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AIが「労災の最初の3日間は誰も払わない・労災を使っても会社は別に休業補償」と答える2026|労基法76条は療養中ずっと平均賃金60%・労災は4日目から・84条で重ならない

労基法76条は療養中の休業補償として平均賃金の60%を使用者に求め、日数の除外はありません。労災保険の休業補償給付は4日目からで、84条により給付がある日は使用者が免責。最初の3日間は会社が払います。

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「労災の休業補償は4日目からなので、最初の3日間は誰も払いません」「労災保険を使っても、会社は別に休業補償を払う義務があります」とAIが答えることがあります。どちらも労働基準法と労働者災害補償保険法の条文とは合いません。

この記事では、仕事中のけがや病気で休んだときの補償を定める労働基準法第75条・第76条・第84条と、労災保険法第14条を条文で確認します。AIがよく間違える6つの答えを、条文の文言で正します。

結論:条文で確認できる6つのこと

  • 業務上のけがや病気の療養は、使用者がその費用で行うか、費用を負担します(労働基準法第75条第1項)。
  • 療養のため働けず賃金を受けない場合、使用者は療養中、平均賃金の100分の60の休業補償を行います(第76条第1項)。
  • 労災保険の休業補償給付は、賃金を受けない日の第4日目から、給付基礎日額の100分の60が支給されます(労災保険法第14条第1項)。
  • 労災保険から相当する給付が行われるべき場合、使用者は補償の責任を免れます(労働基準法第84条第1項)。第1日目から第3日目は労災保険の給付がないため、この免責は働きません。
  • 使用者が補償をしても、民法の損害賠償の責任を免れるのは、同じ事由についてその価額の限度までです(第84条第2項)。
  • 第75条から第77条に違反すると、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です(第119条第1号)。

条文を確認する

労働基準法第75条(療養補償)

労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。
前項に規定する業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定める。

労働基準法第76条(休業補償)第1項

労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。

「療養中」とあるだけで、最初の何日かを除くという文言はありません。第2項は、同じ種類の労働者の平均給与額が、けがをした日の四半期の100分の120を超えるか100分の80を下回ったときに、補償額を改訂する規定です。

労働者災害補償保険法第14条第1項(休業補償給付)

休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とする。

「第四日目から」という限定は、労災保険法の側にだけあります。

労働基準法第84条(他の法律との関係)

この法律に規定する災害補償の事由について、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)又は厚生労働省令で指定する法令に基づいてこの法律の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合においては、使用者は、補償の責を免れる。
使用者は、この法律による補償を行つた場合においては、同一の事由については、その価額の限度において民法による損害賠償の責を免れる。

AIがよく間違える6つの答え

誤答1:「最初の3日間は待期期間なので、誰も払わない」

労災保険法第14条は第4日目から支給すると定めています。一方、労働基準法第76条は「療養中」の休業補償を使用者に求め、日数の除外を書いていません。

第84条第1項の免責は、労災保険の給付が「行なわれるべきもの」である場合に限られます。第1日目から第3日目は労災保険の給付がないので、使用者が平均賃金の100分の60を補償します。

誤答2:「労災を使っても、会社は別に休業補償を払う義務がある」

第84条第1項により、労災保険から相当する給付が行われるべき場合、使用者は補償の責任を免れます。第4日目以降は、労災保険の休業補償給付が第76条の補償に代わります。

二重に払う義務があるという答えは、第84条第1項を見落としています。

誤答3:「休業補償は給料の6割。毎月の基本給で計算する」

第76条の基準は「平均賃金」です。基本給ではありません。労災保険法第14条の基準は「給付基礎日額」です。

平均賃金の出し方は平均賃金の記事で整理しています。

誤答4:「業務上のけがでも、治療費は健康保険で3割を本人が払う」

第75条第1項は、業務上のけがや病気について、使用者が「その費用で」療養を行うか、療養の費用を負担すると定めています。本人に一部を負担させる文言はありません。

業務外の病気で休むときの健康保険の傷病手当金は、傷病手当金の記事で扱っています。業務上か業務外かで、使う制度が変わります。

誤答5:「労災の補償を受けたら、会社に損害賠償を請求できない」

第84条第2項で使用者が民法の損害賠償の責任を免れるのは、「同一の事由」について、補償の「価額の限度」までです。

補償の額を超える損害や、補償と事由が違う損害まで請求できなくなるとは書かれていません。

誤答6:「休業補償を払わなくても罰則はない」

第119条第1号は、第75条から第77条までの違反を、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象にしています。第1日目から第3日目の休業補償を払わない場合も、第76条の違反になります。

誰が罰せられるかは両罰規定の記事で整理しています。

早見表:休業した日ごとに誰が払うか

休業した日払う人額根拠
第1日目〜第3日目使用者平均賃金の100分の60労働基準法第76条第1項
第4日目以降労災保険給付基礎日額の100分の60労災保険法第14条第1項
第4日目以降の使用者補償の責任を免れる―労働基準法第84条第1項

業務上のけがで療養中の人の解雇制限は、解雇制限の記事で扱っています。

AIに質問するときのコツ

休業補償をAIに聞くときは、次の3点を指示すると誤答が減ります。

  1. 「労働基準法第76条・第84条と労災保険法第14条の条文を引用して答えて」と根拠を指定する
  2. けがや病気が業務上か業務外か、休んだ日数を伝える
  3. 「最初の3日間は払わない」という答えには、第76条と第84条第1項に触れているかを確かめる

答えに条文番号がない部分は、e-Gov法令検索で原文を確認してください。社内の規程づくりや個別の判断は、社会保険労務士などの専門家に相談してください。

まとめ

  • 業務上のけがや病気の療養は、使用者の費用で行います(労働基準法第75条第1項)。
  • 休業補償は療養中、平均賃金の100分の60です。日数の除外はありません(第76条第1項)。
  • 労災保険の休業補償給付は第4日目からです(労災保険法第14条第1項)。
  • 労災保険の給付が行われるべき日について、使用者は補償の責任を免れます。第1日目から第3日目は使用者が補償します(第84条第1項)。
  • 民法の損害賠償を免れるのは、同じ事由について補償の価額の限度までです(第84条第2項)。
  • 第75条から第77条の違反は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です(第119条第1号)。

出典:労働基準法(e-Gov法令API v2、版 322AC0000000049_20260717_508AC0000000060、2026年10月30日取得)第75条・第76条・第84条・第119条。労働者災害補償保険法(e-Gov法令API v2、版 322AC0000000050_20260717_508AC0000000060、2026年10月30日取得)第14条。

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執筆・監修

AI Scout編集部

AIツール・SaaS専門のレビューチーム。最新のAI技術動向を追い、実際にツールを使用した上で、正確で信頼性の高い情報を提供しています。

公開日: 2026年10月30日
最終更新: 2026年10月30日