AIの文章で見出しの階層と番号がズレる2026|構造の崩れを直す5つの手順
AIが書いた資料で見出しレベルや章番号がズレる原因を整理し、階層を宣言して機械的に検証する5つの手順を解説します。
AIに作らせた提案書を文書ソフトに貼り付けたら、大見出しと小見出しが同じ大きさで並んでいる。章番号が1、2、4と飛んでいる。箇条書きの階層が途中から1段ずれている。文章そのものは読めるので、体裁の問題として後回しにしがちです。しかし見出しの階層は目次と自動採番の土台なので、崩れたまま配布すると差し戻しの原因になります。ここでは、AIの出力で見出しの階層と番号がズレる理由と、構造を先に決めて機械的に検証する5つの手順を紹介します。文字の全角・半角をそろえる話とは別で、ここで扱うのは文書の骨組みです。
なぜ見出しの階層と番号がズレるのか
原因は、AIが文章を意味のまとまりとして書き、構造として管理していないためです。人が資料を書くときは、まず章立てを決めてから中身を埋めます。AIは前の段落からの流れで次の見出しを選ぶため、途中で粒度が変わっても気づきません。結果として、本来は小見出しにすべき内容が大見出しとして並びます。番号のズレも同じ理由です。AIは番号を「順に数える対象」ではなく「文字列の一部」として出力します。長い文書ほど、この数え直しが働かず、連番の飛びや重複が起こります。
途中で書式が切り替わる
もうひとつの原因は、出力の途中で記法が混ざることです。前半は記号による見出し、後半は太字だけの見出しになる、といった切り替わりが起きます。会話が長くなるほど、最初に指定した書式が薄れていきます。人の目には同じ「見出しらしきもの」に見えるため、貼り付けるまで気づきません。
ズレが実務で起こす不具合
最も影響が大きいのは、目次が正しく作られないことです。文書ソフトの目次機能は見出しレベルを参照します。レベルがそろっていないと、小項目が目次の最上位に並ぶか、逆に必要な章が目次から抜け落ちます。次に多いのが、自動採番との二重管理です。文書ソフト側で章番号を振る設定にしているのに、本文にも番号が書かれていると、1.1が二重に表示されます。手作業で本文の番号を消す作業が発生し、消し忘れた箇所が残ります。社内規程や手順書では、番号が参照先そのものになります。番号が飛べば、別の文書からの参照がすべて狂います。
手順1:章立てを先に確定させる
本文を書かせる前に、見出しだけを出力させてください。「大見出しと小見出しの2階層のみ」「大見出しは5つ以内」のように、階層の深さと数を先に指定します。この段階で並び順と粒度を確認し、必要なら並べ替えます。骨組みが固まってから本文を依頼すれば、途中で粒度が変わる余地が減ります。章立てと本文を同時に頼むと、AIは書きながら構造を決めるため、後半ほど崩れやすくなります。
手順2:階層のルールを言葉で宣言する
依頼文の冒頭に、使う見出しの種類を並べて書きます。「見出しは2階層まで」「小見出しは各大見出しに2つから4つ」「本文に番号は書かない」のように、対象と結論だけを短く並べる形が確実です。番号を文書ソフト側で振るのか本文に書くのかは、必ずどちらかに寄せてください。ここが曖昧なままだと、二重採番の手直しが毎回発生します。会話が長くなると前提は薄れるため、条件が固まった段階で新しい会話を開き、前提をまとめて渡し直します。
手順3:構造が分かる形式で出力させる
見出しレベルが記号として残る形式で受け取ってください。記号で階層が表現されていれば、貼り付け先で見出しスタイルへ一括変換できます。太字や文字サイズだけで見出しを表現させると、階層の情報が失われます。見た目は整っていても、目次機能からは本文と区別できません。文書ソフトへ貼る前提であれば、どの記号がどのレベルに対応するかも指定しておくと安全です。
手順4:貼り付け後に見出しレベルで検証する
貼り付けたら、本文を読む前に見出しの一覧を表示します。文書ソフトのナビゲーション表示や目次の自動生成を使えば、階層のズレは一目で分かります。ここで小見出しが最上位に並んでいれば、その箇所だけレベルを直します。本文を通読して探す方法は、見落としが必ず残ります。構造の検証は、読む作業ではなく表示を切り替える作業だと割り切ってください。
手順5:番号は本文から外して自動採番に任せる
最後に、本文中に書かれた章番号をすべて削除し、文書ソフト側の自動採番に切り替えます。自動採番であれば、章を1つ挿入しても以降の番号が自動で振り直されます。飛びや重複は構造上発生しません。他の文書から番号で参照している場合も、参照先を自動更新の対象にしておけば追随します。手作業で番号を維持している限り、章を足すたびに同じ確認作業が戻ってきます。
見落としやすい落とし穴
ひとつは、箇条書きの階層です。見出しはそろっていても、箇条書きのインデントが途中から1段ずれていることがあります。貼り付け先によっては、この段差が勝手に補正されて元に戻せなくなります。もうひとつは、表や図の番号です。見出しの番号を直しても、図表番号は本文中の文字列のまま残りがちです。図1と図2の間に新しい図を足したとき、番号の振り直しが漏れます。図表番号も自動採番の対象に含めておくと、この手直しがなくなります。
チェックリスト
配布の前に、次の5点を確認してください。見出しが指定した階層の数に収まっているか。同じ階層の見出しの粒度がそろっているか。本文に手書きの章番号が残っていないか。目次を自動生成して意図どおりに並ぶか。箇条書きと図表の番号がズレていないか。この5点が埋まっていれば、体裁が理由の差し戻しはほぼ起きません。
見出しの階層と番号のズレは、AIの文章力の問題ではなく、構造を先に決めていないことの問題です。章立てを先に確定し、階層を宣言し、番号は自動採番に任せる。この流れを固定すれば、貼り付けた後に体裁を整え直す時間はなくなります。提案書や手順書を継続的に作るなら、階層のルールをひな形として残しておくことが最も効果的です。文書ソフトへの書き出しや共有機能が扱いやすいツールかどうかも、選定時の判断材料になります。
AI Scout編集部
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