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AIが「労基署の調査は任意だから断ってよい・監督官は指導しかできない」と答える2026|労基法101条は臨検・帳簿提出・尋問・102条は司法警察官・120条4号5号は拒否や不出頭に30万円以下の罰金

労基法101条は監督官が事業場に臨検し帳簿提出を求め尋問できると定め、102条は司法警察官の職務を与えます。臨検拒否や報告・出頭命令への不服従は120条で30万円以下の罰金です。

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「労働基準監督署の調査は任意なので、会社は断っても問題ありません」「監督官は役所の職員なので、違反があっても指導しかできません」とAIが答えることがあります。どちらも労働基準法の条文とは合いません。

この記事では、労働基準監督官の権限を定める労働基準法第101条・第102条と、報告や出頭を定める第104条の2、守秘義務を定める第105条を条文で確認します。あわせて、臨検を拒んだときの罰則を定める第120条を読みます。

結論:条文で確認できる6つのこと

  • 労働基準監督官は、事業場や寄宿舎に臨検し、帳簿や書類の提出を求め、使用者や労働者に尋問できます(第101条第1項)。
  • 臨検のとき、監督官は身分を証明する証票を携帯しなければなりません(第101条第2項)。
  • 監督官は、この法律の違反の罪について、刑事訴訟法の司法警察官の職務を行います(第102条)。
  • 行政官庁と監督官は、使用者や労働者に必要な事項を報告させ、出頭を命じることができます(第104条の2)。
  • 臨検を拒む・妨げる、尋問に黙る・うそを言う、帳簿を出さない・うその帳簿を出すと、30万円以下の罰金の対象です(第120条第4号)。報告や出頭の命令に従わないときも同じです(第120条第5号)。
  • 監督官は職務上知った秘密を漏らしてはならず、退官した後も同じです(第105条)。

条文を確認する

労働基準法第101条(労働基準監督官の権限)

労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。

第2項は「前項の場合において、労働基準監督官は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない」と定めています。臨検の対象は事業場だけではありません。寄宿舎などの附属建設物も入ります。

労働基準法第102条

労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。

監督官は行政の立場で臨検や指導を行います。それに加えて、労働基準法違反の罪については司法警察官の職務も行います。指導しかできない職員ではありません。

労働基準法第104条の2(報告等)

第1項は、行政官庁が「使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる」と定めています。第2項は、労働基準監督官にも同じ権限を与えています。どちらも「この法律を施行するため必要があると認めるとき」が条件です。

労働基準法第105条(労働基準監督官の義務)

労働基準監督官は、職務上知り得た秘密を漏してはならない。労働基準監督官を退官した後においても同様である。

第120条第1号は第105条の違反も罰金の対象にしています。秘密を守る義務は、監督官の側にも罰則つきで課されています。

労働基準法第99条第3項(労働基準監督署長の権限)

労働基準監督署長は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて「この法律に基く臨検、尋問、許可、認定、審査、仲裁その他この法律の実施に関する事項」をつかさどります。臨検は法律に基づく事務として位置づけられています。

AIがよく間違える答えと条文による訂正

誤り1:「調査は任意なので断ってもよい」

第120条第4号は、第101条の臨検を「拒み、妨げ、若しくは忌避し」た者を30万円以下の罰金の対象にしています。断っても何も起きない、という条文の作りではありません。都合のよい日時を相談したいときは、拒否ではなく相談として伝えることが大切です。

誤り2:「事前の連絡がない調査は受けなくてよい」

第101条の文言には、臨検の前に予告することを条件とする言葉はありません。条文が監督官に求めているのは、身分を証明する証票を携帯することです(第101条第2項)。来訪者が監督官かどうか不安なときは、証票の提示を求めて確かめます。

誤り3:「監督官は指導するだけで、刑事事件にはできない」

第102条は、監督官がこの法律の違反の罪について司法警察官の職務を行うと定めています。労働基準法には第117条から第121条まで罰則があります。違反が罪にあたる場面では、監督官はその職務を担います。

誤り4:「帳簿を見せなければ違反の証拠にならない」

第120条第4号は、帳簿書類の提出をしないことと、虚偽の記載をした帳簿書類を出すことも罰金の対象にしています。帳簿を出さないこと自体が別の違反になります。保存期間は記録の保存の記事で整理しています。

誤り5:「呼び出しは協力のお願いなので行かなくてよい」

第104条の2は、行政官庁と監督官が報告をさせ、出頭を命じることができるとしています。第120条第5号は、報告をしない、うその報告をする、出頭しない者を30万円以下の罰金の対象にしています。

誤り6:「監督官に話したことは会社に筒抜けになる」

第105条は、監督官が職務上知った秘密を漏らすことを禁じています。退官後も同じです。労働者が違反を申告する権利と、申告を理由とする不利益な取扱いの禁止は第104条にあります。詳しくは申告の記事で扱っています。

違反したときの罰則

第120条は、次の行為を30万円以下の罰金の対象にしています。

  • 第4号:臨検を拒む、妨げる、忌避する。尋問に陳述しない、虚偽の陳述をする。帳簿書類を出さない、虚偽の記載をした帳簿書類を出す。
  • 第5号:第104条の2の報告をしない、虚偽の報告をする、出頭しない。
  • 第1号:第105条(監督官の守秘義務)に違反する。

会社と担当者のどちらが罰せられるかは両罰規定の記事で整理しています。

早見表

論点条文の定め根拠
臨検できる場所事業場、寄宿舎その他の附属建設物第101条第1項
臨検でできること帳簿・書類の提出を求める、使用者・労働者に尋問する第101条第1項
監督官の義務身分を証明する証票を携帯する第101条第2項
刑事上の職務この法律違反の罪について司法警察官の職務を行う第102条
報告・出頭行政官庁・監督官が報告させ、出頭を命じられる第104条の2
臨検拒否などの罰則30万円以下の罰金第120条第4号
報告・出頭に従わない罰則30万円以下の罰金第120条第5号
監督官の守秘義務職務上の秘密を漏らさない(退官後も)第105条・第120条第1号

AIに質問するときのコツ

  1. 「労働基準法第101条、第104条の2、第120条第4号・第5号を引用して答えて」と根拠を指定する
  2. 「臨検」「報告の命令」「出頭の命令」「申告」のどれについての質問かを分けて伝える
  3. 「任意だから断ってよい」という答えには、第120条第4号の「拒み、妨げ、若しくは忌避し」に触れているかを確かめる

AIの答えを条文と照らす作業は、文章生成AIの一覧から根拠を示しやすいツールを選ぶと進めやすくなります。最終的な判断は、管轄の労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。

まとめ

  • 監督官は事業場や寄宿舎に臨検し、帳簿の提出を求め、尋問できます(第101条第1項)。
  • 臨検のとき監督官は証票を携帯します。来訪者は提示を求めて確かめられます(第101条第2項)。
  • 監督官はこの法律違反の罪について司法警察官の職務を行います(第102条)。
  • 行政官庁と監督官は報告をさせ、出頭を命じられます(第104条の2)。
  • 臨検の拒否や報告・出頭命令への不服従は、30万円以下の罰金の対象です(第120条第4号・第5号)。
  • 監督官は退官後も職務上の秘密を守る義務を負います(第105条)。

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執筆・監修

AI Scout編集部

AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。

公開日: 2026年11月1日
最終更新: 2026年11月1日