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AIが「年収が高ければ高プロで残業代ゼロ・本人の同意だけで導入・休日も自由」と答える2026|労基法41条の2は対象5業務・年収1,075万円・委員会5分の4決議・年104日休日・施行規則34条の2

高度プロフェッショナル制度は、労使委員会の5分の4以上の決議・届出・本人の書面同意が必要です。対象は省令の5業務、年収は1,075万円以上、年104日以上の休日と健康確保措置が必須です。

#AI活用#業務効率化#品質管理#プロンプト#人事#労務

「年収が高い社員なら、高度プロフェッショナル制度にすれば残業代はいりません」「本人が同意すれば、どの職種でも使えます」とAIが答えることがあります。どちらも労働基準法第41条の2と施行規則第34条の2の文言と合いません。

管理監督者(第41条)との違いは第41条の記事で整理しました。この記事では、その記事で扱わなかった高度プロフェッショナル制度の対象業務・年収額・休日・健康確保措置を、省令の数字まで条文で確認します。

結論:条文で確認できる7つのこと

  • 使えるのは、労使委員会が5分の4以上の多数で決議し、労働基準監督署長に届け出た事業場だけです(第41条の2第1項、施行規則第34条の2第1項)。
  • 本人の同意は、決められた事項を書いた書面への署名で得ます(施行規則第34条の2第2項)。
  • 対象業務は省令が定める5つに限られます。時間について具体的な指示を受けて行う場合は除かれます(同条第3項)。
  • 年収要件は、見込まれる賃金を1年分に換算して1,075万円以上です(同条第6項)。
  • 年104日以上、かつ4週4日以上の休日が必須です(第41条の2第1項第4号)。
  • 4つの選択的措置から1つ以上を講じます。健康確保の措置を欠くと、制度の効果が生じません(同項ただし書)。
  • 外れるのは労働時間・休憩・休日・深夜割増の規定です。年次有給休暇は除外の対象に書かれていません(同項本文)。

条文を確認する

労働基準法第41条の2第1項(本文の要点)

(委員会が)その委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者(以下この項において「対象労働者」という。)であつて書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。ただし、第三号から第五号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りでない。

条件は「決議」「届出」「本人の同意」「対象業務に就かせる」の4つが重なることです。どれか1つが欠ければ、通常の労働時間規制がそのまま適用されます。

ただし書も重要です。第3号(健康管理時間の把握)・第4号(休日)・第5号(選択的措置)のどれかを講じていなければ、適用除外の効果は生じません。

決議する委員会

第41条の2第3項は、企画業務型裁量労働制の労使委員会の規定(第38条の4第2項など)を準用しています。委員の半数は、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)が任期を定めて指名します。議事録の作成・保存と労働者への周知も要件です。

決議は5分の4以上の多数が必要です。過半数ではありません。企画業務型裁量労働制の手続きは第38条の4の記事で整理しています。

対象業務は省令の5つだけ

施行規則第34条の2第3項は、対象業務を次の5つに限っています。

号業務(条文の要約)
1金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発
2投資判断に基づく資産運用、またはそのための有価証券の売買等(いわゆるファンドマネージャー・トレーダー)
3有価証券市場の動向や有価証券の価値の分析・評価、それに基づく投資の助言(いわゆるアナリスト)
4顧客の事業運営の重要事項についての調査・分析と、それに基づく考案・助言(いわゆるコンサルタント)
5新たな技術・商品・役務の研究開発

同じ項の括弧書きで、従事する時間について使用者から具体的な指示を受けて行うものは除かれます。「業務量に比べて著しく短い期限の設定」も、時間の指示に含まれると書かれています。

営業職・一般事務・システム運用などは、この5つに書かれていません。本人が同意しても、対象業務でなければ制度は使えません。

年収1,075万円と職務の合意

年収要件(第41条の2第1項第2号ロ)

法律は「基準年間平均給与額の3倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上」としています。施行規則第34条の2第6項は、その額を1,075万円と定めています。

比べるのは、労働契約で「支払われると見込まれる」賃金を1年分に換算した額です。条文の文言は「見込まれる」なので、業績次第で変わる額をどう扱うかは、条文だけでは決まりません。行政の指針や通達で確認してください。

職務の合意(同号イ)

職務は、書面で明確に定めて合意します。書面には「業務の内容」「責任の程度」「求められる成果などの水準」を書き、本人の署名を受けます(施行規則第34条の2第4項)。

本人の同意の書面

同意の書面には、次の3点を明らかにします(同条第2項)。

  1. 同意すると、労働時間・休憩・休日・深夜割増の規定が適用されなくなること
  2. 同意の対象となる期間
  3. その期間中に支払われると見込まれる賃金の額

同意の撤回の手続きは決議で定めます(第41条の2第1項第7号)。同意しなかった労働者への解雇や不利益な取扱いをしないことも、決議事項です(同項第9号)。

休日と健康確保措置

休日:年104日以上かつ4週4日以上(第4号)

この休日は決議と就業規則などで定め、必ず与えます。選択制ではありません。

健康管理時間の把握(第3号)

