第2項
特定医師上限規制の適用なし月100時間未満・年960時間。面接指導と措置があれば年960時間だけ(月の要件なし)。指定機関の医師は医療法第128条で読み替え第141条、施行規則第69条の2〜第69条の5
鹿児島県・沖縄県の砂糖製造月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内の適用なし一般の業種と同じ第142条
研究開発業務猶予ではない限度時間・第5項・第6項第2号・第3号は適用されない。期限なし第36条第11項

限度時間(月45時間・年360時間)は、どの業種でも36協定の原則として残ります。第140条と第141条の読み替えも、第3項の限度時間そのものは外していません。

AIが取り違えやすい7つの答え

1. 「建設業・運送業・医師は、今も残業の上限規制の対象外」

対象外だったのは第139条第2項・第140条第2項・第141条第4項・第142条の猶予で、いずれも期限は令和6年3月31日です。2024年4月1日以降は、業種ごとに中身の違う特例が残っているだけです。協定が2024年3月31日とその翌日を含む期間を定めていた場合に限り、協定の初日から1年を経過する日まで猶予が延びていました。

2. 「2024年4月からは、建設業も一般の業種とまったく同じ」

一般の建設事業はそのとおりです。ただし災害時の復旧・復興の事業は、第139条第1項で月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内の要件がかかりません。年720時間の上限は残ります。対象事業の範囲は施行規則第69条第1項で、建設に関連する交通誘導警備の業務も含まれます。

3. 「トラック運転手の時間外労働は年720時間まで」

第140条第1項の読み替えで、年の上限は960時間です。読み替え後の第5項には「百時間未満」の限定がなく、第6項第2号・第3号も適用されません。月45時間を超えられる月数を年6か月以内で定める部分も、読み替え後の文にはありません。

一方で、限度時間の月45時間・年360時間は第3項のまま残ります。年960時間は臨時的な特別の事情がある場合の上限です。

4. 「年960時間の特例はタクシーとトラックだけ」

施行規則第69条第2項は、タクシー、トラック、乗合バス、貸切バスに加えて「その他四輪以上の自動車の運転の業務」を対象にしています。事業の種類ではなく、運転の業務かどうかで決まります。

5. 「医師は全員、上限規制の対象外」

第141条の対象は特定医師です。施行規則第69条の2で、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院で勤務し、診療を直接の目的とする業務を行う医師に限られます。診療を行わない医師は、一般の労働者と同じ第36条の上限です。

6. 「勤務医は何時間でも働かせてよい」

特定医師の上限は施行規則第69条の5で、月100時間未満・年960時間です。面接指導が行われ、必要な措置が講じられた特定医師は、月の要件がなく年960時間だけです。これを超える水準は、医療法第113条などの指定を受けた機関の医師について医療法第128条で読み替えて適用されるもので、指定なしには使えません。

7. 「医師の上限を超えても罰則はない」

第141条第3項の違反は、同条第5項で6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。第36条第6項の違反は第119条第1号で、同じ重さの罰則です。

状況別の整理

状況条文上の扱い
一般の建設工事で、月110時間の時間外労働第36条第6項第2号の違反(月100時間未満)。第139条第1項は災害時の復旧・復興に限る
災害時の復旧工事で、月110時間の時間外労働第139条第1項で月100時間未満の要件はかからない。年720時間は超えられない
トラック運転手で、年900時間の時間外労働第140条第1項の年960時間以内。協定で臨時的な特別の事情を定めていることが前提
トラック運転手で、年1,000時間の時間外労働年960時間を超える。第140条第1項の読み替え後の第5項の範囲外
運送会社の事務職員運転の業務ではない。一般の上限(月100時間未満・年720時間など)
診療を行う勤務医で、年1,000時間施行規則第69条の5の年960時間を超える。医療法第128条の読み替えの対象機関でなければ第141条第3項の違反
産業医として診療を行わない医師特定医師ではない。一般の第36条の上限
新商品の研究開発に従事する社員第36条第11項で限度時間などが適用されない。猶予ではないので期限もない

管理監督者など第41条の適用除外は第41条の記事、月60時間を超える部分の割増率は割増率の記事で確認できます。

実務で確かめる順番

  1. 事業場の事業が施行規則第69条第1項の建設事業か、労働者の業務が同条第2項の運転の業務か、医師が第69条の2の特定医師かを確認する
  2. 建設事業なら、災害時の復旧・復興の事業に当たるかを工事ごとに分ける
  3. 36協定の対象期間と、限度時間(月45時間・年360時間)を超える場合の臨時的な特別の事情の定めを確認する
  4. 運転の業務は年960時間、特定医師は月100時間未満・年960時間を、協定と実績の両方で照合する
  5. 特定医師を含む協定は、施行規則第70条の様式(第9号の4または第9号の5)で届け出ているかを確認する
  6. 年960時間を超える医師がいる場合は、医療法第113条などの指定の有無を確認する
  7. 判断に迷う点は、労働基準監督署に確認する

AIに確認させるときの手順

  1. 業種、労働者の業務の内容、協定の対象期間、確認したい年月をそろえて渡す
  2. 第36条第3項から第6項と、第139条から第142条の原文を貼り、「この条文に当てはめて」と指定する
  3. 「猶予が終わっているか」と「残っている特例の中身」を別々に答えさせる
  4. 時間数を答えたら、第36条第5項のどの文言をどう読み替えたかを書かせる
  5. 施行規則の条番号を挙げたら、e-Gov法令検索で原文を確認する

条文の当てはめの下書きには、ChatGPTやClaudeのような対話型AIも使えます。その場合も、条文番号と文言は原文で確かめてください。

まとめ

  • 建設・運転・医師・砂糖製造の上限規制の猶予は、2024年3月31日までと条文に書かれています。
  • 残っている特例は、災害時の復旧・復興の建設事業(年720時間は適用)、運転の業務(年960時間)、特定医師(月100時間未満・年960時間)です。
  • 限度時間の月45時間・年360時間は、どの業種でも残ります。
  • 特定医師の上限を超えると、第141条第5項の罰則があります。

出典:労働基準法 第36条・第119条・第139条・第140条・第141条・第142条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 )、労働基準法施行規則 第69条・第69条の2・第69条の3・第69条の4・第69条の5・第70条(https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023 )、医療法 第113条・第128条(https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 )。条文は2026年11月4日にe-Gov法令検索API v2で取得した現行の本文です。個別の事案は、労働基準監督署または専門家に確認してください。

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執筆・監修

AI Scout編集部

AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。

公開日: 2026年11月4日
最終更新: 2026年11月4日