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AIが「有期契約は最長5年」と答える2026|労基法14条は1回の契約の上限が原則3年・5年は高度専門職と60歳以上だけ・1年超の契約は1年経過後いつでも退職可(137条)・違反は30万円以下の罰金

AIに有期契約の期間を聞くと「最長5年」「通算3年超は違法」と答えることがあります。労基法14条の上限は1回の契約で原則3年です。5つの誤答と確認手順を解説します。

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「契約社員と何年の契約を結べますか」とAIに聞くと、「有期契約は最長5年です」と答えることがあります。「3年を超えて働かせると違法になる」と答える例もあります。

どちらも、条文とは違います。労働基準法第14条第1項は、1回の労働契約の期間の上限を原則3年と定めています。5年まで認められるのは、高度の専門的知識等を持つ労働者と満60歳以上の労働者との契約だけです。

この記事では、e-Gov法令検索で取得した労働基準法第14条・第120条・第137条と、労働契約法第17条の条文をもとに、AIが取り違えやすい点と、AIに正しく答えさせる手順をまとめます。

契約期間の上限の基本ルール

項目条文の内容根拠
原則の上限3年を超える期間について締結してはならない労基法第14条第1項
上限5年の契約厚生労働大臣が定める基準に当たる高度の専門的知識等を持つ労働者(その知識等を必要とする業務に就く者に限る)との契約、満60歳以上の労働者との契約労基法第14条第1項第1号・第2号
上限の対象外期間の定めのない契約、一定の事業の完了に必要な期間を定める契約労基法第14条第1項
罰則30万円以下の罰金労基法第120条第1号
1年経過後の退職期間が1年を超える契約でも、初日から1年を経過した日以後は、申し出ればいつでも退職できる(5年上限の対象者などを除く)労基法第137条
期間中の解雇やむを得ない事由がなければ、期間満了まで解雇できない労働契約法第17条第1項

AIがよく出す5つの誤答

誤答1:「有期契約は最長5年まで結べる」

第14条第1項の原則は3年です。5年が認められるのは、第1号の高度の専門的知識等を持つ労働者と、第2号の満60歳以上の労働者との契約だけです。

AIが「5年」と答えたときは、無期転換の「通算5年」と混ざっていることがあります。無期転換は契約の更新を重ねた通算期間の話で、1回の契約期間の上限とは別の制度です。

誤答2:「60歳以上でも上限は3年」

第2号は「満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約」を5年上限の対象にしています。定年後の再雇用などで期間を決めるときは、契約を結ぶ時点の年齢を確認します。

第1号の高度の専門的知識等は、厚生労働大臣が定める基準に当たることが条件です。基準の中身は第14条に書かれていないため、告示を確認します。

誤答3:「通算3年を超えて働かせるのは違法」

第14条の文言は「三年…を超える期間について締結してはならない」です。1回の契約で定める期間の上限であり、更新の回数や通算の期間の上限は、第14条には書かれていません。

一方で、労働契約法第17条第2項は、目的に照らして必要以上に短い期間を定め、反復して更新することのないよう配慮を求めています。更新の扱いは、この配慮義務と無期転換のルールも合わせて確認します。

誤答4:「3年契約なら満了まで辞められない」

労基法第137条は、期間が1年を超える契約を結んだ労働者は、契約の初日から1年を経過した日以後、使用者に申し出ればいつでも退職できると定めています。

ただし、第14条第1項各号の労働者(高度の専門的知識等を持つ人と満60歳以上の人)と、一定の事業の完了に必要な期間を定める契約は対象外です。AIが「辞められない」と答えたら、この除外に当たるかを確認させます。

誤答5:「期間中でも30日前に予告すれば解雇できる」

労働契約法第17条第1項は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、期間満了までの間に解雇できないと定めています。解雇予告の手続きを踏めば足りる、という話ではありません。

どんな事情が「やむを得ない事由」に当たるかは、条文に列挙がありません。個別の判断は専門家に確認します。

AIに正しく答えさせる手順

手順1:条文を貼ってから聞く

AIの記憶だけで答えさせないことが基本です。e-Gov法令検索から労基法第14条・第137条と労働契約法第17条の本文をコピーし、質問の前に貼り付けます。

手順2:「1回の期間」と「通算の期間」を分けて答えさせる

次のように指示します。「1回の契約期間の上限と、更新を重ねた通算期間の扱いを、別々に答えてください」。分けて答えさせると、3年と5年の混同が起きにくくなります。

手順3:本人の条件を先に渡す

上限は、満60歳以上か、高度の専門的知識等に当たるかで変わります。年齢と業務の内容を質問に書き、どの号に当たるかを先に答えさせます。

手順4:確認用の質問で答えを試す

次の質問をAIに出し、条文どおりに答えるかを試します。

  • 満62歳の労働者と結べる有期契約の期間の上限は何年ですか。根拠の条文も答えてください。
  • 1年契約を3回更新して通算3年を超えることは、労基法第14条に違反しますか。
  • 3年契約の労働者が、初日から1年半たった時点で退職を申し出ました。退職できますか。
  • 第14条に違反した場合の罰則は、どの条文で、上限はいくらですか。

1問でも外れたら、そのプロンプトは使いません。

手順5:判断が分かれる点は専門家に確認する

高度の専門的知識等の基準や、「やむを得ない事由」の当てはめは、条文だけでは決まりません。上限を超えた期間で契約した場合の扱いも、第14条には書かれていません。契約書をつくる前に、社会保険労務士や労働基準監督署に確認します。

まとめ

  • 1回の有期労働契約の期間の上限は、原則3年です(労基法第14条第1項)。
  • 高度の専門的知識等を持つ労働者と、満60歳以上の労働者との契約は5年が上限です(同項第1号・第2号)。
  • 違反は30万円以下の罰金です(第120条第1号)。
  • 1年を超える契約でも、初日から1年を経過した日以後は申し出ればいつでも退職できます。5年上限の対象者などは除きます(第137条)。
  • 使用者は、やむを得ない事由がなければ期間中に解雇できません(労働契約法第17条第1項)。

更新を重ねた通算期間のルールは、無期転換の記事で解説しています。期間の定めのない契約の退職は、退職の申し出の時期の記事を、試用期間の解雇予告は試用期間の記事をご覧ください。

出典:労働基準法 第14条・第120条・第137条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049、2026年7月17日施行版)、労働契約法 第17条(https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128、2020年4月1日施行版)。いずれも2026年10月13日取得。

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執筆・監修

AI Scout編集部

AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。

公開日: 2026年10月13日
最終更新: 2026年10月13日