健康管理時間は「事業場内にいた時間」と「事業場外で労働した時間」の合計です。決議で休憩時間などを除くことはできます(施行規則第34条の2第7項)。把握はタイムカードやパソコンの使用時間などの客観的な方法で行います。自己申告にできるのは、事業場外で労働し、やむを得ない理由があるときに限られます(同条第8項)。

「労働時間の規制がないから、時間は記録しなくてよい」という答えは条文と合いません。

選択的措置:4つから1つ以上(第5号)

号措置省令の数字
イ勤務間インターバルの確保と深夜業の回数制限始業から24時間以内に11時間以上の休息、深夜(22時〜5時)の労働は1か月4回以内(第9項・第10項)
ロ健康管理時間の上限週40時間を超えた時間が1か月100時間・3か月240時間以内(第11項)
ハ連続した休日年1回以上の連続2週間(本人が請求すれば年2回以上の連続1週間)。年次有給休暇を与えた日は除く
ニ臨時の健康診断週40時間を超えた時間が1か月80時間を超えたとき、または本人の申出があったとき(第12項)

健康・福祉確保措置(第6号)

第6号の措置は、施行規則第34条の2第14項が挙げる中から決議で選びます。第5号で選ばなかった措置、医師による面接指導、代償休日・特別な休暇、相談窓口、配置転換、産業医等の助言・保健指導の6つです。

6か月ごとの報告

届出をした使用者は、決議の有効期間の始期から6か月以内ごとに、労働基準監督署長へ報告します。報告するのは健康管理時間の状況と、第4号〜第6号の措置の実施状況です(第41条の2第2項、施行規則第34条の2の2)。

外れる規定・外れない規定

規定高度プロフェッショナル制度管理監督者(第41条)
労働時間・休憩・休日適用しない適用しない
深夜の割増賃金適用しない条文の除外対象に書かれていない
年次有給休暇(第39条)除外対象に書かれていない除外対象に書かれていない
年104日以上の休日必須(第4号)規定なし
決議・届出・本人同意必要規定なし

深夜割増まで外れるのは、第41条の2の本文に「深夜の割増賃金に関する規定」と書かれているからです。管理監督者と混ぜて答えるAIがあるので、どちらの制度の話かを確認してください。

AIが取り違えやすい5つの答え

AIの答え条文の内容
年収が高ければ誰でも対象対象業務は省令の5つだけ。年収1,075万円以上は条件の1つにすぎない
本人の同意だけで使える労使委員会の5分の4以上の決議と届出が先に必要
時間管理はいらない健康管理時間を客観的な方法で把握する
休日も自由に決めてよい年104日以上かつ4週4日以上は必須
有給休暇もなくなる除外対象に年次有給休暇は書かれていない

導入前のチェックリスト

  • 担当業務が施行規則第34条の2第3項の5つのどれに当たるか、号まで特定できるか
  • 時間について具体的な指示(著しく短い期限を含む)をしていないか
  • 見込まれる年収が1,075万円以上か
  • 職務の内容・責任の程度・求める水準を書いた書面に署名を受けたか
  • 労使委員会で5分の4以上の決議をし、様式第14号の2で届け出たか
  • 同意書面に、適用除外の旨・期間・見込み賃金を書いたか
  • 年104日以上・4週4日以上の休日を就業規則などで定めたか
  • 健康管理時間を客観的に把握し、6か月以内ごとに報告しているか

記録の保存も決議事項です。同意と撤回、職務の内容、見込み賃金、健康管理時間、各措置の実施状況などを、決議の有効期間中とその満了後5年間保存します(施行規則第34条の2第15項第4号)。

AIに質問するときのコツ

  1. 「労働基準法第41条の2と施行規則第34条の2を引用して答えて」と根拠を指定する
  2. 業務の内容を具体的に書き、省令の5つのどれに当たるかを答えさせる
  3. 「管理監督者ではなく高度プロフェッショナル制度について」と制度名をはっきり書く

AIの答えを条文と照らす作業は、文章生成AIの一覧から根拠を示しやすいツールを選ぶと進めやすくなります。個別の導入可否は、指針や通達も含めて労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。

まとめ

  • 労使委員会の5分の4以上の決議・届出・本人の書面同意がそろって初めて使えます(第41条の2第1項)。
  • 対象業務は金融商品開発・資産運用・アナリスト・コンサルタント・研究開発の5つです(施行規則第34条の2第3項)。
  • 年収要件は見込み額で1,075万円以上です(同条第6項)。
  • 年104日以上・4週4日以上の休日と、健康管理時間の把握は必須です(第1項第3号・第4号)。
  • 選択的措置は4つから1つ以上。第3号〜第5号の措置を欠けば適用除外になりません(同項ただし書)。
  • 深夜割増まで外れますが、年次有給休暇は除外対象に書かれていません。

出典:労働基準法 第38条の4・第41条・第41条の2、労働基準法施行規則 第34条の2・第34条の2の2(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 ・ https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023 、e-Gov法令API v2 で 2026-11-02 取得。労働基準法 rev 20260717、施行規則 rev 20260401)

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執筆・監修

AI Scout編集部

AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。

公開日: 2026年11月2日
最終更新: 2026年11月2日