AIが「家族だけの店にも労基法は全部適用・家政婦にも残業代の規定がそのまま」と答える2026|労基法116条2項は同居の親族のみの事業と家事使用人を除外・親族以外を1人使えば対象・9条の労働者の定義
労基法116条2項は同居の親族のみを使用する事業と家事使用人に労基法を適用しないと定めます。親族以外を1人でも使えば除外に当たりません。船員の扱い(1項)と9条の労働者の定義も条文で確認します。
「家族だけで営む店にも、労働基準法はすべて適用されます」「住み込みの家政婦さんにも、残業代や有給休暇の決まりがそのまま当てはまります」とAIが答えることがあります。どちらも労働基準法第116条第2項の文言と合いません。
反対に「親族が1人でもいれば、従業員がいても労基法は関係ない」という答えも条文とずれています。この記事では、労基法の適用範囲を定める第116条と、「労働者」の定義を定める第9条を条文で確認します。
結論:条文で確認できる5つのこと
- 労基法は「同居の親族のみを使用する事業」には適用されません(第116条第2項)。
- 労基法は「家事使用人」にも適用されません(第116条第2項)。
- 除外されるのは同居の親族「のみ」を使う事業です。親族以外を1人でも使えば、この除外には当たりません。
- 船員法の船員には、第1条〜第11条、第116条第2項、第117条〜第119条、第121条だけが適用されます(第116条第1項)。
- 「労働者」は、職業の種類を問わず、事業に使用され賃金を支払われる者です(第9条)。
条文を確認する
労働基準法第116条第2項(適用除外)
この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。
除外の対象は2つです。1つは「同居の親族のみを使用する事業」で、もう1つは「家事使用人」です。どちらも労基法全体が適用されない、という書き方です。
労働基準法第116条第1項(船員)
第一条から第十一条まで、次項、第百十七条から第百十九条まで及び第百二十一条の規定を除き、この法律は、船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条第一項に規定する船員については、適用しない。
船員には、労働時間や休日の章などは適用されません。一方で、第1条〜第11条の総則と、第117条〜第119条・第121条の罰則は適用されます。船員の労働条件は、主に船員法で定められています。
労働基準法第9条(定義)
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
労働者かどうかは、事業に使用されることと、賃金を支払われることの2点で決まります。契約書の名前が「業務委託」でも、この2点で判断されます。
労働基準法第10条(使用者の定義)
第10条は、使用者を「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」と定めています。家族経営でも、親族以外を雇えば事業主は使用者として扱われます。
AIがよく間違える答えと条文による訂正
誤り1:「家族だけの店にも労基法はすべて適用される」
第116条第2項は、同居の親族のみを使用する事業に労基法を適用しないと定めています。同居の家族だけで営む店では、労基法の労働時間や割増賃金の規定は、この条文によって適用されません。
誤り2:「親族が1人でもいれば、労基法は関係ない」
条文は「同居の親族のみを使用する事業」です。親族以外のパートやアルバイトを1人でも使えば「のみ」に当たりません。その事業には労基法が適用され、親族以外の人は第9条の労働者として保護されます。同居の親族自身が労働者に当たるかどうかは、第9条の「使用される」「賃金を支払われる」に照らして個別に判断されます。迷う場合は管轄の労働基準監督署に確認してください。
誤り3:「別居の親族も、親族なので除外される」
条文の言葉は「同居の親族」です。別居の親族は、この除外の文言に含まれていません。同居の親族と別居の親族の両方を使う事業は、同居の親族「のみ」の事業ではありません。
誤り4:「家政婦にも労基法の残業代や有給休暇がそのまま当てはまる」
第116条第2項は、家事使用人に労基法を適用しないと定めています。家庭に直接雇われて家事をする人の労働条件は、労基法以外の法律や契約で考えることになります。ただし、どのような働き方が「家事使用人」に当たるかは、雇い主が家庭か会社かなどで分かれます。家事代行会社の従業員として働く場合は扱いが異なる可能性があるため、契約の相手方を確かめて専門家に相談してください。
誤り5:「船員には労基法はまったく適用されない」
第116条第1項は、第1条〜第11条と第117条〜第119条・第121条を船員にも適用すると定めています。たとえば第5条の強制労働の禁止は総則にあり、違反には第117条の罰則があります。「まったく適用されない」は条文と合いません。
誤り6:「業務委託契約なら労働者ではない」
第9条は「職業の種類を問わず」、事業に使用され賃金を支払われる者を労働者としています。契約書の名前だけで決まる、という書き方ではありません。会社と担当者の責任については両罰規定の記事で整理しています。
早見表
| ケース | 労基法の適用 | 根拠 |
|---|---|---|
| 同居の親族だけで営む事業 | 適用しない | 第116条第2項 |
| 同居の親族+親族以外の従業員 | 「のみ」に当たらず、除外の対象外 | 第116条第2項・第9条 |
| 別居の親族を使う事業 | 「同居の親族」の文言に当たらない | 第116条第2項 |
| 家事使用人 | 適用しない | 第116条第2項 |
| 船員法の船員 | 第1〜11条・第116条第2項・第117〜119条・第121条のみ適用 | 第116条第1項 |
| 労働者の定義 | 事業に使用され、賃金を支払われる者 | 第9条 |
AIに質問するときのコツ
- 「労働基準法第116条第2項と第9条を引用して答えて」と根拠を指定する
- 家族が「同居か別居か」、親族以外の従業員が「いるかいないか」を質問に書く
- 家事の仕事なら、雇い主が「家庭」か「家事代行会社」かを分けて伝える
AIの答えを条文と照らす作業は、文章生成AIの一覧から根拠を示しやすいツールを選ぶと進めやすくなります。契約の内容によって結論が変わるため、最終的な判断は管轄の労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。
まとめ
- 同居の親族のみを使用する事業には、労基法は適用されません(第116条第2項)。
- 親族以外を1人でも使えば「のみ」に当たらず、この除外は使えません。
- 条文の対象は「同居の」親族です。別居の親族は文言に含まれません。
- 家事使用人には労基法は適用されません(第116条第2項)。家事代行会社の従業員は扱いが分かれる可能性があります。
- 船員にも総則と罰則の一部は適用されます(第116条第1項)。
- 労働者は、事業に使用され賃金を支払われる者です(第9条)。
AI Scout編集部
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