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AIが36協定の上限に休日労働を足し間違える2026|月45時間・月100時間未満・2〜6か月平均80時間を取り違えないための5つの手順

AIに残業時間の上限チェックをさせると、休日労働を足す上限と足さない上限を混ぜることがあります。月45時間・年720時間は時間外のみ、月100時間未満と2〜6か月平均80時間は休日労働を含めます。5つの手順を解説します。

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「今月の残業時間が36協定の上限を超えていないか確認してください」。AIにこう頼むと、休日に働いた時間も残業時間に足して「月45時間を超えています」と答えることがあります。逆に、休日労働を足さずに「2か月平均80時間以内なので問題ありません」と答えることもあります。

労働基準法の上限規制には、休日労働を含めない上限と、含める上限の2種類があります。AIはこの区別を落としやすく、1つの合計値ですべての上限を判定してしまいます。

この記事では、AIが上限の数え方を取り違える原因と、ずれが出る場面、AIに正しくチェックさせる5つの手順をまとめます。

時間外労働の上限規制の基本

労働基準法第36条に沿って、上限を「何を数えるか」で整理します。

上限数える時間内容
原則の上限時間外労働のみ月45時間・年360時間
特別条項の年間上限時間外労働のみ年720時間以内
月45時間を超える回数時間外労働のみ年6か月まで
単月の上限時間外労働+休日労働月100時間未満
複数月の平均時間外労働+休日労働2〜6か月のどの平均も80時間以内

ここでいう時間外労働は、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時間です。休日労働は、法定休日(週1日または4週4日)に働いた時間です。月100時間未満と2〜6か月平均80時間は、特別条項の有無にかかわらず守る必要があります。

AIが取り違える3つの原因

原因1:「残業時間」を1つの数字で扱う

勤怠システムの画面では、時間外と休日労働が並んで表示されることが多いです。AIは両方を足した「残業合計」を作り、すべての上限と比べてしまいます。すると、月45時間や年720時間の判定が厳しくなりすぎます。

原因2:法定休日と所定休日を区別しない

週休2日の会社では、休日の1日は法定休日で、もう1日は会社が決めた所定休日です。所定休日に働いた時間は、週40時間を超えれば休日労働ではなく時間外労働になります。AIは「休日に働いた時間」をすべて休日労働として扱いがちです。

原因3:「未満」と「以内」、平均の範囲を読み落とす

単月の上限は100時間「未満」なので、ちょうど100時間は違反です。平均80時間は「以内」です。また、平均は直近2か月だけでなく、2・3・4・5・6か月のすべての平均で確認します。AIは2か月平均だけを見て終わることがあります。

ずれが出る4つの場面

以下の時間は、仕組みを説明するための仮の数字です。実際の判定は、自社の勤怠記録と36協定の内容で確認してください。

場面1:休日労働を足して月45時間超と判定する

時間外労働が40時間、法定休日の労働が16時間の月があるとします。月45時間の判定は時間外だけで行うため、40時間で上限内です。AIが56時間と足すと、上限を超えたと誤って判定し、年6回の回数も1回多く数えます。

場面2:休日労働を足さずに平均80時間以内と判定する

2か月続けて、時間外労働が70時間、法定休日の労働が15時間だったとします。平均の判定は合計の85時間で行うため、80時間を超えて違反です。AIが時間外の70時間だけで平均を出すと、問題なしと答えてしまいます。

場面3:所定休日の労働を休日労働に入れる

日曜が法定休日の会社で、土曜に8時間働いた週があるとします。その週の労働時間が40時間を超えていれば、土曜の労働は時間外労働です。AIが休日労働に分類すると、月45時間や年720時間の集計から漏れます。

場面4:ちょうど100時間を上限内と判定する

時間外と休日労働の合計が、ちょうど100時間の月があるとします。上限は100時間未満のため、この月は違反です。AIが「100時間以内」と読み替えると、見逃します。

AIに正しくチェックさせる5つの手順

手順1:時間外と休日労働を分けて渡す

勤怠データは「法定時間外」「法定休日労働」の2列に分けて渡します。合計値だけを渡すと、AIは上限ごとの数え方を選べません。所定休日の労働は、週40時間を超えた分を時間外の列に入れます。

手順2:法定休日の曜日を指示に書く

「法定休日は日曜、土曜は所定休日」のように明記します。就業規則で法定休日を決めていない場合は、社内の運用を確認してから渡します。曜日が分からないと、AIは休日の分類を推測で決めます。

手順3:上限ごとに数える時間を定義する

「月45時間・年720時間・年6回は時間外のみ」「月100時間未満と2〜6か月平均80時間は時間外+休日労働」と、表の形で指示します。100時間は「未満」、80時間は「以内」であることも書きます。

手順4:平均は2〜6か月すべてを出させる

直近の月から見て、2か月・3か月・4か月・5か月・6か月の平均を1つずつ出させます。1つでも80時間を超えたら違反です。年度をまたぐ期間も対象になるため、前年度の記録も渡します。

手順5:判定表を出させて自分で検算する

月ごとに「時間外」「休日労働」「合計」「各上限の判定」を1行ずつ出させます。自社の36協定で定めた時間が法律の上限より短い場合は、協定の時間でも判定させます。最終判断は、元の勤怠記録と照らして自分で確認します。

検算のチェックリスト

  • 月45時間・年360時間の判定に、休日労働を足していないか
  • 年720時間と月45時間超の回数(年6か月まで)を、時間外だけで数えているか
  • 月100時間未満の判定に、休日労働を含めているか
  • 2〜6か月のすべての平均を、休日労働を含めて80時間以内で確認しているか
  • 所定休日の労働を、週40時間超の分は時間外として数えているか
  • 自社の36協定で定めた時間とも照らしているか

勤怠管理システムとの役割分担

勤怠管理システムには、上限に近づくとアラートを出す機能を持つものがあります。ただし、法定休日の設定が実態と違うと、時間外と休日労働の振り分けがずれます。AIは、システムの設定や集計結果が正しいかを点検する用途に使うと効果的です。

ChatGPTやClaudeなどの対話型AIを使う場合も、上限ごとの数え方を明示することが前提です。時間の端数処理は残業時間の端数処理の記事、割増率の重ね方は深夜・時間外の割増率の記事で解説しています。

まとめ

36協定の上限には、休日労働を含めない上限と含める上限があります。月45時間・年360時間・年720時間・年6回は時間外労働のみで数えます。月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内は、休日労働を含めて数えます。

防ぐ手順は、時間外と休日労働を分けて渡す、法定休日の曜日を書く、上限ごとに数える時間を定義する、平均は2〜6か月すべてを出させる、判定表を出させて検算する、の5つです。

なお、建設業や自動車運転の業務、医師などには別の上限や特例があります。個別の判定は、社会保険労務士や所轄の労働基準監督署に確認することをおすすめします。

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執筆・監修

AI Scout編集部

AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。

公開日: 2026年9月24日
最終更新: 2026年9月24日