AIの日本語が翻訳調で不自然2026|読みやすい文章に直す5つの手順
生成AIが書いた日本語は、意味は通るのに翻訳を読んでいるような硬さが残ることがあります。主語の重複を削る、受け身を減らす、一文を短くする、接続表現を整える、音読で検査する5手順を解説します。
生成AIに書かせた文章を読み返して、内容は合っているのに何か読みにくい、と感じたことはないでしょうか。誤字はなく、敬語も崩れていない。それでも社外に出す前に手を入れたくなる。この違和感の多くは、いわゆる翻訳調の文体から来ています。
翻訳調は、英語の構文をそのまま日本語に置き換えたような書き方のことです。文法上は正しいので、校正ソフトでは検出されません。この記事では、AIの日本語が翻訳調になる理由を整理し、読みやすい文章へ直す手順を紹介します。
なぜAIの日本語は翻訳調になりやすいのか
理由は大きく3つあります。1つ目は、学習した文章の中に翻訳された日本語が多く含まれることです。技術文書や報道記事には英語からの訳文が相当量あります。その言い回しが、日本語で書くときにも出てきます。
2つ目は、論理関係を明示する書き方が選ばれやすいことです。日本語は文脈で補える部分を省きますが、AIは主語や接続表現を丁寧に置く傾向があります。省いても伝わる語が残ると、文が重く感じられます。
3つ目は、依頼文の影響です。「正確に」「網羅的に」と指定すると、AIは情報を落とさない書き方を優先します。その結果、修飾語が積み重なった長い一文が増えます。
読みやすい文章に直す5つの手順
手順1:重複した主語と指示語を削る
「私たちは、私たちの顧客に対して」のように、同じ語が近くに繰り返される箇所を探します。日本語では二度目の主語はほぼ省けます。「それ」「これ」が連続する場合も、指す対象を一度だけ名詞で書き、残りは削ると通りがよくなります。
手順2:受け身を能動に置き換える
「〜が行われました」「〜と考えられます」が並ぶと、誰の行為なのかがぼやけます。主体がわかる文は「担当部署が実施しました」と書き換えます。責任の所在を示したくない場合を除き、能動のほうが短く明確になります。
手順3:一文を短く割る
読点で三つ以上の節がつながった文は、二文か三文に割ります。目安は一文60文字です。割るときは、前半を事実、後半を評価や理由に分けると自然につながります。長い文が減るだけで、読みやすさは大きく変わります。
手順4:接続表現を日本語の頻度に戻す
「したがって」「さらに」「一方で」が段落ごとに現れると、文章が説明書のようになります。日本語では、前後の並びだけで関係が伝わる場面が多くあります。削っても意味が変わらない接続表現は落とし、本当に転換する箇所だけ残します。
手順5:音読して引っかかる箇所を印にする
声に出して読むと、息継ぎのできない文や、同じ音が続く箇所がすぐわかります。読点の位置が合っていない文も、音読すると詰まります。画面で黙読するより短時間で不自然さを拾えます。
依頼文の書き換え例
変更前は「新サービスの案内文を作成してください」という形です。文体の条件がないため、AIは無難で説明的な文章を選びます。
変更後は「新サービスの案内文を作成してください。一文は60文字以内にしてください。受け身の表現は使わず、主語がわかる書き方にしてください。接続表現は連続させないでください。二度目以降の主語は省いてください」となります。条件を数字と禁止事項で示すと、直しの量が減ります。
手直しの前に決めておくこと
すべての文章を同じ基準で直す必要はありません。社外向けの案内文や採用ページは文体が印象を左右しますが、社内の議事録や検索用のメモは意味が通れば十分です。直す対象を絞ると、確認にかける時間を配分しやすくなります。
用語は逆に、揺らさないほうがよい部分です。読みやすさを優先して製品名や専門用語を言い換えると、後で検索に引っかからなくなります。文体は整え、名詞はそのまま残すのが基本です。
チームで基準をそろえる方法
担当者ごとに直し方が違うと、同じサイトの中で文体が混ざります。一文の上限文字数、受け身の扱い、接続表現の方針を数行にまとめ、依頼文の冒頭に貼り付ける運用にしておくと差が縮まります。
公開済みの文章から、自社らしいと感じる段落を三つほど選び、見本として一緒に渡す方法も有効です。文体は言葉で説明するより、実例を見せたほうが伝わります。
直した箇所は、その場で終わらせず記録に残します。同じ指摘が繰り返し出るなら、それは依頼文に足りない条件です。手直しの履歴を数週間ためると、どの条件を最初から書いておけばよいかが見えてきます。
まとめ
翻訳調は誤りではないため、校正では見つかりません。重複した主語を削る、受け身を能動に戻す、一文を短く割る、接続表現を整える、音読で検査する。この5つを順に行えば、AIの文章は読みやすくなります。
業務で使えるAIツールの比較はツール一覧から確認できます。社内での使い方の整理にはガイド記事も参考になります。
※この記事は一般的な推敲の進め方の整理です。実際にどの程度自然な文章になるかは、利用するツールやモデル、設定、扱う題材によって異なります。社外に公開する文章は、公開前に人が読む工程を必ず残してください。外部サービスへ入力してよい社内情報の範囲は、自社の規程に従って運用してください。
AI Scout編集部
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